すべてを あきらめてしまえばいい。 すべてを受け入れてしまえばいい。
死を恐れることはない。
死とは 平等に訪れる 安息なのだから。
概要
Ver.5.0の主要人物の一人で、ゼクレス魔導国の魔王。
先代魔王イーヴとその王妃にして現在は太后であるエルガドーラの息子。
魔導国の王だけあり物を空中に浮かばせたり自身の姿を変えたり使い魔を使役したりと様々な術を使いこなす魔法使いでもある。
見た目は中性的で優しげな顔立ちをした魔族の青年だが、後述の生育環境からか目が死んでいる。
作中の活躍
Ver.5.0
普段は城下町に降りてアストルティアの骨董品集めや銀翼竜の観察に没頭しており身分差のないアストルティアを旅することを夢見ている。
この際は「シリル」の偽名を使っており表向きは六大陸堂の店主ということにしている。
シリルの状態でも変装らしい変装をしていないにもかかわらずゼクレスの名門貴族であるリンベリィでさえシリルの正体がアスバルであることに全く気付かないあたりいかに国民の前にほぼ全くと言っていいほど姿を見せていないかが覗える。
かつてユシュカから貰ったアストルティア産のコンパスを宝物としている。
その実態はエルガドーラの傀儡で長年に渡り彼女にとって都合のよい王となるよう強引な教育をされていた。
さらにはエルガドーラが魔法を使うと彼が首に着けたチョーカーが怪しく光り苦しみだして瞳から光が失われ人が変わったかのような言動をするという文字通りの洗脳がかけられていることも窺える。
こうした虐待じみた実母の扱いの反動で彼は魔王としての責務を忌避するようになってしまい公務など禄に手を付けず国民の前に顔を出すことも少ない、大魔王になる決意をした際も王としての理想などは語らずエルガドーラの支配から逃れることしか考えていなかった。
自分の義務と向き合わず趣味に逃避したりひどく取り乱した姿を見せたりと、成人男性としては幼稚かつ依存的な言動が目立つことから毒親に精神の成長を妨げられたアダルトチルドレンともいえるだろう。
大魔王選定のためデモンマウンテンの試練に挑み得意の召喚術で奮戦。この際「もし大魔王になれなければきっと母は今度こそ……」等と話しているため、最悪の場合大量殺戮をさせられると薄々気付いていたようでジャディンの園では弱いから苦しむのだと助けを求める魔物達を呪殺。
大魔瘴期に対するアスバル本人の考えは現時点では不明瞭で大魔王選別時の「優秀な魔族だけをシェルターに避難する」というのは十中八九エルガドーラの思想だと思われる。魔仙卿から「他者どころか自分を救うことすらあきらめている。」と操られていることといい、回答の内容といい三魔王の中でも特に問題外な状態だったため当然魔仙卿には大魔王不合格とされてしまった。
Ver.5.1
魔界大戦編ではミアラの宝杖によりアスバルの魔力を触媒として太古の魔人へと変貌。その圧倒的な力によりバルディスタ軍、同盟を組んでいたファラザード軍双方に大打撃を与えるが、力を使い果たしたのか元の姿に戻りゼクレスへ帰還する。
その後ゼクレス城へ乗り込んできたヴァレリアに対して再び太古の魔人へと変貌させられて返り討ちにし、主人公にも襲い掛かろうとするがそこにユシュカが現れて額の宝玉を破壊される。
エルガドーラの命を懸けた魔力を注ぎ込まれたことで半ば暴走状態に陥るが、主人公とユシュカによって打倒され元に戻る。
エピローグでは自室と思われる場所でやっと自我が戻り、太古の魔人として過ちの後悔を抱えることになった。
暴走時の記憶ははっきりと残されているようで、「アストルティア拾遺譚」ではツンドラキーの姿になってユシュカのもとを訪れ、謝罪をする様子が描かれている。
Ver.5.2
自身と声が似ているボッガンという魔族を替え玉にして、叔父のオジャロスの勧めでアストルティアへと渡る。
ウェディの姿に変身してオーディス王子の幼馴染兼家庭教師として詩歌の遺跡を訪れていた。
オーディス王子とは似たような容姿の家族を持ち、厳しい母親に苦労させられた者同士で通じ合うものがあったのかもしれない。
なお、この時ディオーレらはアスバルに対して「オーディスの幼馴染であるはずだが、いつ知り合ったのか思い出せない」と違和感を感じており、主人公に「またなんぞの陰謀が動いている気がする、奴の身元をしっかり確認して欲しい」と依頼してくるので、何らかの魔法を使って認識を変化させていたものと思われる。
アストルティア秘聞録にて、アスバルの父イーヴ王が300年前、詩人を装い(ラーディス王の時代)に来国していたことが判明しており、セーリアがおぼろげながらその存在を覚えていた。
しかし、リンベリィの依頼で彼を連れ戻すために主人公とともに現れたイルーシャが母と自分しか知らないはずの歌を知っていた事、その歌をオジャロスの部屋にいた妙な見た目の魔物がブツブツと口ずさんでいた事を聞いて自分のアストルティア行きの許可を含めた一連の出来事はゼクレスを乗っ取ろうと企むオジャロスの策略だと気づき、急遽帰国。(奇しくもリンベリィが状況証拠だけで語った「体良くアスバルを追放して王座を奪おうとする奸計(根拠として「先王を追放したエルガドーラとやり口が同じだ、あの姉弟は本当に芸がない」という話を上げている)」という陰謀論が的中していたことになる)
皆の協力を得てオジャロスの野望を挫くも、彼からエルガドーラを爆弾型の魔物に変えられた事を告げられ、母を助けようとするも冷徹に突き放されたためにレイジバルスを使い、母と共にオジャロスを異空間に隔離し、そのまま爆破する事で葬る。
しかし、拒絶するのではなくもっと早く母とぶつかり合って向き合っていればもっと違った結末になったかもしれない、オジャロスの表面だけの優しさにつけ込まれることもなかったかもしれないと後悔して、「母が愛したゼクレスのために」と立ち直り、指導者として成長することを誓う。
Ver.5.3
大魔王となった主人公のお披露目会としてゼクレス魔導国でパーティーを開くが、この際主人公が電撃的に閃いた「始まりの大魔王の舞」に対しても好意的な反応を見せていた。(なお主人公はそんなことは知らず死にかけるほどの電流を浴びたことでなんか思いついた踊りを踊っただけであり、リンベリィも爆笑していたが、同席していた魔族の老人が民明書房的な解説を始めたため、周りの貴族も認めざるを得なくなった。アスバル曰く「どんな踊りをしようと認める気がなかっただろうアイツらが(由緒正しい踊りを踊られたせいで)認めざるを得なくなったのには胸がスッとした」らしい)
また、アンルシアたちが大魔王討伐の際に乗り込んできた際はレイジバルスを召喚して応戦するも、主人公の働きかけにより休戦。
主人公がアストルティア出身で、なおかつ勇者の盟友だということを知ると目を輝かせて話を聞きたがっており、元からアストルティアに興味津々だったということもあってアンルシアたちにも特に敵対心はない模様。
この頃になると性格も明るく饒舌になり、初期の頃の陰鬱な雰囲気はすっかりとなりを潜め、かなりの厄介オタク気質が表出し始めている。
きっとこちらが彼の本来の性格なのだろう。
Ver.5.4
ルファ神殿の共同作戦ではユシュカとチームを組み、邪神ヤファギルとの戦いに挑む。
この時のステータスは、レベル110で全ステータスが高水準、特にMPに至っては1500という、プレイヤー側は到達できない数字になっている。流石は魔導国の魔王である。
なお、この件は「アストルティア拾遺譚」で本人も「MP4ケタ」とメタ発言でネタにしている。
Ver.5.5
魔仙卿の正体が主人公の兄弟姉妹であることを知らされ、戸惑いつつも主人公に協力。
そして異界滅神ジャゴヌバの本拠地ではヴァレリア、アンルシアと共に主人公のパーティの仲間として戦い、起源将ジェルザーク戦では特定のギミックを止めてくれたりする。
なお、道中ではアンルシアに対して空気を読まずに質問攻めにしており、彼女も若干引き気味であった。
エンディング後のサブクエストでは彼の父親にまつわる特定のクエストや、従者のリソルに関わるクエストなどで少しだけ顔見せする。
Ver.7.0
メインキャラクターの1人として久々に登場。
燈火の調査隊の一員として名乗りを挙げて「果ての大地ゼニアス」での調査を行う。
当初はウェディの姿であり、「旅の学者」というテイで参加していたが、途中で力を最大限発揮するためという理由で魔族の姿に戻る。
なお、同行していたヒューザに対して質問攻めにして引かせており相変わらずの様子である…。
しかし、メネト村ではフクロウによる強制睡眠から逃れるために咄嗟にレイジバルスを召喚して脱出させる、フクロウの親玉との戦闘では主人公たちを魔法でたたき起こすなどかなりの有能っぷりを見せている。
本人も新たな土地での冒険で活き活きしていることもあり、今後の活躍も期待される。
余談
Ver.6.2から流浪のキャラクターとして五大陸の小国、大国にウェディの姿で現れる。
ちなみにストーリーで面識が無い場合、名前は表示されるものの、話しかけても通りすがりのウェディのふりをするだけとなっている。
これまでに登場した流浪のキャラクターと異なり、報酬を全て受け取ってしまうとそれ以降のアイテムのやりとりはない。その代わり、登場した場所によってその土地にちなんだエピソードを語ってくれる。
お使いを5回クリアすると傘アイテム「ギュッとアスバル」を入手できる。
Ver.7.0からは果ての大地ゼニアスへ向かうが、その際ゼクレス王城の玉座に自分そっくりの魔導人形のようなものを置いている。
その人形と意識を繋いで会話をするという離れ業もやってのけるなど、高度な魔法力が見て取れる。
…メタ的に解説すると、同一キャラクターを2点に配置しているがゆえの整合性を取るための設定である。
なお、上述の声がそっくりなボッガンを影武者に仕立てる案もあったが、流石に見た目が誤魔化せない状況で彼に影武者を頼むのは無理だろうと断念された。
他作品への出演
ドラゴンクエストタクト
真・DQ10イベントでも原作と似たような役回りで登場した他、2023年のクリスマスイベントでも登場。
ただしオルクステラに向かうための旅の扉を維持する必要があるため本人は魔界に留守番。
…と思いきや何だかんだ最後はちゃっかりオルクステラにやって来ており、いつもの好奇心旺盛な様子を見せていた。
関連キャラクター
ここではゼクレス魔導国の人物について述べる。
- エルガドーラ
CV:伊藤美紀
アスバルの母親で太后だが、前述の洗脳により実権は彼女が握っていると言ってもいい。
幼いころから美貌で知られた王女であったが、性格はねじ曲がっており弟のオジャロスをいじめ倒していた。
自らの目的のためならば息子を怪物化させることも厭わないほどの毒親だが、それでもアスバルは彼女のことを「国を愛していた気持ちは本物」と信じている。
- イーヴ
アスバルの亡き父親。見た目はアスバルにそっくり。
自由と平等を愛し、王国から身分制度を無くそうとしたり、他国と平和条約を結ぼうとしたため国内の貴族たちからは反発を受けたが、庶民の中には現在でもイーヴ派の者たちがいる。
- オジャロス
CV:高木渉
アスバルの叔父でエルガドーラの弟。
温厚で甥にも優しく接する人物と思われていたが、心の内では暗い復讐心と野望を秘めている。
幼い頃は姉から「ベーチ」というあだ名で呼ばれていた(意味は古い魔界語で豚)。
CV:小倉唯
ベラストル家の当主のわがままお嬢さま。
傲慢で高飛車な性格だが、アスバルに片想いしており、彼に振り向いてもらいたい一心であらゆる手を尽くす。
詳細はこちら。
- ボッガン
アスバルの影武者…というと聞こえはいいが見た目は似ても似つかぬドワーフ型の魔族
ただ声だけは本当にそっくり(メタ的にいうと声優が同じ、またオンラインに声がついたのはVer.5からなので、だからこそできる演出とネタである)
見た目で似せられない事から声だけで誤魔化すことに全てを費やしている都合上、言葉遣いは完璧だが所作は優雅さもへったくれもない食っちゃ寝のだらしないもの
オジャロスの野望に無自覚ながら協力させられており、そのまま行けばおそらく謀殺されていただろうがいつのまにか助かった。
それ以降は声のみの影武者は必要無くなったため、リンベリィの元に転職しており、アスバルとの連絡係をやっている(彼がアスバルからの手紙を読むと本人に声を掛けてもらっている気分になれるため、要は生ASMRである、扱いは読み上げソフト同然だが)
- リソル
ゼクレス魔導国の貴族のひとり。
元はエルガドーラ派のスパイであり、アスバルを失墜させるために王城へ潜入するが失敗。アスバルの温情で従者となる。
現在はアストルティアの調査という名目で人間に化け、アスフェルド学園に生徒として通っている。
なおVer.3当時から、彼から「魔界に穏健派のあるじがいる」という話は聞くことができた。
こちらも参照。