「デュエルとは本来、青少年に、希望と光を与えるものでアーリ、恐怖と闇をもたらすものではないノーネ!」
概要なノーネ
CV:清水宏
クロノス・デ・メディチとは、TVアニメ・マンガ『遊戯王GX』の登場人物。35歳(初登場時)。
全寮制私立高校デュエル・アカデミアで教鞭をとる男性教諭であり、実技担当最高責任者とオベリスク・ブルー男子寮の寮長も務めている。
「○○なノーネ」「××でスーノ」というように語尾を伸ばしたり、「マンマ・ミーア」「スプレンディード」「シニョール(シニョーラ)」のようなイタリア語が混ざったりといった特徴的な口調で喋るが、別に片言キャラといったわけではない。
劇中(TVアニメ版)当初は主人公の遊城十代を逆恨みから退学に追い込もうと都度々々策を弄する「イヤな大人」キャラであったが、十代とその仲間達から好影響を受けて次第に立派な教師として成長していった。
数々の名言・名場面や後の成長した姿から、TVアニメ『遊戯王GX』を視聴したことのある諸氏からは「理想の教師」として敬意をこめて「クロノス先生」と呼ばれ、愛されている。
人物像でスーノ
「誇り高きメディチ家の末裔」を自称するイタリア人。
長い金髪を後ろで一つ結びにして紫色のルージュを引いており、ド派手なヒダ飾りが随所にあしらわれたオベリスク・ブルー制服を着た、長身痩躯の男性である。
デュエルディスクはギターのように胸の前に吊り下げて配置する肩掛けタイプを使用。
当初の性格は傲慢でエリート至上主義な「イヤな大人」そのもので、デュエル・アカデミアの一流教師を自称してブルー寮を中心としたエリート育成に情熱を注いでいた。
ラー・イエローに対しては特になにもなかったものの、オシリス・レッドは露骨に毛嫌いして「ドロップアウト寮(落ちこぼれの掃き溜めだから潰すべし)」と決め付けるほどに差別意識が強かった。
特に入学試験の実技試験を担当した十代には敗北して恥をかかされたことで根に持ち、「ドロップアウト・ボーイ」呼びしたり憂さ晴らしや面倒事を押し付けたり、彼を退学に陥れようといくつもの工作を仕掛けたりしている。
また、実力を鼻にかけて高を括った結果引き起こした凡ミスを認めないこともあるなど、プライドも高い。
臆病風に吹かれてコソコソと逃げ出そうとしたり自己保身に走ったり、自分のやらかしは棚に上げて(立場の安泰を狙って)鮫島校長を糾弾したりと、時に(というよりしばしば)俗っぽい面を見せることも。
これだけ読むとただの「公私を混同した教師の立場にあるまじき人物」に思えるが、実際は生徒の成長をなによりも喜び、気に入らない生徒であってもその身に危険が及ぶ可能性を感じれば自らを盾とすることも厭わない真っ当な人物である(実際に丸藤亮らブルー寮生からの評価は悪くなく、肝心の十代に至っては実技試験の頃からずっと慕われている)。
上述したエリート至上主義やレッド寮への風当たりの強さといったものは、留年経験のある前田隼人の存在や向上心の乏しい生徒がレッド寮生に多かったこと、それに加えて十代個人への私怨といった部分が大きく、後に彼らの成長や個性を認めてからは偏見をなくしたことからも彼の本質が善性であることを示している。
また、上述の信念を示したカミューラ戦以降は厳しくも愛のある教育者としての面が表出するようになり、
- 隼人のインダストリアル・イリュージョン社への推薦を賭けてデュエルを行い、彼の全力と成長を認めたうえで打ち負かしながらも推薦人を引き受ける
- 理想主義傾向で、その理想に当てはまらない生徒には寄り添えないことのある鮫島校長を時に諫め、そんな生徒をフォローする
- 故あって心臓を病んだ亮を気遣い介抱し、死に急ぐ彼に人生とはどうであるべきかを説く
- 万丈目準の熱い思いを知り、エド・フェニックスへ土下座までして準を付き人に取り立ててもらえるよう頼み込む
といった行動を見せるようになっていく。
この「生徒のことを大切に思い、生徒を守るためなら自己犠牲や醜態を晒すことも厭わない」真っ当な大人の姿を見せたことから、諸般の事情からクロノスを敬遠するようになっていた準は彼への敬意を取り戻すに至った(後に亮もクロノスを「良い教師だよ」と明確に評している)。
十代らが2年生に進級する頃には鮫島校長が休養という名の出張で学園を留守にしていたため、臨時校長に着任。
ナポレオン教頭と結託してデュエル・アカデミアメジャー化計画を推し進める。
しかしプランのことごとくが失敗に終わったばかりか、かつての自身さながらにエリート至上主義に拘泥するナポレオン教頭に対してなんだかんだでオシリスレッドの生徒に情が湧き始めていたために次第に対立。
一時は完全に決別するも、鮫島校長の帰還を期に「不在の間に勝手なことをした責任を取らされたくない」一心で再び手を取り合うようになった(役職も平教諭に降格した)。
彼らが3年生に進級すると、ナポレオン教頭が学園を去ったこともあって教頭に出世する。
十代達とはあまりに濃密な3年間を過ごしたことから教育者人生の中でも特に思い入れが強くなっており、彼らを卒業させまいと自身の授業を休講にして留年させようとする事件を起こしたほど。
しかし十代から恩返しデュエルを挑まれると、これを通じて「生徒を導くことで教師もまた成長する」ことを再確認し、「教育者としての新たなる一歩を踏み出す時」であると実感する。
デュエルそのものは敗北するが、ぶっちぎりで学業落第レベルの十代だけは鬼のような補習を受けさせていた。
そして来る十代達の卒業式の際には卒業デュエルの結果発表を担当。
しかし号泣しながらまたしても卒業を阻止しようとしてしまったため、樺山先生と鮎川恵美先生、トメさんらにつまみ出されてしまった(その後のパーティではすっかり意気消沈してしんみりしていた)。
ちなみにネコやオカルトが大の苦手であるほか、ソリッドビジョンとはいえ落ちてきたスクラップが脳天に直撃したり急所に攻撃を受けて悶絶したり、住宅ローンが26年残っていたりと、意外と憎めないシーンが多々あったりする。
TVアニメ以外での私なノーネ
GXのラストを舞台にした『タッグフォース3』では多くのキャラのイベントで登場し、相変わらず「卒業阻止」を掲げて対決することになる。
マンガ版『遊戯王GX』でも相変わらず十代のことをドロップアウトボーイ呼びしていたり、成績不振な生徒には厳しい態度で接したりこそしているものの、十代が何かしらの強い決意を秘めていることを見抜いたり、ただ罰するだけでなく挽回の機会を与えたりと、最初から教師らしい人物として描かれている。
ちなみに教育主任を務めている。
実技担当最高責任者としてのワターシと使用デッキなノーネ
「古代の機械(アンティーク・ギア)」と名の付くカード群を主体とした「暗黒の中世」デッキを使用。
十代には2度も敗北を喫してしまったものの的確な魔法・罠カードの発動といったプレイングに加え、ダメージステップ終了まで相手の魔法・罠カードの発動を封じる「古代の機械」モンスターの能力を活かして場を制圧。
最後はエースモンスターの「古代の機械巨人」の壁モンスターを貫通する圧倒的なパワーで相手を粉砕する戦術を得意とする(真の切り札は別のカード)。
特にエースモンスターの「古代の機械巨人」は「特殊召喚出来ない」と言う制約持ちでありながら様々な方法で召喚に漕ぎ着けており、その腕前は実技担当最高責任者の肩書に恥じないもの。(5回の活躍その全てで異なる召喚手順を用いての「古代の機械巨人」を召喚したと言えば凄さが伝わるだろうか?)
その立場もあって実技試験には特に厳しく、隼人とのラストデュエルでは一切の手加減をせずに彼を打ち破っている。
ただし流石に全てのカードを記憶しているわけではないようで、たびたび失態を見せていた。
余談ーニョ
彼の代名詞ともいえる「○○なノーネ」という口調、もともとは清水氏のアドリブだったという。
スタッフからは好評だったようで、一度使った後は台本にも書かれるようになったらしい。
後に清水氏は「古代の機械」がテーマとなるストラクチャーデッキ『STRUCTURE DECK R - 機械の叛乱 -』と、これのリメイクとされるストラクチャーデッキ『STRUCTURE DECK R - 機械竜叛乱 -』のCMでもナレーションを担当している。
カミューラ戦でクロノスは「闇のデュエルなど認めるわけにはいかない」と否定しているが、過去に(第5話)"闇のデュエリスト"という触れ込みで名を馳せていたタイタンに十代をコテンコテンにする依頼を出していたため、「おまいう」と指摘されることがある。
フォローしておくと、上述の「闇のデュエルなど~」のくだりは闇のデュエルが実在することを身をもって思い知り、そんな危険なものから生徒を守るために発した台詞である。
またタイタンに出した依頼も「十代を立ち入り禁止場所に誘き出し、闇のデュエルとやらで負かせ」程度のものであり、そこをクロノス自身が発見して「夜中に立ち入り禁止場所へ侵入した」と咎めて退学させる…というのが本来の作戦だった。
そもそもタイタンとの初顔合わせの時から彼にむかって「"自称"闇のデュエリスト」と発言したり、タイタンが「決して敵に背中は見せない」と宣えば執拗に背後を取ろうとしたりしたことから、もともと闇のデュエルなど信用していなかった節がある。
そのため、実際は「おまいう」でもなんでもなかったりする。
関連タグナノーネ
クロノス(曖昧さ回避)
クロノスと違い、生徒をゴミ虫けらのように扱う悪徳教師である(特に蝶野)。