グエムル
韓国・漢江(ハンガン)から現れた体長数メートルの生物。見た目は巨大な両生類のよう。
水棲で、たまに陸に上がって人間を捕獲し、食う。下水道に巣を作り、一部の人間を貯蓄としておく。
在韓米軍によって不法投棄された劇薬が原因で、魚が突然変異したと見られるが、詳細は不明。姿を現した個体は一匹のみである。
デザイン担当はチャン・ヒチョルで、決定稿まで2年6カ月が費やされた。制作はハリウッド映画の第一線で活動するWETAデジタルとザ・オーファナージ。
コンセプトは「憎めない悪役」で、監督は例えとして竹中直人、スティーヴ・ブシェミ、ジャック・ブラック、オ・ダルスといった個性派俳優を挙げて指示を出した。
公開後、『機動警察パトレイバー』に登場する廃棄物13号との類似がインターネット上で指摘され、議論を呼んだ。日韓両国の配給会社はこれを否定した。
2017年公開のキングコング作品『髑髏島の巨神』では、作品のイメージに本作の影響を受けたと監督が明言している(参照)。
概要
『グエムル -漢江の怪物-』は2006年に公開されたポン・ジュノ監督の映画。監督の長編3作目で、韓国では歴代動員記録を塗り替える大ヒットとなった。
괴물(グエムル)とはストレートに「怪物」の意味。
いわゆる怪獣映画ではあるが、監督の作風もあって一筋縄ではいかない内容になっている。ストーリーについて監督は、娘を誘拐された家族の話とも語っている。
怪物が現れた原因となった不法投棄は、実際に在韓米軍がホルムアルデヒドを流出した事件を基にしている。劇中の化学兵器エージェント・イエローは、米軍がベトナム戦争で使用した枯葉剤エージェント・オレンジのもじりで、アメリカを痛烈に批判している。一方、グエムルに立ち向かう勇敢な米兵も登場させておりバランスを取っている。
あらすじ
在韓米軍基地では大量の薬物を漢江に投棄していた。そして長い月日が流れる。
ソウル市、漢江から怪物が上陸し、次々に人を襲撃する。ある者は頭から捕食され、またある者は触手で連れ去られた。
漢江のほとりで土産屋をしていたパク・カンドゥは、娘のヒョンソを目の前で奪われるという失態を犯す。死んだと思い号泣するパク一家であったが、携帯電話にヒョンソからの着信があり、下水道の巣で生きていることを知らされる。
しかし米軍は、怪物が未知の病原菌の宿主であると発表。怪物が上陸した一帯を封鎖し、感染の疑いがあるカンドゥを強制入院させる。パク一家は娘を助けるべく、独自に行動する。
キャスト
役名 | 配役 | 日本語吹き替え |
---|---|---|
パク・カンドゥ | ソン・ガンホ | 山路和弘 |
パク・ヒボン | ピョン・ヒボン | 佐々木梅治 |
パク・ナミル | パク・ヘイル | 小森創介 |
パク・ナムジュ | ペ・ドゥナ | 竹田まどか |
パク・ヒョンソ | コ・アソン | 三村ゆうな |
怪物の声 | オ・ダルス |
スタッフ
監督 - ポン・ジュノ
脚本 - ポン・ジュノ / ハ・ジョンウォン / パク・チョルヒン
製作 - チョ・ヨンベ
撮影 - キム・ヒョング
編集 - キム・サンミン
配給 - 角川ヘラルド映画(日本)
データ
公開 - 2006年5月21日(韓国) / 2006年9月2日(日本)
上映時間 - 120分
製作国 - 韓国
言語 - 韓国語