ゲダツ
げだつ
「くだらん…取るに足らぬわ貴様らの試練など」
「おれの“沼”こそ最上の試練 試してみるか」
蜘蛛のような独特な髪形とギョロリとした目付きが特徴の長身の男。
空島編序盤において、なぜか途中で「ン」だけの音で喋ったり、腕を奇妙に交差させるなど、謎の行為を見せているが……。
名前の由来は仏教用語の「解脱(げだつ)」から。
本名 | ゲダツ |
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異名 | 空番長 |
年齢 | 29歳→31歳 |
身長 | 220cm |
所属 | スカイピア四神官→うっかり湯番頭 |
覇気 | 見聞色 (心綱) |
出身地 | 空島 ビルカ |
誕生日 | 8月10日 (ば←8、ん、とう←10) |
星座 | しし座 |
血液型 | S型 |
好物 | ゴローの手作りサンドイッチ |
初登場 | 単行本26巻 第241話『天の裁き』 |
CV | 高塚正也 |
エネルの側近である四神官の一角を担うことから分かる通り、スカイピアにおける相当な実力者…なのだが、同時に極度のうっかり屋でもある。
というかうっかりじゃなくてわざとやってるんじゃないのかと疑いたくなるレベルであり、対策済みとは言え手本とばかりに大見栄切って説明しながら自分の罠にはまって沈んだり、しゃべってる途中に下唇をかんで何を言ってるかわからなくなってしまったり、腕を組もうとしてたのに伸ばした腕を胸の前でクロスさせていたりと頓珍漢な行動を多々見せた。
そしてそのことに対し突込みが入るとメイン画像のような表情になる(アニメ版では同時に「うっかりー!」と叫んでいた)。
また意外と律儀な部分もあるらしく、後述のようにうっかり目標と全く違う展開となってしまっても、仕事を投げ出さずにしっかり続けている様子。
アッパーヤードにて罪人を裁く四つの試練の中の一つ“沼の試練”を司る。
この試練は普通に歩ける雲の足場に“沼雲”という底無し沼のような性質を持つ雲が紛れており、この沼雲に足を踏み入れると身動きが封じられ、無暗にもがくほど深く沈んでいってしまう。
これによって動きが鈍くなった者はその隙をゲダツに突かれて仕留められるか、最終的に全身が沼雲の中に沈み込んでしまい窒息死する。
ただゲダツの性格もあって試練を受けた者が彼のうっかりで見逃される事が多々あるらしく、沼の試練だけは生存率50%とやけに高い。
ちなみに沼の試練に次いで生存率が高いのはサトリの玉の試練だが、それですらわずか10%と一気に5分の1の数値に下がる。
そしてシュラの紐の試練が3%、オームの鉄の試練に至っては0%と絶望的な数値が並んでいる辺り、もしゲダツがうっかりしていなかったら生存率は5%程度だったのかもしれない。少なくとも、『うっかりを抜きにした純粋な戦闘力』という点では、確実にサトリよりも強いはずである。
神の軍団の中では珍しく格闘術に長け、肘に仕込んだ“噴風貝(ジェットダイアル)”の推進力を利用して凄まじい速度でパンチを繰り出すのが得意。その一撃は相手に敗北を知らせずに沈黙させる事ができるほど強烈。
また、他の神官と同様に“心綱(マントラ)”(見聞色の覇気)の体得者であり、相手の動きを先読みすることも可能。
小道具として手袋や靴底には“雲貝(ミルキーダイアル)”を仕込んでおり、ここから勢いよく雲を噴出する事で空を飛ぶ。沼雲にはまった相手を空から強襲する事もできるし、逆に自分が沼雲のトラップにはまってしまっても、“雲貝”を起動させることで簡単に脱出できる。
性格的にはかなりマヌケな印象ながら、タイマンでゲダツに勝つのは相当な実力が必要となる。
エネルが仕掛けたアッパーヤードのサバイバルに参加し、“沼の試練”にて麦わらの一味の船医トニートニー・チョッパーと戦う。
地の利や貝(ダイアル)を駆使した戦術に加え、心綱による先読みも相まって終始優勢に戦いを進めるも、チョッパーやその仲間たちのことを蔑む発言で怒りを買い、終盤は彼のランブルボールによる形態変化でペースを乱されることに。
更にはうっかり片方の靴を脱がされていることに気付かず噴射貝を発動させたことで空中で体勢が保てず、チョッパーの渾身の一撃を喰らい敗北。
沼雲の上に墜落し真っ逆さまの状態で突き刺さる。
しかし、それでもなお意識と闘志は失っておらず、即座に沼雲から脱出して形勢を立て直そうと足の噴射貝を発動…させるのだが、うっかり逆さまの状態で浸かっていることに気付かず発動させたため猛スピードで沼雲に潜っていき自滅した(アニメではこの時も「うっかりー!」と叫びながら退場していた)。
ただ、結果的に雲流しの刑(人1人分のスペースの島雲に乗せられ空を1人で彷徨い続ける遠回しな死刑)を免れ、後述の扉絵連載にて青海(地上の海)の人間との交友を築いたという点では運が良かったか。
ちなみに空島編におけるチョッパーはまだ臆病な面が目立ち、ゲダツとの戦いも隙をついて逃げるつもりだった。しかしチョッパーは逃げることを止め、自らを鼓舞するがごとく「おれは化け物!!強いんだァ!!!」と叫びながらトラウマと向き合い、見事にゲダツを打ち倒した。
勝利をもぎ取ったチョッパーは両手を高々と掲げて『これでおれも…海賊だァああああ~~~っ!!!』と力強く吼えた。
チョッパーにとっては、麦わらの一味に加入後初めての『タイマンで撃破した敵幹部』であり、ゲダツとの一戦は『海賊 トニートニー・チョッパー』が誕生した名勝負である。
ゲダツのうっかり青海暮らし
ゲダツを主人公にした扉絵連載。上述通りの経緯で物語から退場した彼の後日譚が描かれている。
うっかり沼雲に勢いよく突っ込んだ結果雲を突き抜けてしまったゲダツは、そのまま青海のとある島まで転落してしまい、その島で温泉堀をしていたゴローに地面に刺さっていたところを偶然発見、救出される。
1万メートルの上空から落下したにもかかわらず頭にタンコブ一つで済んでいるのも不思議だが、この回の題名が「うっかり生きてた」という辺り、そういうことなのだろう。
最早自力で空島に戻る手段もなく、しくじった自分をエネルが許すはずも無かったため、そのまま地上で一からやり直すことを決めて「青海の番長」を目指すことに。同時に、助けてくれたゴローの恩に報いるべく、温泉を探す手伝いをすることとなった。
青海での暮らしにおいても彼のうっかりっぷりは健在であり(むしろ悪化したとも)、ときにはうっかり呼吸や瞬きを忘れたり、ときにはうっかりゴローの作った弁当のサンドイッチを耳から食べようとしたり、ときにはうっかり重力を忘れて崖側面に垂直に立ったり…などなど、完全にギャグ要員に定着しながらも温泉探しに邁進した。
そうした日々がしばらく続き、偶然にも巨大モグラの土番長と出会い、空番長として勝負を挑み完勝。土番長を舎弟として地面を掘らせ、ようやく念願の温泉を掘り当てることに成功する。その騒ぎを聞きつけ現れたマンドリルの森番長とも対決・勝利し、大工として覚えのある彼らに温泉施設の建築を一任。
その後、更に土番長に地下を掘り進めさせた結果、今度はアラバスタ王国につながる地下トンネルが出来てしまい、奇しくもゴローは兄であるトトと、その子であるコーザと再会を果たすことになる。
以降、土番長のトンネルはアラバスタと温泉島をつなぐ経路として活用され、ハサミによる海底バスが開通。ビビ王女一行も足を運ぶなど人気の観光地となっていく。
結果、ゲダツはこの「うっかり温泉島」の温泉番長…ではなく温泉番頭にうっかり就任。サブタイトルにツッコまれてようやっと気付くも、結局そのまま番頭を続けているようだ。
その他
スピンオフ『ワンピースパーティー』にもゲスト出演し、本編では果たせなかったルフィたちとの邂逅も実現した。しかし、ここでもうっかりという名の頓珍漢な行動を多々見せ、ルフィやウソップ、チョッパーを唖然とさせた。
なお、ルフィには「面白い奴」とえらく気に入られていた。