コルベット(軍艦)
こるべっと
コルベットとは、フリゲートよりも小型の軍艦に付けられる艦種。
時代により定義がまちまちだが、概して小型の軍艦と言う意味で捉えられている。
小型のために航洋性に劣り､近海・遠洋任務も得意とする巡洋艦やフリゲートに対し、コルベットは沿岸警備を中心としていることが多い。中国語では「護衛艦」（护卫舰）と呼ぶが、海上自衛隊の護衛艦とは別物なのでややこしい。
帆船時代の戦闘用艦艇（軍艦）は、概ね大きい順から「戦列艦」、「フリゲート」、「スループ」、「コルベット」となっていた。
この時代のコルベットはスループをより小型化した軍艦で、正面切っての戦闘と言うより沿岸警備の為の、現代日本で言う巡視船のような役割を担っていた。
帆船時代から徐々に大型化していたコルベット(17世紀から18世紀の間の100年で、船体長は約2倍、重さに至っては約10倍に)だが、蒸気船となったことにより操船が容易になった上に快速となる。
またこの時代のコルベットの多くは保有する各国が植民地へと赴く際に使用した。
第二次世界大戦中は掃海・対潜用の小型艦艇を指した。
特に有名なのは英海軍が捕鯨船をベースに設計した「フラワー級コルベット」で、大西洋において多数のドイツ海軍のUボートを沈め、コルベットの有用性を示している。が、航洋性の不足から英海軍も戦後はフリゲートの建造に移行していく。
戦後、1950年代になると、排水量1,000ｔ、速力20ノット前後の艦をコルベットとして、フランス、ソ連などの中小海軍国で建造された。こうして、フリゲートの大型化に伴いコルベットもかつてのフリゲートと同程度かそれ以上まで拡大し、水上戦力の準主役へと成長していった。
フリゲートとの明確な区別はないが、外洋任務に重きをおいたフリゲートに対し、沿岸・近海での任務に特化した艦艇として捉えられることが多い。武装は小口径主砲や短魚雷、爆雷などであり、対艦ミサイルを搭載している場合もある。ソ連海軍が大量に建造した大型ミサイル艇は諸外国ではコルベットと見做されている(ソ連の1241型ミサイル艇が56メートル、イスラエルのサール4.5型ミサイル艇が62メートル、日本のはやぶさ型ミサイル艇が50メートル)。
スウェーデンの最新型コルベットのヴィスビュー級(メイン画像)は、ウォータージェット推進を採用している。また、横方向の凹凸を極力排しステルス性を重視している。
