サー・カウラー「金を生み出す黄金虫などとはもちろん真っ赤な嘘。獣戦士ザ・メタガスの子供メタガス虫は、金属を食べ、やがてあらゆる金属を溶かすガスを吐き出すのです。メタガス虫が一斉にそのガスを吐き出せば、人間社会は一挙に滅亡するでしょう」
登場話数:第36話「ドッキリ不思議虫」
概要
全身を覆う無数の房状の体組織と、頭頂部から伸びる一対の触角が特徴の個体で、この金色の体組織は一つ一つが「メタガス虫」と呼ばれる子供獣として、親であるメタガス本体から分離し独自に活動することができる。
また、メタガス虫には記事冒頭にも示した台詞にもある通り、金属を喰らうことであらゆる金属を溶かすガスを吐き出すという特性を有しており、このガスはプリズムシューターの盾さえも溶解するほどの威力を発揮する。基本的にはこのメタガス虫をけしかけて攻撃することが多いが、メタガス自身も触角の先端からビームを放つことができる。
作中での動向
メタガス虫による人類滅亡を企図し、カウラーは人間に化けたワンダやネフェルらに、「アマゾンの奥地で発見された黄金虫」と称して、メタガス虫を街中で子供達に配らせるという作戦を展開した。
「鉄を食べることで金を生み出す」という触れ込みに狙い通り子供達が食いつき、彼等を介して次々街中へとメタガス虫が広がっていく中、偶然それをジンが目撃したことで、明らかに地球上の生物ではないと看破され不審を持たれることとなる。
「俺にも一つくれないか」と現れたジン達が、メタガス虫が改造生命体であると指摘してみせたことで、ワンダ達も正体を明かしてこれと対峙。そこにカウラー達と共にメタガスも加勢し、メタガス虫のガス噴射によってプリズムシューターの盾を溶解せしめるなど、フラッシュマン相手に猛威を振るってみせたが、後一歩のところで突如出現したラボーによってカウラー達もろとも回収され、フラッシュマンへの止めを刺し損ねる結果となった。
「カウラー、お前はいつからメスの幹部になったのだ!? 宿無しのハンター風情が、身の程をわきまえろ!」
実はこの作戦、どうやらカウラーの独断専行によるものであったらしく、ワンダ達まで動員しての勝手な振る舞いにケフレンが憤りをみせる一方、当のカウラーは逆にケフレン達の不甲斐なさを皮肉たっぷりになじるとともに、ケフレンに対しその素性を知っているかのような、思わせぶりな言動に及んでみせたのであった。
ともあれ、ラー・デウスからのゴーサインも得る形で、カウラーが引き続き作戦の指揮を執る一方、子供達とともに街中へと散っていったメタガス虫は、彼らが与える金属を食べてガスを放出、それによる水道管やガス管の破壊で方々に混乱をもたらしていた。
ひょんなことからジンと知り合った少年達もまた、ジンの忠告を無視してメタガス虫から金を得ようとしていたものの、自分達にまで被害が及ぶに至ってようやく真相を知り、彼等の心を踏みにじる格好となったメスへの怒りを燃やしたジン達は、再び現れたカウラー達やメタガスと再度干戈を交え、彼等による合体スーパースピアとローリングバルカンの連続攻撃でメタガスも撃破されてしまう。
直後の巨大戦では、身軽な動きを活かした格闘でタイタンボーイを追い詰めるも、ラジアルボンバーやボーイキャノンで相次いで触手を切断され、さらにメタガス虫を相手のボディに張りつけ攻撃するも、タイタンボーイが地に伏せてメタガス虫を押し潰したことで失敗。そのままグレートタイタンの「タイタンノバ」を受けて敢え無い最期を遂げた。
かくして、カウラーによるメタガス虫作戦は失敗に終わったものの、その過程でにわかに表出したカウラーとケフレンの確執は、やがて巻き起こるメスの内紛の幕開けを告げるものでもあった。
「――ラー・デウスに次ぐ、メスのNo.2と自認していたケフレンは、この時から、自分への疑問を抱くようになったのである」(作中ナレーションより)
備考
デザインは出渕裕が担当。植物やカニなど、全く異なるモチーフをハイブリット化し、ぐちゃぐちゃ気持ち悪い雰囲気が出ればと思いながら描かれたものであるといい、房状に寄り集まっているメタガス虫はヌメヌメしたナメクジをイメージしていると、後年のインタビューにて振り返っている。
デザイン画稿では、メタガス虫が分離した後の触手の骨組みについても併せて描かれているが、こちらは実際の造形物には反映されていない。