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概要編集

享楽的で性的に放埓な生活が根付く『悪徳の町』であったとされ、現在でもキリスト教圏では「堕落した」都市や治安の至極悪い都市などをこの町に喩えることがある。ノアの大洪水に次いで、創造主による天罰を受ける人々の話として有名である。


聖書に直接記述のある罪悪としては、天使たちに性的暴行を加えるためロトに身柄の引渡しを要求していた事、食物がたくさんあり安穏と暮らしていたにもかかわらず、貧者や弱者に手を差し伸べなかった事、がある。

特に天使への暴行未遂はアブラハムの宗教において罪とされる同性愛に該当するとされ、「男色」等を意味する「ソドミー」の語源となった。


物語編集

ソドムゴモラ極めて治安の悪い町であり、住民の生活も腐敗していた。


ただ一人善良だった男『ロト』は町を正しく導こうとしたが、人々は聞き入れず悪行に酔うばかりだった。

新約聖書の『ペテロの第二の手紙』によると住民たちのみだらな言動はロトを苦しめていたという。


見兼ねたはソドムとゴモラを滅ぼそうとするが、ロトの叔父であるアブラハムが交渉し、アブラハムが粘り強く願ったこともあり、神は善人が十人でもいるなら助けると約束した。


しかし、神が遣わした旅人に扮した天使二人がロトの家に居る事を知ったソドムの民は家に押しかけ、天使と姦通させるよう要求するというとんでもない暴挙を犯してしまう(なお、ロトもソドムの民もこの時点では家にいるのが天使であることには気付かなかった)。

ロトは処女であった娘2人を差し出すかわり彼等には手を出さない様言うが、止まらなかった。2人の天使はここでようやくロトに自らの正体を明かすと同時に、身内を連れてこの町を出るように勧める。それはすなわち、今や神のソドムとゴモラを滅ぼすという決心は確定的なものとなってしまったことを意味した。


ロトが妻と娘二人とソドムを脱出したあと、二つの町は天から降り注ぐ炎と硫黄の雨により焼き尽くされ滅亡した。


ロトとその家族は神託により逃がしてもらえたが、彼の妻だけは「決して振り返ってはならない」という約束を破った為、塩の柱に変えられてしまったという。


考察編集

他の宗教神話と同じく、聖書の物語は科学的・歴史学的見地からも元ネタの追及が進められている。


聖書を読み解いた学者によると、ソドムとゴモラは廃墟と化した後で死海に沈んだとされており、実際に付近から青銅器時代古文書や多くの遺跡が出土している事からも、ソドムとゴモラのモデルとなったであろう大規模な文明社会が存在していたことは疑いのない事実となっている


なお、ソドムとゴモラを滅ぼした炎の雨については、出土した古文書に『惑星の横から向かってくる矢印』が記述されていること、遺跡から高熱に晒されて焼け焦げた土器や煉瓦・一度溶けた後再度固まった痕跡のある鉱物が発見されていること、建造物の柱が一定の方向に向かって倒れていること等の特徴がみられることから、二つの町が滅んだ原因は隕石の落下(厳密には隕石の空中爆発とそれに伴い発生した爆風および熱線)ではないかとする説が出されている。

また、死海の一帯には高濃度の硫黄の塊が産出される場所がある。隕石の衝突と関係があるかは不明だが、研究者の中には、「天から炎と硫黄の雨が降り注いだ」という記述があることから、この場所がかつてソドムとゴモラ(若しくはそのモデルとなった街)が存在していた場所だったのではないかと提唱する者もいる。


塩の柱に関しても、死海の畔に人の形に見える岩塩の柱があり、これが元になったとする説がある。また、上記の隕石衝突説によれば、隕石が爆発した際の衝撃で死海の水の一部が吹き上げられて周囲の大地に降り注いだ結果、一帯が数百年に渡る塩害に陥り、人の住めない不毛の地となった可能性が指摘されている。もしかすると、ロトの妻が塩の柱になったエピソードはこのあたりの事情も反映されていたりするのかもしれない。



同名のキャラクターが登場する作品編集


関連タグ編集

キリスト教 旧約聖書 創世記 犯罪都市

ソドム ゴモラ ヤハウェ アブラハム ロト

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