あの迷宮には、怪物などいやしなかったのさ。
プロフィール
真名 | テセウス |
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クラス | セイバー |
性別 | 男性 |
身長 | 183cm |
体重 | 77kg |
出典 | ギリシャ神話 |
地域 | 欧州 |
属性 | 秩序・善・地 |
好きなもの | 英雄譚を語ること、語られること |
嫌いなもの | 自分自身、過剰な自信、傲慢さ、貪欲さ |
ILLUST | しまどりる |
CV | 江越彬紀 |
セイバーであるが、武器にこだわりはない。使える物は何だって使う系。
概要
『Fate/Grand Order』に登場するセイバークラスのサーヴァント。レアリティは☆3。
初出は生前のアステリオスを描いた短編小説『英雄伝承〜アステリオス〜』だったが、それから数年後にイベント『聖杯戦線~白天の城、黒夜の城~』にてゲーム本編においても登場した。
真名
アテナイの王アイゲウスとトロイゼンの王女アイトラーの子とされている。
トロイゼンで育ったテセウスはアイゲウスに息子と認めさせるためにアテナイへと旅立つ。彼は1人の英雄として、あえて過酷な道を選び怪物や山賊を退治。中でも残虐な方法で無辜の民を殺めていたプロクルステスの一団に対しては、彼らが民を殺した方法と同じ方法で彼らを殺したという。
やがてアテナイへ到着し、魔女メディアの罠を掻い潜って息子として認められ、王子となったテセウス。
だが、当時のアテナイは勝戦国のクレタに怪物ミノタウロスへの生贄を捧げ続ける事を強いられており、怒りを覚えた彼は自分が生贄に扮して怪物討伐を決意。
ミノス王に謁見したテセウスは、自身に一目惚れした王女アリアドネから赤い糸玉と短剣を渡され、糸を入り口に巻き付けラビュリントスへと潜り、ミノタウロスと対峙し討伐に成功する。
……が、ミノタウロスがミノス王の息子であり、ポセイドンの呪いによって怪物になった罪なき少年であったこと、ラビュリントスが怪物とされた彼を閉じ込めるための牢獄だったことを知ってしまう。自身の行いが正義でなかったことを知り、彼の中の英雄としての義憤は虚しく消えた。
その後王になった後は、アマゾネスたちに遠征を仕掛けたり、アルゴノーツのメンバーとなって金羊毛皮を入手しに旅立ったりと、様々な冒険に繰り出し英雄譚を残すも、最後の冥界降りの際ペルセポネを攫おうとした事に怒ったハデスによって忘却の椅子に4年間も座らされる羽目となり、その間に王位を奪われてしまった。
以降はスキューロス島の王リュコメーデースで過ごすこととなるが、自分の王位を奪われるのではと恐れた相手によって殺害され、生涯を終えた。
その遺骸は生まれ故郷のアテナイへと帰還し、手厚く葬られたという。
人物
一人称は「僕」。
基本的に飾らない性格の好青年であり、英雄としての能力を備えた人物だが、アステリオスの一件で英雄としての信念が崩壊してしまったからか、自己評価が低く諦観した言動も見られる。
バレンタインの描写ではイアソンからも卑屈な性格を注意されており、本人もそれが悩みの種。
一連の悲劇を味わう前(少なくともアルゴノーツ加入前)までは自信に満ちた典型的なギリシャの英雄だった様であり、『英雄伝承』においてその片鱗が見られる。
能力
アルゴノーツの主力の1人だっただけあって、実力は高い。
モーション中では、大剣を用いた剣術を主体としつつ、宝具でもあるアリアドネの糸を自在に操っている(糸玉として投げつけ拘束する、周囲で旋回させて斬撃を放つ、ロープアクションのようにぶら下がって蹴りつける、クッションのように編み上げて反動を利用して突進する)。
なお、腕につけているガントレットは、アステリオスの遺品となった鉄仮面を加工したもの。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
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藤丸立香 | B | A | A | C | A+ | C |
保有スキル
対魔力(A) | 魔術への耐性を得る能力。 |
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騎乗(B) | 乗り物を乗りこなすための能力。 |
アリアドネの祈り(C) | 正しい道筋、正しい場所に辿り着くための祈りを受ける。直感と組み合わせることで、テセウスの行動に一切の迷いがなくなる。さらに宝具と組み合わせることで、より強い効果を発揮することができる。 |
直感(迷宮)(B++) | 戦闘時に常に自身にとって最適な展開を“感じ取る”能力。テセウスの直感は通常時、Bランクに留まるが、迷宮に潜った場合はその鋭さが跳ね上がる。暗闇で視界が遮られたとしても、通常時と変わらない戦闘行動を可能にする。 |
武芸応報(B) | 敵対する相手の武器を強奪、その武器を使用して反撃したエピソードが昇華されたもの。相手の攻撃力を下げると同時、己の攻撃力を上げる。Bランクであれば、判定次第で英雄の持つ武器を奪うことも可能。ただし、聖剣や魔剣魔槍の類い、あるいは神造兵装などを奪うことは不可能。 |
宝具
かくして紡糸は極点へ誘う(アリアドネ・アポリト・アディス)
- ランク:C++
- 種別:対人宝具
- レンジ:1〜3
- 最大補足:2人
「導きを信じよう、いざ!」
「栄光と勝利の為に、我が糸よ……導き給え!『かくして紡糸は極点へ誘う(アリアドネ・アポリト・アディス)』!!――討ち取ったあッ!」
ミノタウロス(アステリオス)という怪物に辿り着き、そして脱出することを可能にしたアリアドネの糸が宝具として昇華されたもの。栄光と勝利への道を切り拓くが、足を踏み外せば奈落へと誘うある種の呪詛礼装である。
糸は強力な敵対者にも巻きつき、行動を阻害することはないが、倒す糸口を見出させ、突破口を切り拓かせることができる。上記スキル「アリアドネの祈り」と組み合わせることで、大物喰い(ジャイアントキリング)を果たす確率を上昇させる。
サーヴァントとしてアステリオスとの再会・共闘が叶った場合、彼の「万古不易の迷宮」で相手を閉じ込めた後、この宝具により自軍だけ確実に脱出するという凶悪なコンボが成立する。
いと嶮しき宿命螺旋(ディスコリア・スピラ)
- ランク:B
- 種別:対人宝具
- レンジ:1
- 最大補足:1人
テセウスが英雄になる過程で行った、険しい旅路。その行程が宝具として昇華されたもの。
スケールこそ異なるが、ヘラクレスの「十二の試練」と同じタイプの宝具と言える。
彼の旅は因果応報の旅。棍棒で相手を打ち据えていた者には棍棒で、大海亀の怪物に人間を食わせていた相手には自身を餌にさせた。行く手を遮る悪名高き者たちを次々に打ち破った彼は、最後にアステリオスと戦い、生涯癒えぬ傷を負うことになる。
その由来ゆえ、宝具は相手の攻撃を反射するカウンタータイプのものとなる。ただし、ブラックバレル関連の武器は流石にコピーできない。
ゲーム上での性能
カード | A:2、B:2、Q:1 |
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スキル1 | アリアドネの祈り(C):自身のアーツ性能アップ(3T/20〜30%)&NPチャージ(10〜20%)&毎ターンスター獲得状態を付与(3T/5〜10個) |
スキル2 | 直感(迷宮)(B++):自身のアーツのスター集中度アップ(300〜500%)&アーツのクリ威力アップ(3T/30〜50%)+スター獲得(5〜15個) |
スキル3 | 武芸応報(B):自身の攻撃力アップ(3T/20〜30%)+敵単体の攻撃力ダウン(3T/10〜20%)+スター獲得(5〜15個) |
宝具 | かくして紡糸は極点へ誘う:自身のクリ威力アップ(3T/OC:50〜100%)&魔獣型のサーヴァント特攻を付与(1T/50%)+敵単体に超強力な巨人特攻攻撃(150%)+スター獲得(20個) |
ステータス上はHP偏重型だが、スキルと宝具効果の全てにスター獲得効果を持つアタッカー。
「直感(迷宮)(B++)」によるクリティカル威力アップも持つため高威力が期待できる。
さらに宝具には「魔獣型のサーヴァント特攻を付与」する効果に加え、巨人特攻付き。これによりケモノの姿を持つ巨人サーヴァントに対し、ランク詐欺の大ダメージを与えることができる。
……なんて都合のいい話があるはずもなく、2023年時点でその両方を併せ持つのはなんと生前における最大の後悔とお姉さんぶるどの口蛇女神しかいない。しかもスキルが全て清々しいほどに攻撃一辺倒なものばかりで、防御手段は強いて言えば敵への攻撃デバフのみである。
Arts型なのでサポーターにはアルトリア・キャスターが適任。
そして何よりも、イアソンとは同クラスかつ彼のサポートで不足を補うことができるため非常に相性が良く、編成コストの都合で高レア起用が難しいときにはお勧めである。
関連人物
生前
かつてラビュリントスで打ち倒した「怪物」。
テセウスの在り方を大きく変えたきっかけで、「あの迷宮に倒すべき怪物はいなかった」と、死した現在でも尚彼を救えなかったことを後悔し続けている。カルデアで再会・和解が叶った後も引け目は大きく、遠巻きに気にかけている(あちらは気にしておらず、バレバレである)。
ラビュリントス攻略に協力してくれたクレタの王女で、アステリオスの異父姉。
相思相愛だったようだが、世継ぎを生む意思がなかったため、止む無く分かれることに。
旅の仲間たち。船長であるイアソンへの信頼も厚い。
ヘラクレスが一時船を降りていた時には、テセウスが主力を務めていた。
アルゴノーツの同僚として冒険を共にした英雄。
原典ではとある理由で友人と冥界に渡った際にハデスによって忘却の椅子に座らされた結果、尻の肉が椅子とくっついてしまい、ヘラクレスに引っこ抜いてもらったという話がある。
ペイリトオス
友人の1人で、上述した「冥界に渡った友人」は彼のこと。
彼はハデスの椅子から救出してもらえず、永遠に放置されることとなった。
アイゲウス
実の父親であり、アテナイの王。
生き別れた息子との再会を喜ぶが、後にテセウスの凡ミスで自殺してしまう。
アイトラー
実の母親であり、アテナイの王妃。
晩年はトロイアに亡命しており、テセウスの死を知って自殺したとされる。
彼が女神の審判によってヘレネーを攫った事は特に有名だが、テセウスもまた、まだ10代前半頃だった彼女を攫ったエピソードを持つ(これが『Fate』シリーズで採用されているかは不明)。
ギリシャの女神の1柱。生前から面識があるが、個人的な相性やアステリオスの事があってか微妙な関係であった。その一方で、アステリオスに理解者ができたことを安堵している。
幕間の物語において対話する場面がある。キルケーは跪拝の礼をもって接してきたテセウスに当初は好感を抱いていたが、直後に彼の正体が姪のアリアドネを捨てた男であると悟って激怒する。
これに対しテセウスは上記真相を弁解し、キルケーの方も、妹のパーシパエー(アステリオスの母親)の過ちを彼が解決してくれた事に借りを感じていたため、それ以上の追及は止める事にした。
伝説によれば敵同士として関わりがあったらしいのだが、彼女の側は覚えがないらしく、テセウスも「同名の別人か、例えそうでも自分たちにとっては重要ではない出来事」と見なしている。
数多の異説がある神話において、彼が妻に迎えたとされるアマゾネスの女王(よく知られているのはアンティオペの方であり『Fate』シリーズに採用されているかは不明)。
シェイクスピアの『夏の夜の夢』においては両者は婚約者として登場するためか、オベロンのセリフにも登場する。
ペリペーテース、スケイローン
アテナイへ向かう途中に打ち倒した悪名高い盗賊達。
宝具で説明されている「棍棒使い」は前者で「大海亀に人を食わせていた者」は後者である。
Fate/Grand Order
契約したマスター。
生前散々間違った自分だからこそ、彼/彼女が間違いを犯さないように支えようと決めている。
詳細は神話に詳しいが、生前の彼は彼女の姉妹アンティオペーを娶るも、その後の修羅場によって死なせてしまった為、個人的な印象も含め他のギリシャ英雄同様に彼女から嫌われている。
とはいえ聖杯にかけた願いと戦士としての矜持によって『聖杯戦線』では同陣営で協力関係にあり、テセウスの方も怨恨を一時棚上げして付き合ってくれた事に感謝と謝罪の言を発している。
余談
演者である江越彬紀氏は『Fate』シリーズにおいては、アニメ『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』のロダン(魔眼蒐集列車の車掌)に続いて2役目。
なお、テセウスは今作でのアステリオスの状態から
のどちらかで実装されるのではないかと考察されていたおり、セイバーという真っ当な英雄として出て来た事に驚いたプレイヤーもいる。