演:日向丈
概要
ロイミュードの幹部の一人。正体はスパイダー型ロイミュード008の進化態であるトルネード・ロイミュード。
前日談の『type zero』では、グローバルフリーズ前のハートによる決起集会に参加していた。グローバルフリーズ後は長らく海外で活動していたが、第37話からハートの要請を受けて日本に帰国した。
当初は、ハートにすら自身の進化態の能力と名前を明かしていなかった為、「008」と進化前の数字で呼ばれていたが、上級ロイミュードとしての姿を晒して以降はハート達から「トルネード」と呼ばれるようになった。
人間態は、テンガロンハットを被ってサングラスをかけ、ライトブルーのデニムベストを着たバックパッカー風の男性の姿をしている。コピー元は海外で活躍していた世界的なファッションデザイナーの「ジョージ白鐘」という人物で、ジョージ本人はトルネードにコピーされた際に殺害されている。
能力と進化前はトルネード・ロイミュードの記事を参照。
人物像
性格は、非常に傲岸不遜なナルシストであり、自称「世界を駆ける情熱の風」。事ある毎に「カッコいいぜ、俺」と自分に酔った言動をしているのが特徴。
シングルナンバーの幹部ロイミュードの中でも、特に個人主義が強く、グローバルフリーズ後はハート達からも距離を置いて独自に海外で活動していた他、幹部ロイミュードの中では唯一、配下のロイミュードを一人も従えていない。この点は、同じく海外から帰国した幹部であるロイミュード006とは真逆で、その006との仲もかなり険悪らしく再会して早々に一触即発になっていた。
その自由気質の強さと俺様っぷりから、ハート達とも折り合いは悪いらしく、一応006とは違いハートの事は「ボス」と呼んではいたが、そのハートに名前を明かすように促されても、自身の能力を隠す為に006と共に開示を拒否していた他、帰国してからもハート達とは協調せずに単独行動を貫いている。
ただし、ハートの前に報告に現れたり、ハートが貴重な超進化態候補の彼を守るべく自主的に護衛に来たのを受け入れたりと、これでも006よりはまだハート達と協調している方である。
ハート達の計画にも関心があるようには見えないが、一応は彼の提示した課題の1つである「早急に超進化態を約束の数だけ揃える事」を目的として活動しており、第39話から超進化態となるべく本格的に行動を開始し、その為に連続女性誘拐事件を起こして都内を混乱に陥れる。
これは、自身が超進化する為に必要な極限状態の感情を獲得するのが目的であり、その条件というのが「自分が作ったネックレスを、海の見える教会で首元が最高に綺麗な女性につけて、その女性と結ばれる」(本編第40話より)という、生前のジョージ白鐘の夢の成就である。その為にジョージを殺害した際に奪った、生前の彼がデザインしたネックレスを常に持ち歩いている。
元々は、ジョージの純粋な夢に過ぎなかったのだが、トルネードは自らの超進化の為にその夢を利用する事を目論み、それを歪めて実現しようとしていたのである。トルネード自身はこのジョージの夢を本心では「下らない願望」と一蹴しており、しかし「だからこそ胸を打たれた」という理由から、自らの超進化の為に利用しようと目論んでいた。
一見すると女好きなように見えるが、トルネードにとってはジョージの夢もその為に必要な運命の女性も、全ては自らの目的の為に利用するだけのものに過ぎない。
実際に、自らの目にかなった女性は恋人がいようが無理矢理拉致してネックレスを強要し、超進化に至れなければ用済みとして切り捨て、それ以外の女性には平然と罵声を浴びせて攻撃にも巻き込み、計画に不要な存在である男性の事は歯牙にもかけずに見下した挙句(進ノ介の事も「モテもしない凡人」と一方的に見下していた)、そういった行為を自分では「カッコいいぜ、俺」と正当化するなど、単なるナルシストを通り越して非常に利己的かつ自己中心的である。こういった言動の数々は進ノ介を激怒させ、「全然カッコよくない」と真っ向から全否定されている。
ナルシストなのはコピー元のジョージ譲りだが、それを通り越して非常に歪んだ人格の持ち主だと言える。前述通りジョージの夢を馬鹿にしていたりと、コピー元とは人格的な相違点も多い。
劇中での動向
劇中では誘拐事件の最中に、自らのアジトに進ノ介、剛と共に乗り込んできた霧子と運命的な出会いを果たし、2人がハートと戦っている隙に自身の超進化の為の最後の鍵として彼女を連れ去った。
そして、教会で霧子にネックレスを付けようとするも阻まれ、ネックレスを進ノ介に壊された事で激怒し、ライダー達と再び交戦。
突風を操る能力を駆使して仮面ライダードライブを追い詰め、仮面ライダーマッハが加勢して2対1の状況に追い込まれてもなお互角以上の戦いを繰り広げていたが、仮面ライダーチェイサーが乗るブースタートライドロンの強襲で形勢を崩され、ブースタートライドロンのヴォルテックスフローターで身に纏う竜巻を相殺された事で一気に形勢逆転。
最期は、そのままヴォルテックスフローターを併用したドライブとマッハのダブルライダーキックを受けて倒され、コアも完全に砕かれて消滅した。
彼の死は、ハートからは貴重な超進化態候補の喪失として惜しまれはしたが、それ以上にハートとしては仮面ライダー達の互いの連携や絆の深まりに対する関心と、そんなライダー達と今後改めて戦える事に対する「喜び」の方が勝っていたらしく、前述通り元々折り合いが悪かったのもあってか、彼の死そのものはそれ程深くは悲しまれなかった。
そして、険悪だった006に至ってはトルネードが死んだ事を、露骨に上機嫌にブレンらに告げており、その際にはトルネードが死んだにも拘わらず「遂に約束の数が揃う時が来た」と発言する等、暗に彼を約束の数候補とは認めていなかった事を示唆している。
余談
劇中で進ノ介を「モテそうもねえ凡人にはわからんよ。」とディスっていた彼だが、後に進ノ介を演じた竹内涼真氏がブレイク後にメディア媒体から「国民の彼氏」という愛称を付けられた事には何を思うのだろうか…
ちなみに一応は幹部の一人なのだが、その出番の少なさのせいか東映の公式サイトや超全集等の各媒体では、悉く一般ロイミュードとまとめて紹介されており、幹部にカテゴライズされていない。これは006も同じである。