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ドアンザク

どあんざく

アニメ『機動戦士ガンダム』第15話「ククルス・ドアンの島」に登場したザク。同名の劇場版に登場した「ドアン専用ザク」についても解説する。
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概要編集

アニメ『機動戦士ガンダム』の第15話「ククルス・ドアンの島」に登場した、ククルス・ドアンが乗るザク


もともと何の変哲もない一般的なザクⅡなのだが、当時の予算不足による作画崩壊の影響を著しく受けた結果、このザクは本来のメカ的な雄々しさを欠いた、某星間戦争じみたスリムで間延びしたような形状になってしまった。

後の作品ではこの作画バランスの悪さを逆手に取り、ザク黎明期に開発された一つのバリエーションとしてリデザインされるなど、ガンダム史に積極的に組み込みこもうとする動きがあった。


作品によって『ザクⅡ(ドアン機)』『ドアン専用ザクⅡ』などの名称が降られているが、ファンの間では「ドアンザク」と通称され、ファンアートが描かれる他、市販のガンプラを改造してこの姿を再現するモデラーも居る。


武装は一般的なザクⅡと全く同じであるが、パイロットであるククルス・ドアンがモビルスーツ格闘技を得意としており、加えて脱走兵故に武装補給が不可能だったと思われるため、非武装での格闘戦を主力戦法とする設定が加えられることが多い。

実際にアニメでは非武装のまま同型のザクⅡに立ち向かい、巨大な岩を投げる、相手のドロップキックを盾で受けるなどのMSらしからぬ肉弾戦を披露、最後はトドメに見事な正拳突きをお見舞いした。

戦いの後、アムロにドアンが自衛の為に保持するザクが敵を呼び寄せている事を指摘され、「あなたに染み込んだ戦争の臭いを消させてください」というセリフと共にアムロの操るガンダムによって、海中に投棄された。


上記のイメージから、外伝作品・クロスオーバー作品によってはザク本来の武装を使わずに格闘技を多用するケースが多い。

対戦ゲームの『機動戦士ガンダム EXTREME VS. FULL BOOST』では「格闘は高威力だが、射撃武器が投石しかない旧型のザク」として登場。「動きの鈍さを移動技で補う低コスト機」という尖った性能のネタキャラとして一部のファンの心を掴んだ。

バーストアタックの「ドアン正拳突き」は高威力なうえ、発動中のスーパーアーマーで敵の攻撃に耐えると肩部シールドが吹き飛ぶ原作再現要素がある。


SDガンダム GGENERATION ADVANCE』では機動武闘伝Gガンダムドモン・カッシュと交流を持った末にハイパーモードハイパー化)を会得し、全身金色のザクⅡになったりもした。普段は通常時はザク2と同武装・同性能だが、ハイパーモードを発動させると武装が岩投げと格闘のみとなり、高機動かつ回避技(分身)が扱えるなど、主役級のガンダムタイプに並ぶ高性能機体になる。

39の日


劇場版編集

無題

『ククルス・ドアンの島』の映画化に伴い機動戦士ガンダムTHE ORIGINのデザインラインに沿う形で「MS-06F ドアン専用ザク」としてリファインされた。

リファインに際して元「サザンクロス隊」の隊長機、倒した相手の機体から部品を再利用しているという設定が追加されている。また、コア・ファイターならともかく素手でガンダムとやり合うのは流石に無理があると判断されたようで、原作と異なりヒートホークだけは喪失せず所持したままとなっている。

公式設定がなかったためC型(ギレンの野望等)だったりJ型(カードビルダー等)だったりと媒体によってまちまちだった型式はF型と改めて設定された。F型で地球降下作戦に参加し、J型に換装する前に脱走したと考えるのが自然だろうか。


特徴的な面長の頭部はユニットの上下の接合が甘いうえに頸部ダクトがへし折れ下向きに歪んでいるという形で再現されており、細めの動力パイプや痩身の体躯は外装の欠落といった形で解釈されるなど、整備が行き届いていないことを物語る外観としてデザインされている。

一方でスラスターノズルが開閉式の蓋で覆われた1stガンダムに近い見た目のランドセルや肘の両断された円形をした所謂「マルイチ」のディテール、ややほっそりした下腿部装甲や短めのショルダーアーマーのスパイクなど、従来のTHE ORIGIN版ザクⅡC型には無かった記号(=F型としての特徴か現地改修の結果か不明瞭な部分)も存在する。


ドアンが原作以上にエースパイロットとして名が知られた存在としてはっきり描写されていたため、その傷だらけの外観も歴戦の猛者としての風格を醸し出すエッセンスとなっている。

劇中冒頭ではジム2機をヒートホーク一本で血祭りにあげ、背後からの不意打ちだったとはいえガンダムをも防戦一方に追い込んで崖下の岩礁に叩き落してみせた。

終盤での古巣のサザンクロス隊との戦いでは、ダナン機とセルマ機をヒートホークで両断し撃破したものの、隊長機であるエグバ機にはヒートホークを携えた右腕を切断され(この時、苦し紛れに手近にあった岩を投げている)、遅れて加勢しに来たアムロのガンダムに活躍を譲ることになり、最後は原作同様にアムロによって海中に投棄された。


ちなみに監督の安彦良和氏はTVアニメの当該話の製作に関わっておらず、登場メカや新たな特報映像が公開された2022年のザクの日の会見の中でこの作画崩壊を「見るに堪えない」とまで言っていたが、スタッフの中に存在する異形のドアンザクを愛する勢力(リファインを担当したカトキハジメ氏もその一人)の熱意に押し切られ、作画崩壊を意識したリファインに「勝手にしろ」とゴーサインを出したとのこと(もっとも、後に「こだわりは大事」ともコメントしており、決して不本意というわけではない模様)。


立体物編集

映画版がプレミアムバンダイ限定で「ドアン専用ザク」名義でHGが発売。

既発の「HG 1/144 ザクII C型/C-5型」をベースにしているため可動範囲は申し分ない。

ただし全体的に色分けはどうしても細かくなってしまう関係上動力パイプなどはデカールでの補完となる。また肩シールドやフロントスカートなど外装が剥がれて内部フレームが見えている部分も再現されているが一切色分けはされていないため、完全再現にはグレーで塗る必要がある。

ちなみに余剰パーツを使えば、動力パイプ部以外は外装剥がれの無いTV版の状態を再現できる。


オリジナルと異なる部分が不規則なので余剰含めてランナー数も多くそこまで生産効率は良くない。

だがプレバンでは珍しく短いスパンで何次にもわたる再販がしきりに行われている商品で、かなり人気がある模様。ちなみに、そのたびに同映画版ガンダムも一緒に再販されている。



2024年11月発売予定のガンダムコンバージ#26のラインナップにもドアンザク入っており。

写真を見る限り特徴とも言える面長な顔や部分的な破損など劇場版を再現されたクオリティの高い一品。

装備は劇場版と同じくヒートホーク装備。

形状的に以前発売した#09のザクの型枠を流用したと思われるのでそちらのザクが装備していたザクマシンガンと換装可能と思われる。

関連項目編集

機動戦士ガンダム 作画崩壊

ククルス・ドアンの島

ククルス・ドアンの島(映画)

ザクⅡ


バーザム:ドアンザク同様本編とは関係のないところで人気を得てしまったモビルスーツ。その影響はガンプラにまで及んだ。

からすまAチャンネル:ドアンザク使いだったクソゲーハンターで元ガンダム動物園の動物。

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