パルの一覧は、パル(架空の生物)を参照。
訴訟、及び一連の騒動について
パルワールド炎上騒動の記事を参照。
加筆や議論もそちらで行い、この記事ではゲームについての解説のみをまとめて頂けるようお願いします。
諸元
タイトル | PAL WORLD(パルワールド) |
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プラットフォーム | Windows(Steam)、Xbox(※)、スマートフォン(開発中) |
発売日 | 2024年1月19日(アーリーアクセス) |
制作 | ポケットペア |
ジャンル | オープンワールド・モンスター育成ゲーム |
エンジン | UnrealEngine4 |
購入形態 | ダウンロード(買い切り型)&クラウドプレイ(定額課金型) |
※:便宜上はβ版なのでまだXbox向けのディスク版は発売されていない。基本は買い切り型だが、Xbox GamepassのConsoleかUltimateを購入すればいきなり遊び放題になる。またXbox版はSteam版と比べて一部の機能が制限されており、2024年1月31日時点で専用サーバーが作れない。
概要
マルチプレイ対応オープンワールドサバイバルクラフトモンスター育成ゲーム(Minecraftやfallout76のようにプライベートサーバーにも対応)。
ゲームエンジンはUEだが、当初はクラフトピア同様Unityで開発する予定だったとか。
詳細は後述するが、株式会社ポケットペアの傑作にして最大の問題作。同社の「既にあるものを組み合わせて新たなものを作る」スタンスが良くも悪くもフルスロットルになっている。
模倣
既存のオープンワールドゲームのシステムの長所を取り入れ破綻なく共存させた極めて完成度の高いゲーム性を持つが、パルのキャラデザが一目見ただけで"P"なアレを想起させるほか、システム部も参考元が透けて見える箇所がちらほらと見受けられる。
その上で前述の通り、これらの問題抜きでゲーム単品を見ると非常に高い完成度で仕上がっているために、各方面で論争を呼んでいる。
これらについては個別記事に詳しい。
ガワはポケモン中身はARK、できあがったのは両者のいいとこ取り。
商業面
2024年1月19日の全世界同時アーリーアクセス解禁から8時間で100万本の記録的な初動売上を叩き出し、3日で500万本、4日に600万本、5日半で800万本と続き、遂に2月1日時点で1200万本の大台を突破(XboxGamepassを含めると1900万)した。
steam同時接続最高記録はCounterStrike2を追い抜き歴代2位となった(2018年のP.U.B.G以来の200万人超)。現在は2500万(売上比率はSteam1500万、Xbox1000万で3:2くらい)
PS、Switch向けに配信されていないのは各プラットフォームのポリシーの違いによるもの。
つまり有料β版を認めているかどうかの違い。
Steamでは早期アクセス、Xboxでは「ゲームプレビュー」がこれに相当する。
拠点への襲撃イベントによる建物の火災や、探索中に何が起こるか分からない楽しさから動画配信に向いているゲームであり、大手ではホロライブなどが発売前から先行配信をしたのもヒットの一因だろう。
その後も実況者の配信枠が爆発的に増えている。
2024年10月には、『PUBG: BATTLE GROUNDS』で知られる韓国のゲームメーカー:KRAFTONがスマートフォン版の開発に着手することを発表した。
OWサバイバルとして
比較的骨太な難易度だが、操作性やシステムは非常に快適でカジュアル。
広大なマップは複数の島で構成されており、海辺や湿原、平原と山脈、竹林、火山、砂漠、寒冷地といった様々なバイオームに分かれ、それらには開放するとファストトラベルが可能になるトーテムが点在している。
FT対象にはプレイヤーが設営した拠点も含まれるので、遥か遠くで冒険したり素材の収集をしたりしても、すぐに拠点へ帰還できる。
さらにはノーマル設定のままなら入手したパルは不死身でありロストしない。
体力がゼロになって倒れてもボックスに入れておけば復活する。
また、この手のオープンワールドの常として所持品は力尽きた場所に落としてしまうが、FTで最寄りの場所まで飛べば回収は楽。
ボスなどの特殊個体ではない限り、プレイヤーをキルした野生個体はデスポーンするので延々とリスキルされることもなく、ダンジョンなどで死亡した場合はアイテムが入口に置かれているという親切設計。
そのため、格上の野生パルやボスに対して気軽に挑戦することができ、配信者の動画などでは10レベル以上も差がある個体を死闘の末に捕まえて歓喜する様子が見られる。
拠点クラフトとして
100種類以上の「パル」が暮らす「パルパゴス島」を舞台に捕獲したパルに狩りや拠点での生活を手伝わせてサバイバル生活を行う。
見た目にばかり気を取られるが、システムの方は既存のOWゲームをただツギハギするのではなく破綻ないよううまく融合させている。
クラフト要素に関してはクラフトピアから受け継がれているところもあるかもしれないが、あえて他所の作品を例に上げるなら「"P"がいる"Z"の世界でやる"A"や"M"」である。
パルは「パルスフィア」と呼ばれるボールを投げることで捕まえられる。
攻撃して弱らせると捕獲率が上がる仕様は…いうまでもない。捕獲率はスフィアをパルに対して構えた時点で表示される親切仕様。
ただしスフィアの性能に対しパルが強すぎると限界まで弱らせても捕獲率が小数点以下なんてこともよくあり、ゲームの進行と共にそれ相応に高性能のスフィアを使用することが求められるようになっていく。
捕獲したパルの出し入れはいつでも行うことができる。これにより意図せずに戦いを始めてしまったパルや、地形に引っかかって動けなくなったパルをボタンひとつで即座に回収できるのでイライラする場面が少なくて済むという利点がある。
捕獲されたパルはプレイヤーが建築すれば駆け寄ってきて一緒にハンマーを叩き、畑を作れば種まきから収穫までやってくれて、木材や石などの素材も収集してくれる。
ただし建築可能な設備で適切にケアしてやらないと、作業効率が落ちたり、時には暴動も起こす可能性があるため、本拠地の整備も重要である。
手持ちの個体にはエサをやったり撫でたりすることも可能。
パルはそれぞれに生産・農耕・採取・運搬・エネルギー管理・移動用などの役割、そして後述の個体差があるため、単純なバトルの強さだけではパルの価値が決まらない。
なんでも器用にこなす上位種のパルばかりを集めたところ、複数の作業に手を出して進行が悪くなってしまったため体制を見直し、結果的に1つのことしかできない専門職のパルを連れてくるという、まるで会社経営のような采配を迫られる場面もある。
パルについて(※かわいい)
本作はひたすらお気に入りのパルを可愛がって鑑賞できるよう、とにかくモーションがこだわって作られ、
自然とパルへの愛着が深まるゲームデザインになっている。
トンカチで建築するパルもいれば、手をかざして建築するパルがいたり、木の伐採作業では居合切りで伐採するパルもいれば、一日1万回していそうな正拳突きをするパルもいる。
温泉では大の字になって浮かぶパルもいれば、デカすぎて嵌っているようにミチミチとした様子で利用するパルもいる。
温泉に入るパルの可愛さは一見の価値ありである。
また光り輝く特殊個体のパルや、ダンジョンやフィールドのボスとして大型化したパル、初期の図鑑にはナンバリングされていない隠しパルなども存在し、探索の中で発見できる。
実用面
パルによってはライドして海を越えたり、空を飛んだりすることが可能で、更にはグレネードランチャーなどの武器を装備する個体もいる他、一部では自分自身が火炎放射器やバズーカ(あるいは弾頭)になったりもする。
中毒性
そして中毒性も"P"同様で、パルは種族としての能力差はもちろん、個体ごとにパッシブスキルがランダムで備わっている。
攻撃力が上がる代わりに拠点での効率が下がる「脳筋」、逆に率先して仕事をしてくれる「ワーカーホリック」「社畜」「職人気質」、デメリットとなる「骨折しやすい」「破滅願望」など、運用する上で様々な個性が用意されている。
また某ゲームと同じくパル自体にも隠しステータスとして個体値があり、同じスキルやレベルをもってしても能力値に差が出ることも
つまり、個体ごとに性格や特性によっても適材適所が違うためにやり込みの末にあるのは模倣元同様の「厳選」の沼である…((((;゚Д゚))))
管理、配合
不要なパルは解体や売却で手放せる他、ソシャゲで言うところの星凸に相当する「濃縮」が可能となっている。
パルにはパッシブスキルの他、必殺技として繰り出すアクティブスキルや、体力や攻撃力などを左右する個体値のようなもの(マスクデータ)もあり、それら全てが配合で親から子へ遺伝する。
元ネタとは異なり、本作では全てのパル同士で配合が可能。
組み合わせ次第では未入手の個体を産ませることもできる。
ただし、「伝説」や「海皇」等の激レアなパッシブスキルは野生個体しか持っていないので、欲しいなら捕獲に挑む必要がある。
弱肉強食のパルパゴス島
パルを売り飛ばしたり、果ては解体して食べたり食べられたりできることが"P"がやらない本作最大の特徴にして問題点?
否。
パルは見た目こそ可愛いものの、人間を食い殺す立派な猛獣である。
パルを食べるなんて可哀想?人間こそが野生パルのエサなのだ。
NPCとの会話や手記などから捕食された様子を知ることができる。
一部のパルに至っては腐肉食性で、近くの人間やパルの死体を貪り食う。
もっとも、残酷描写は基本的にオブラートに包まれてゴア表現や血を見ることはない。
プレイヤーのアバターが直接的な表現で捕食されることはないし、殺害したパルはぐるぐる目でおわり、また、包丁でパルを解体する際はモザイク演出とコミカルに徹している。
こちらが高レベルになるとレベルの低い野生パルは逃げ出すので逆襲してもいいかもしれない。
そんなわけでむしろ人間側がお返しとばかりに捕まえたパルを酷使した末に病んだら放逐する…のもある意味釣り合いが取れていると言える。
ただしゲーム的にはパルを酷使して使い捨てにするよりも適切なケアを施して使い続ける方が効率は良い。序盤のいくらでも代わりが効くようなパルならともかく、後半のパルは捕獲するだけでも一苦労でそこからさらに優秀な個体を厳選するとなるとかなりの手間だからである。
プレイヤー及び人間
弱肉強食の世界で生き残るためにプレイヤー自身も武装して戦うこととなる。
装備は棍棒や槍といった原始的なものもあるが、ハンドガンやアサルトライフル等の近代的な武器も使用できる。
しかも銃器に関しての作り込みがやけに細かい。
やはり、最後の敵は同じ人間だったな
島のマップには密猟団や愛護団体(とは名ばかりの過激派)など、人間の各勢力のボスが待ち構える「塔」が配置されており、彼らに戦いを挑むのがアーリーアクセス時点での目標のひとつとなっている。
人間自体は、設定上は最も弱いタマコッコにすら劣るという弱い種族である。(ゲーム内ではタマコッコ程度になら素手で殴り合ってもまず負けないが)
島にやってきた旅団は壊滅、生き残った者はアウトローになるか、荒れ地に質素な村を形成してどうにか生きている。
で、そんな人間のNPCもなんとパルスフィアで捕獲し使役することが可能。
というか完全にパル(≒"P")と同列の扱い。
パルの扱いの時点でぶっ飛んでいたがもう滅茶苦茶である。
特に商人を捕獲すると拠点に出した際に売買ができるようになるので一々商人のいる場所に出向かなくても取引出来るようになるのでかなり便利。
だがそれを楽しいと思うかどうかはプレイヤー次第で、パルと共存して悪事を働かず平穏に生きていくことも可能になっており、この辺はB社の歴代作品に受け継がれる「作中で“やれること”を“やらなければいけない”ことはない」というスタンスに通じる。
効率だけなら人間は行商などの特殊技能を持つ一部のNPC以外は有用性がパルに大きく劣るため、アレぐらいしか使い道がない。
人間系エネミーの最強種「遺伝子研究部隊実行班」ですら、捕獲してみたらその使えなさに愕然とするだろう。
人間の捕獲は明確な悪でありさらに島は世紀末ではなくある程度は秩序があるため、度の過ぎた悪人プレイを続ければ相応のしっぺ返しを食らうことになる。
具体的には暴行・殺人等のわかりやすい悪事を働くと指名手配となりプレイヤー周辺に銃器で武装した自警団が無限沸きするようになる。抵抗して自警団を倒すとそれ自体が悪事と看做されて何時まで経っても指名手配が解除されない。こうなると素直に自警団に倒されるか、ほとぼりが冷めるまで見つからないように逃げ隠れするしかない。
ただゲーム自体がまだアーリーアクセスだからか、プレイヤーは手を出さずパルに自警団を倒させる、オプションメニューから「死亡してリスポーンする」を選択してわざと死ぬ、一旦ゲームを止めてタイトルに戻る等の方法で簡単に指名手配を解除できる抜け道も多いし、自警団に絡む不具合的なものも存在する。
当然ながら人間に対する危害は視覚的にはパル相手よりショッキングなものが多くなる(罠での宙吊りなど)。それでも直接的な残酷描写が無いのはパルと変わらず、どのような方法で人間を倒しても血の一滴も流さずただその場に倒れこむだけなのでその点は安心。
二次創作について
公式は、現状二次創作についてのガイドライン等は特に設けておらず、寧ろ公式自らがファンアートなどを引用して紹介するなど、二次創作にはかなり寛容な姿勢を示している。
ただ、これはあくまで発売直後の時点におけるものであり、今後プレイヤーの数が増加して公序良俗に反するような内容のものが増えるなどした場合、何かしらのルールが設けられる可能性がないわけではない。
加えて、同人誌や同人グッズの販売等の営利目的・商用目的でのコンテンツ利用については現時点では明確な規定が発表されておらず、こちらも公式からの今後の発表を待たねばならないだろう。
余談
- 実は本ゲームの制作過程が奇跡の連続であり、壁にぶつかるたびに「野生のプロ」と呼べる人材を発掘し困難を突破するという、下手をすればオマージュ元の会社より波乱万丈かつとんでもない伝説を残している。一例を挙げると……
- 銃器モーションの監修者をYouTubeの動画から探しだしたら業界未経験の20歳のコンビニのアルバイト。情熱と知識を買って採用したら何でも出来る若手のエースに成長した。
- UnrealEngineの経験者がいなかったのにもかかわらず、UnrealEngineの技術者が入った事をきっかけに今までUnityで作ったのをUnrealEngineで作り直した。
- パルの3Dモデル制作者もモーション経験者もいなかったが、それぞれに特化したスタッフが入り、100体のパルのデータを仕上げてのけた。
- そうこうしているうちに開発チームの規模は当初の4倍近くにまで膨れ上がり、アーリーアクセス版が仕上がる頃にはクラフトピアの売り上げも含めた会社の予算をほぼ全て使い果たした。
- ……などなど、詳しいことはこちらのリンクで確認できる。
- 総じて、この作品の制作過程そのものも、作中で私たちが行なうことに通じるものを感じられるように思える……かもしれない。
- Nexus Modsなどのサイトで有志の手によるMODが公開されているが、本家本元のキャラを使用したMODが悪い意味で有名になってしまったため、某社の版権を使用したものは避けられる傾向にある。また、ポケットペア自体はリリース直後にSteamWorkshopでの対応も検討していると述べている。2023年の年末頃に登場したUEの作品をVR対応にするツールを本作で試した人も存在する。
- 自由度の高いゲーム性かつ未だアーリーアクセスで不具合を取り切れていないことから、開発側が「こんな事やらんだろうと思う事」や「出来てはいけない事」を実行に移してしまうプレイヤーもクラフトピアと同じかそれ以上に存在し、そのたびに公式SNSで「えぇ…想定してないよ…」「えぇ…実装してないのに…」とリアクションを返している。
関連イラスト
関連タグ
ポケットペア オープンワールド 育成ゲーム Steam Xbox
ガラパゴス諸島:舞台となるパルパゴスの元ネタ、そのモチーフ。