パロロワ
ぱろろわ
『バトル・ロワイアル』は、独裁国家・大東亜共和国の手により中学生がクラスメイト同士で"プログラム"と呼ばれる殺し合いをさせられる様を描く小説。
その過程における生徒同士の葛藤や苦悩、友情と裏切り、極限状態の心理描写が人気となり、ベストセラーとなった。
インターネット上でも多くの二次創作が発表されたが、"パロロワ"とはその中でも、劇中の"プログラム"のルールに乗っ取り、オリジナルキャラクターや既存のキャラクターに殺し合いをさせたらどうなるか、というコンセプトに基づいた作品を指す。
原作の世界観に準拠して大東亜共和国を舞台としたものから、殺し合いという物語の骨子だけを使用したものまで、さまざまなものが存在する。
pixivでも【PBR】のような同コンセプトの企画が存在するが、これもパロロワのひとつといえるだろう。
より狭義の意味でパロロワという言葉を使う場合、特に大手Web掲示板の2ちゃんねるで発生した、リレー小説によって書かれるものを差すことが多い。
殺し合いというプロットと、リレー小説のルールが引き継がれ、そこに旬の人気キャラクターを参加させることでパロロワが成立することから、原作小説のブームが去った後もパロロワの発表が続いているためかと思われる。
また、『仮面ライダー龍騎』『Fateシリーズ』『未来日記』など、サブカルチャーの同コンセプト作品にヒットしたものが多く見られ、親和性が高いことも一因と考えられる。
2chパロロワ事典@Wikiでは、オリジナルキャラクターを使ったものを"オリバト"、既存のキャラクターを使ったものを"キャラバト"と呼んでいる。
オリバトは、原作小説の二次創作として個人サイトで発表・展開されることが多い。
原作で「プログラムは年50回実施されている」と設定されているため、その中の一回として考えれば原作世界観との整合は難しくない。
キャラバトは、『バトル・ロワイアル』の二次創作というより、どちらかといえば、使われるキャラクターの出典の二次創作として消費される。
LeafとKeyのゲームに登場するキャラクターを用いた『葉鍵ロワイアル』、アニメ『おジャ魔女どれみ』シリーズのキャラクターを用いた『どれみロワイアル』、読売ジャイアンツの選手を用いた『YGBR』の三作は「三大ロワ」と数えられている。
『バトル・ロワイアル』では、殺し合いを強いる大東亜共和国がディストピアとして存在していたが、キャラバトでは世界観の整合性もあって大東亜共和国は登場せず、その役目は出典の悪役が負うことが多い。
もっとも、大東亜共和国を舞台とした『どれみロワイアル』のような例外もある。
匿名掲示板サイト・2ちゃんねるでは、リレー小説によるパロロワの展開が定着している。
2ちゃんねる周辺で「パロロワ」(あるいは、単に「ロワ」)という言葉が使われる場合、主にこのリレー小説の形式を指す。
当初は、内容の過激さに嫌悪感を示すファンとの衝突や、書き手の連携がうまくいかないこともあり荒れ放題であったが、長い議論と試行錯誤が重ねられ、少しずつローカルルールが形作られていった。
詳しくは2chパロロワ事典@Wikiを参照。
多人数の生と死のドラマを描くという必然上、パロロワ作者には相当以上の筆力と根気が要求され、ゲーム終了まで書ききることは難しい。
その点でリレー小説の形式は、執筆量を分担することで作者の負担を減らし、互いに読者となることでモチベーションを維持し、予想できない展開を楽しむことができる、といったメリットに支えられている。先述した有名なパロロワ群が、ことごとくリレー小説で書かれていることからしても、その点はうかがい知ることができる。
しかし、上述に反してデメリットも存在する。書き手に継続する責任は当然ないため、募集段階まで関わっていた作者が引き継がず、放置するといった傍観者効果の状態に陥る事例も少なくない。
さらに、参加者の選考やストーリーの主軸など本題が企画主の意向に左右されやすくなりやすい問題点や、募集によるため登場人物全員でバランスを取ることが難しくなってしまうなどのリスクもある。
その結果、後継の作者個人の執筆量や負担も多くなり、次第に後継者の不足とリタイアも相次ぎ、大半の企画がエターで終わってしまうのが現実である。
尤もそれらの問題を抜きにしても、完結までに平均にして約三年前後はかかるため、気が遠くなるほどの長さに挫折することもやむを得ないのもあるが。
また、作品としての出来が玉石混交なこと、作者同士でのトラブルなども必然的にあり、2chパロロワ事典にはその記録が残されている。
二次創作としての楽しみと、キャラクターの把握のしやすさから、キャラバトのほうがメジャーに企画されている。ただし、オリバトによるリレー小説も少数ながら存在する。
その性質上、人気作品同士のクロスオーバーを多く含む。さらにパロロワを題材にした、三次創作、四次創作が発展し、独自の文化を形成している。
内容が激しく人を選ぶものであるため、これらの話題を原作のコミュニティに持ち込むことは厳禁とされている。
殺し合いをモチーフにしているため、パロロワは緊張感に満ちたシリアスな作風にならざるを得ないのだが、ぱげらったの描いた『東方バトルロワイアル』のように、『バトル・ロワイアル』の形式を持ちながらもまったくのギャグ作品として成立するケースもある。
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