概要
スコットランドのハイランド(高地地方)に伝承される禿げ頭に顎髭の妖精。
他の妖精とは違い単眼に一本足、腕も一本しかなく胸の真ん中から生えているという異形で、荒野を意味するジイリッハ (Direach)という呼び名もある。
ゴブリンの仲間である小人とされるが、実はケルト神話に登場する獣頭の異形の巨人である蛮族フォモール族が零落したものであり、異形なのはそのときの姿を残しているためであるという説もある。
なおファハンの一体であるというジーラッハ・グレン・エイチーという巨人は、想像を絶するほど醜い姿だと伝わる。
世界中の神話伝承には、類似した姿の単眼で一本足の山の神や風神などが数多く登場する。
一説によると薪を得るため山奥に住んでいた製鉄民族は、加工のため焼けた鉄を片目で見続け、風を送るため鞴(ふいご)を片足で踏み続けるために欠損が生じた者が多く、それが神格化した存在ではないかといわれる。
創作での扱い
- 女神転生シリーズ
初出はケルト系の悪魔が登場し始めた『真・女神転生』。種族は”地霊”で、中国の伝承に登場する一つ目一本足の鬼「”邪鬼”ドンコウ」の色違いとして登場。ドット絵によって飛び跳ねるアニメーションが肝の悪魔だったので、以降のシリーズには出演する機会がなかったが『ラストバイブル』シリーズには登場している。
また類似した姿のイッポンダタラは色替えではなく、新デザインで『デビルサマナー』シリーズで登場している。
サロニアの地下迷宮に出現する、ボストロルの色違いの巨人型モンスターで、石化魔法ブレクガが脅威である。