概要
西暦2312年、リボンズ・アルマークらイノベイターに操られる地球連邦政府が独立治安維持部隊アロウズによって連邦に逆らうカタロンなどの反連邦組織やアザディスタン王国などの非加盟国に対して殺戮同然の非道な弾圧を行い、その事実をスーパーコンピューターヴェーダの情報操作で隠蔽、そしてその暴挙に反発するソレスタルビーイング(CB)がアロウズに戦いを挑む最中、地球連邦平和維持軍の内部では連邦の悪政同然の統一政策やアロウズの弾圧に不満を抱く者たちが出始めていた。
その代表格である参謀本部情報作戦室所属のパング・ハーキュリー大佐は、軍内部の同志たちを率いてアフリカにある軌道エレベーター『ラ・トゥール』こと『アフリカタワー』を占拠すると言うクーデターを敢行した。
ハーキュリー達クーデター派は低軌道ステーション「ピラー」を含むエレベーター内部の6万人に及ぶ市民達を人質に取ったが、それは彼ら人質達にアロウズや連邦政府の非道な実態を知らしめた上で彼らを解放させて、それが世界に漏れて世論が反連邦に傾くように狙っていたのであった。ハーキュリーもさすがにアロウズが連邦市民の命までも奪う事はしないと思っていた。
これに対して連邦側は情報統制を敷いてテロリストが軌道エレベーターを占拠したと報道(ハーキュリーはそれも想定済み)し、アロウズ部隊を現場へ展開させつつ、ハーキュリーの戦友であったセルゲイ・スミルノフ大佐を特使として派遣した。
カタロンもこの連邦の悪を暴こうとするクーデターに便乗し、CBも現場に向かった(ただしこの時期のCBの活動方針はあくまでアロウズ打倒である為、政治的理由で活動するクーデターに加担するつもりは無かった。もし以前と同じ方針であったのならアロウズもクーデター派も無差別に殲滅していた可能性あり)。
ところがアロウズは真実が漏れる前に人質をオートマトンで攻撃、しかもその映像をクーデター派の仕業にしてニュースに流すと言う卑劣な行動を取ったばかりか、密かに作っていたメメントモリ2号機で低軌道ステーションを砲撃し、人質共々クーデター派(及び前々から邪魔だったセルゲイ)を殲滅しようとした。それに対してダブルオーライザーがライザーソードでレーザー砲発射寸前のメメントモリを攻撃するも、レーザーは照準が逸れて低軌道ステーション外壁に直撃、人質の乗ったリニアトレインも破壊されてしまい、外装部がオートパージされ、成層圏より上の破片は断熱圧縮による空気加熱で燃え尽きるのだが、それよりも下の部分は地上の人口密集地へ落下する危険性が出てしまい物凄い数の死人が出る大惨事は確定となってしまう。
これに対してCBの指揮官であるスメラギ・李・ノリエガは、地上で交戦中だった敵味方関係ない全部隊に対して(自分の顔を曝け出し素性を知られるリスクを度外視してまで)通信で破片破壊を要請する。
この要請に対し、地上にいたCB部隊のみならず、連邦軍とクーデター派、アロウズ、カタロンが「市民を救う」べく皮肉にも団結、一丸となって破片の破壊へ乗り出したのだった。
だが何とか都市部の被害は抑えられたものの、人質も全員死亡した上に多くのモビルスーツが落ちてきた破片の餌食になっており、更に破片を全部破壊した直後に惨事を引き起こしたのはクーデター派だと誤解したアンドレイ・スミルノフがハーキュリーを撃破したばかりか、事実関係をはっきりさせないまま私情を暴走させ父セルゲイを殺害してしまう(ハーキュリー撃墜によりアンドレイは皮肉にも中尉に昇進した)。
当然ながら軌道エレベーターが破壊された為に太陽光発電の送電が一時的にストップし多少の混乱が発生、その4か月後に加盟国の支援でアフリカタワーは復興した。そしてこのブレイク・ピラー事件は全て反連邦テロ組織の仕業で破片を潰したのは連邦軍とアロウズのみの活躍として情報操作され、しかもこの事件を口実に地球連邦軍の指揮権がアロウズに握られてしまい、連邦の支配体制や反乱分子への弾圧が強化されていってしまう(尚、この直後にCBはメメントモリ2号機を破壊した)。
だがそれでもこの事件を機に軍人でありながら守るべき市民を見殺しにした卑劣なアロウズから離反する派閥もおり、彼らは連邦にバレない様に徹底的に行方を眩ましながらカタロンと密かに結託、アロウズとCBの全面対決・最終決戦にてCBに加勢する形でアロウズに牙を剥いたのであった。
関連タグ
ラ・イデンラ:ファーストシーズンに登場したテロ集団。ソレスタルビーイングに喧嘩を売る為に無差別爆弾テロを仕掛け、結果的に各国とソレスタルビーイングの利害が一致する結果になると言う今回のケースと似たような事になった。
フォン・スパーク:外伝作品の主人公で、ある目的のために大掛かりなテロ行為を働いた(ちなみにこの事件を口実にアロウズが組織された)。
ガンダムブレイカー2:当事件と同じような事態が起きた。