概要
1997年2月28日にバンダイビジュアルより発売されたプレイステーション用3Dシューティングゲーム『マクロスデジタルミッションVF-X』の続編となる作品。
ゲームの製作は有限会社UNiTが行い、ムービーはGONZOが製作。
キャラクター・メカデザイン担当やディレクターには河森正治、板野一郎、美樹本晴彦等の『マクロス』シリーズではお馴染みの顔ぶれも揃っている。
作中における時代設定はAD2050年。
シリーズの歴史の時系列においては、『マクロス7』と『マクロスF』の中間に当たる。
アニメを原作とするゲームではあるが、時系列上がどの作品とも違う独自の『マクロス』シリーズのひとつであり、シリーズ他作品のキャラクターは本編に出てこないものの、ストーリーもキャラクターも設定も既存作に見劣りしないしっかりした作り込みがされている。
また、知名度こそ他のマクロス作品に譲るものの、そうした面からきちんとシリーズ正史の中に組み込まれており、後の『マクロスフロンティア』においても設定を多々拾われている。
同作の劇中に登場したケーニッヒ・モンスターやフォールドクォーツも、初出はこのゲームである(後者はまだフォールドクォーツと名付けられる前だったが)。
余談になるが、本作が発売された1999年には東京スナック食品のポップコーンの懸賞品として特別バージョンの『VF-X2』が抽選で1000名に配布されており、このバージョンには市販バージョンにはないミッションが追加されていたり、VF-5000スターミラージュが使用可能となっている。
海外でもこのバージョンを基にしたソフトが発売される予定であったが、諸般の事情によりお蔵入りとなってしまった。
ゲームスシステム
ファイター・ガウォーク・バトロイドに3段変形が可能な可変戦闘機・バルキリーを操作し、数々のミッションをクリアしていく点は前作と同様だが、自機と敵機を常に画面上に収めたバリアブルビューを導入(一般的な3Dシューティングで使用されているFOWARD視点にも変更可能)。
敵機やミサイルの位置を示すレーダーは自機の周囲にリング状に表示されている。
使用可能な機種もOVA『マクロス ダイナマイト7』に登場したVA-3やデストロイド・モンスターを変形可能な機体に再設計したケーニッヒ・モンスター等が新たに追加された。
また、プレイヤーの戦績によってインターミッションでオペレーターとのデートが発生したり、ゲーム後半でとった行動によりその後の展開やエンディングが変化するようになっている。
ストーリー
AD2050年、地球人類は広く銀河系内に移民を続け、安定期を迎えようとしていた。
が、それに伴いテロや反乱、シンジケート犯罪もまた、新たに生まれ続けていた。
事態を重く見た統合政府は、各星系基地からエリートパイロットを集めた特務部隊を結成し、その対処に当たらせることとした。
その名を――――『VF-Xレイヴンズ』
登場人物
第727独立戦隊VF-Xレイヴンズ
エイジス・フォッカー (CV:松本保典)
ギリアム・アングレート (CV:石塚運昇)
スージー・ニュートレット (cv:林原めぐみ)
ウィルバー・ガーランド (CV:石井康嗣)
ブリジット・スパーク (CV:渕崎ゆり子)
ビンディランス
マリアフォキナ・バンローズ (CV:紗ゆり)
ブラックレインボー
ティモシー・ダルダントン※2 (CV:龍田直樹)
クリティカルパス・コーポレーション
マンフレート・ブランド (CV:森川智之)
※1「冬麻瞬」の表記も有り
※2 名前のモチーフはイギリス人男優のティモシー・ダルトン
使用可能な機種
※東京スナック食品限定版のみ使用可能
関連タグ
マクロスF・・・・本作から約9年後の話。TV版や劇場版では特に言及されていないが、小説版にて本作主人公のエイジスが登場しとある人物の元上司であることが判明したり、外伝小説となる「マクロス・ザ・ライド」にてラストミッション後の顛末が語られている。ちなみに設定や小説版の記述からビンディランスルートを正史として歩んでいると思われる。
マクロスΔ・・・・「F」の次回作。小説版にて本作の戦いが第二次統合戦争として語られている。既に統合政府へ反感を持っていたウィンダミア王国がビンディランスへ義勇兵を派遣し、グラミア6世が英雄と讃えられたとされており、後に彼の教官となる人物も統合軍側で参戦している。