概要
大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL・灯火の星の初報ムービーにおけるマルスの台詞から発生した理論。
別表記にマルス算がある。こちらはFEHのシグルド算にかけた呼称である。
「きょうこそ決着をつけてやる!!」と空に舞う大量のマスターハンドと対峙するスマブラファイターたち。それを見つめる中、マルスが真っ先に口を開いた。
「ひとりで 10体ぐらい倒せれば いけるか?」
解説
マスターハンドといえばスマブラシリーズにおける定番のラスボス存在である。それを10体倒せという、わりと過酷なノルマは視聴者に「無茶言うな」「お前は何を言ってるんだ」「脳筋」なとどいう第一印象を植え付けた。
動画中でも比較的印象に残りやすいタイミングの台詞だったことや、イケメンがいい声で何を言ってるんだというギャップもインパクトの一因であろう。
しかしながら、ファイターはDLCなしでも総勢74人。10体をノルマにすれば740体は倒せる計算である事、あるいはこの絶望的な状況を攻略するという視点で見れば意外と現実的ではないかという意見もある。
(740体という計算結果はポケモントレーナーやアイスクライマー、ボーイとガール2人が画面に映っているインクリングのカウントの仕方によってはある程度変動する。増える可能性を思えば原作基準の戦闘力に乏しいしずえさんなどがノルマを達成できない事を考慮してもある程度の戦力はある事になる)
そもそも彼の出身作である本家「ファイアーエムブレム」の作風自体、自軍よりも多い敵に少数精鋭で立ち向かう構造であることを踏まえれば、ひとりで10体倒そうという考え方も彼にとってみればそこまで不自然なものではない事が分かる。特定ユニットが無双するプレイスタイルに心当たりのあるプレイヤーもいるのではないだろうか。
絶望的な数の敵を前にしても、冷静に敵の戦力を分析できており、それでいてなおかつ「もう駄目だ」ではなく「こうやれば倒せる」というポジティブな発想でいられるのは流石FE主人公・ロードの肩書きを背負ってきた者といった所だろう。加えて最近は百人組み手に続き元シリーズでも無双してきたばかりであり、こうした状況を彼は明確に上り詰めてきたということだ。
実際ゼルダやピットが彼の言葉に反論や違和感もなく同調しているところを見ると、一般人の感覚では理解しがたいだけで歴戦の英雄的には納得のいく言葉なのだろう。加えて「どうぶつの森」などの非戦闘ゲームの出身者も少なくない中、二人とも戦闘のあるゲームの主役級を人選しているのも特徴的である。
またこの台詞自体、単純に敵の総数や状況の過酷さのイメージを視聴者に植え付けるという意味でストーリー上必要な台詞だというのも事実。人語を喋りかつバックボーンからして発言に違和感のないキャラクターとして彼が担当しているのかもしれない。
同ムービーは各キャラクターの「らしさ」が詰め込まれた芸の細かい小ネタも多数登場している。この台詞もまた一言ではありながらマルスのキャラクター性やFEのゲーム性、彼の軌跡を表現しているのかもしれない。
なお桜井氏はこの台詞についてインタビュー記事(外部リンク)で「マルスは軍隊の指揮官だから、戦力の見積もりを取っているわけです。(中略)ムリがあってもやるしかないんだ、ということを話しているんですね。」と語っている。
余談
転じて1人で多くのタスクをこなす無茶な理論を表す際に利用される事がある。
このようにこの台詞を応用して「一日で原稿10ページやればいけるか?」などの理論が出現しているが、実際のスケジューリングへの利用は注意されたし(尚、本当に8時間でその週の原稿を一から書きなおし入稿を間に合わせた方も存在する)。
マルスより以前に同様の見積もり癖があった人物として『新機動戦記ガンダムW』のトロワ・バートンが有名。南極基地を強襲してきたエアリーズ約90機に対して1人30機、ブリュッセル大統領区を防衛するサーペント約250機に対して1人50機というノルマを提案しており、特に後者はマルス理論同様の無茶振りからネタにされている。
同作はマルスを演じる緑川光氏の代表作であることから連想した人も多かった他、実はトロワ役の中原茂氏もかつてGファンタジーで連載されていた『暗黒竜と光の剣』のコミカライズを原作とするドラマCDにてマルスを演じていた過去があるため、マルス理論をマニアックな中の人ネタと解釈する人も少なくない。
注意事項
ネタ系全般にいえることでもあるが、ファンの中には苦手or不快に思う人もいるので、過剰な取り扱いには注意しよう。 話題にする場合は節度を持っての利用を心がけたい。
関連動画
※該当の台詞は0分26秒ごろ
関連タグ
スマブラ 大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL 灯火の星
以下「灯火の星」のネタバレが含まれます
実はあの大量のマスターハンドはキーラが生み出した複製、つまり偽物であり、本物のマスターハンドはすでにキーラによって囚われの身となっていた。
もしかするとファイター達は、既に彼らが偽物である事を即座に見抜いていたのかもしれない。
だからマルスはあんな無茶にも程があるようなセリフを言い放ったのか。
因みに本物のマスターハンドは、単身でもコピーファイター軍団の2勢力をまとめて壊滅状態まで追い込む程の無双力を持つため、間違っても複製よりは遥かに強い。
なので、マルスの戦力の見積もりは割と正しく、理論的にひとりで10体倒すことは(あの大量の偽マスターハンドがどれぐらい強いかによっては)不可能ではなかったことになる。
ちなみにマルスは「灯火の星」モードにおいて最序盤から使えるキャラクターの1体でもある。そのため一周目からほとんどひとりで灯火の星をクリアすることもできたりもする。もちろん「はじめから+」モードでは通しでプレイできる。クレイジーハンドを含めれば実際に10体弱倒すことにもなるので、我こそはと思う人は是非挑戦してみよう。
ある英雄が導き出した一つの答え
それは2020年12月のこと。
打ち倒すべき敵に吹き飛ばされ、膝をつく歴戦のファイターたち。彼らが見つめる先には、無数のマスターハンドとキーラの姿があった。
Q.大量のマスターハンドを倒すには一人あたり何体倒す必要がある?
歴戦の英雄王の打ち出した理論に同意したハイラルの姫君や天使も、ボロボロになるまで追い詰められていた。そんな中、キーラは灯火の星OP同様、ファイターたちを倒すべくエネルギーを集め始めた。
まさに絶望的な状況。そして、光を放とうとしたその瞬間、キーラに一筋の閃光が走った。
A.操っていたキーラをたった一撃で真っ二つにすることで、全てのマスターハンドを消滅させる。
かつて人々に英雄と称された男は、シンプルかつ恐ろしい方法で解答を導き出した。
多くのファイターたちが唖然とする中、唯一その存在を知るクラウドは、宙に浮かぶ彼の名を口にする。
「セフィロス…!」
まさかの斜め上かつ衝撃の事態を、片翼の天使は体現したのである。ひとりで10体とは何だったのか…。
なお、キーラを両断した後に多くのファイターを相手取り大暴れしたその様は、まさに絶望と呼ぶに相応しいものであった。
ちなみに、「セフィロスのつかいかた」では桜井氏がマスターハンド&クレイジーハンドに対して「一人で十体くらい倒せばいけるかな?」と発言している。