CV:沢木郁也
概要
雨隠れの里の長を務めていた人物。「山椒魚の半蔵」の二つ名を持つ忍。
頭部には常に水中用のシュノーケリングマスクを装備している。これは幼少期に、自身の左脇腹に猛毒の黒山椒魚の毒袋が埋め込まれ、呼吸するだけで周囲の人間に毒を掛けてしまう性質のためである。脇腹に入った毒袋を破られると、命を落とすことはないものの、毒液から気化したガスで動けなくなり、隙が生じてしまう弱点がある。
人物
凄腕の忍であり、若き日の自来也、綱手、大蛇丸と戦い余力を残して追い詰めるほどの実力者であった。ちなみに木ノ葉の三忍というのは半蔵が名づけたもの。
かつては「和」を目指し、忍五大国をまとめることで、忍の世界を一つにし、平穏に導こうとしていた。また、鉄の国の総大将・ミフネとも若かりし頃に相まみえた事があり、身を挺して仲間を守る彼の信念を認め、解毒剤を渡して命を救った事もあるなど、独特の仁義を持った男であった。
また、砂隠れのチヨバアとも幾度にも渡って対決したことがあった。
そのことからかつては弥彦や長門からも尊敬される人物だったが、戦いに戦いを続けていく間に心をすり減らし、「和」の信念が無駄だと考えるようになり自己保身に走るようになってしまった。警戒心も強くなり、晩年は居城で護衛の忍に加えて自らの周囲を結界で守る等閉じこもっていた。
そして弥彦をリーダーとする平和を訴える組織・暁が勢力を拡大していくことに危機感を覚え、三大国への平和交渉のために手を組むと偽り、弥彦と長門を誘き出して配下の忍で包囲し、小南を人質に取ることで長門にリーダーである弥彦を殺害するよう命令した。弥彦は長門が構えたクナイに自ら飛び込んで自決。弥彦の死という悲しみから輪廻眼の力を完全に覚醒させた長門が「口寄せ・外道魔像」で周囲を囲んでいた半蔵配下の忍を皆殺しにした為、逃亡。その後、長門が弥彦の亡骸で作り出したペインに殺害され、彼の一族・依頼人も根刮ぎ消されることとなった。
第四次忍界大戦が勃発すると薬師カブトの穢土転生によって復活し、忍連合軍と戦うことになったが、その際に侍頭領となったミフネと激突。ミフネの剣術のまえに心身ともに打ちのめされ、かつての信念をミフネの中に見いだした。最期はカブトの呪縛に抵抗するため、腹中の毒袋を突き刺して自らの動きを封じ、「布縛りの術」で封印された。
アニナルでのオリジナルエピソードで長門達の過去が語られた際に弥彦達を騙し討ちした裏側が語られており、当初は彼らの理想に共感していたが、雨隠れを騙って暁を襲撃する、半蔵の部下を暗殺した上でその罪を暁に擦り付ける等の志村ダンゾウの暗躍があった事が判明した。
また、長門達によって自身含めて一族皆殺しになった後も対外的には存在していると思わせるかのように、小南が変化の術で半蔵になり変わっていた事もある事が、アニナルにて描かれている。
余談
名前の元ネタは勿論服部半蔵から。
また、イブセの名は小説『山椒魚』の作者である井伏鱒二から取られたのであろう。
なお、アニナルでは彼の元右腕である忍・カンダチが登場しているが、長門による政権崩壊後、雨隠れを離れた後に彼が劇中で行っていた行為は野盗そのものの悪行であり、カンダチ自身も狡猾な性格であった。平穏を求めていた頃の半蔵が彼のような邪悪な男をその本心に気付きつつも側近に置くことは信じ難いため、恐らく、
『半蔵の変節以前は本性を隠していた』
『半蔵と同じ志を抱いていた古参の側近たちが彼の変節に失望して離れていった隙に乗じ、半蔵が理想を取り戻すことを信じて従い続けた残りの側近たちを卑劣な手段で蹴落とし、最終的に右腕の座に収まった』
『かつては彼も半蔵と同じ志を抱いていたが、半蔵の変節にショックを受け自暴自棄となり、人格が歪んでしまった』
のいずれかと思われる。