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最狂超プロレスファン烈伝

さいきょうちょうぷろれすふぁんれつでん

徳光康之氏・著。ぶっとんだ「プロレスファン」を描写しているマンガ。今でも隠れたファンは存在する。
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内容編集


タイトルはプロレススーパースター列伝のパロディ。


初の連載であった「いきなりバックドロップ犬」でプロレスファンから「プロレスを馬鹿にしている」

と批判された作者の次の連載がこの作品だった。


出てくるキャラクターはいろんなプロレスラーのファンで、名前もそれを連想できる名前(例えば主人公鬼藪宙道(きやぶちゅうどう)は前田日明ファン。名前が前田日明の決め技)になっている。よく喧嘩はするが、共通しているのは「プロレスを侮辱する者は許さん!!」と言うこと。


部室にはプロレス悪口感知レーダーが存在していて「悪口を言った者」は許さない(笑)

原理は不明だが西等里曰く「出来るんだから仕方がない」との事。

これらを初め、プロレス愛の深さ故に非常識なまでの行動力と超人的なパワーを発揮する。

特に後述の大河は超能力者になってしまうレベル。


プロレスファン故の超人的行動の例編集

アックスポンバーの体勢で窓を突き破り3階から飛び降りる

人工衛星を落とすために自動車を持ち上げる

ストⅡで存在していないはずの技を出す(しかも1発で体力のすべてを奪う)

・西等里の新技悪臭ボンバーと力道山の空手チョップは平行世界にワープさせる

戦車の砲塔を腕ひしぎ十字固めの要領でへし折る

ラリアットで戦車の主砲を弾き返す

・パイプ椅子で銃撃を受け止める


しかしこれらぶっ壊れたプロレスファンの行動も全てプロレスへのに基づいており、プロレスは八百長などと言う奴に対しては関節技有刺鉄線をお見舞いし、『そのさける肉をッ流れる血をッ八百長とは言わせんのじゃッ』『ジャイアント馬場が高齢なのにプロレスやってる、おかしい、八百長だ ではなく あの高齢でプロレスやってるスゴイ と何故素直に感動できないのだ』等の血の通った叫びが描かれている。


コアなプロレスネタの連発で「月刊少年マガジン」では人気を得ることがかなわず、打ち切りのような形で終了。


後にまんだらけより復刻し、続編的4巻も発売されたがそれに描かれた作者の独白は読む者を驚かせた。


さらに2015年8月にKindleにて電子書籍が発売されている。

そして、ぶんか社のEXMAXに掲載された『プロレスのコトバ』とプロレス系の読み切り漫画を収録、加筆修正を加えた続編4.5巻も発売された。


登場人物編集


鬼藪 宙道(きやぶ ちゅうどう) 主人公。前田日明ファン。名前の由来は前田の得意技のキャプチュード。

九州、佐賀出身で東京でプロレスを見たいが為に都内の大学に進学した熱いプロレスファン。九州ではリング設営のバイトをしておりそこでのレスラーとの思い出話をする事が多い。

『竹刀ごっつあんです!』

奥飛 堀三(おくとばす ほるぞう)アントニオ猪木ファン。名前の由来は卍固めの別名のオクトパスホールド。猪木のマスクをかぶっている。 十六紋と並ぶプロレス研のリーダー格でもある。2020年代を舞台にしたkindle版では彼そっくりの「ストロングスタイルの亡霊」が登場する。

『ウッシャアオレが起こす! しかも3秒で!』

西等里 熱人(にしらり あつと) スタン・ハンセン及び外人レスラーファン。名前の由来はウエスタン・ラリアート。

作者、徳光康之氏の分身でもある。

『天誅!!』

十六紋 菊(じゅうろくもん きく)ジャイアント馬場ファン。名前の由来は16文キック。書き下ろし4巻ではジャイアント馬場氏の死に於いて「プロレスファンはどうしたら良い」と問うシーンは涙もの。馬場と同じく葉巻好き。

『有名なレスラーが負けないのではない、負けないから有名レスラーになったのだ!』

犬土 茶々(けんど ちゃちゃ)マサみちのく(現・ザ・グレート・サスケみちのくプロレスファン、名前の由来はケンドー・ナガサキへの「ケンドー・チャチャ!」というチャント。贔屓団体の分裂の多さと貧乏さを何かと憂いている。

『クレーロス!(馬鹿野郎)』

獏葉 出素待(ばくは ですまち) 大仁田厚及びFMW(当時)ファン。名前の由来は爆破デスマッチ。

その名の通り何かと電流爆破の仕掛けや地雷を設置しては爆発させる。大仁田の涙のカリスマのあだ名にちなんでか常に涙している。

『派手な事ならFMWにまかせるんじゃぁぁっ!』

浪倫側人(ろうりん そばと)Uインター派、高田延彦ファン。名前の由来はローリングソバット。

高田の行動が行動だけあって、バービックごっこを初め色々いじられる事が多いが一億円トーナメントの時は逆にからかう側に回り他の部員をイラつかせた。

『またバービックごっこか!』

上山 決太(かみさん けった) 北尾光司ファン。この名前は力士廃業時のエピソードが元ネタと思われかなり不穏。(部屋のおかみさんに蹴りを入れたという噂が元)

ドラム缶ごと背負っている雨滝の水を浴びている時は謙虚。そうでないと暴言ばかり吐く。

『すみません』 『ギャハハ見たか今日の北尾の強さ!』

戸無 真義(とむ まぎ) 長州力ファン。しかし作中でも「長州力のファンでその名前か」とつっこまれる程不味い名前。(長州唯一の異種格闘技戦の相手でしかも凡戦だった為)長州の得意技サソリ固めにちなんでかサソリを口に咥えている。

『あーオマエ、今そーゆーのも見てみたいと思っただろ!』

大河 修斗 (たいが しゅうと) 佐山聡ファン。名前の由来はタイガーマスクと修斗と思われる。初めは普通にタイガーマスクのファンだった。佐山への思いは超常現象を起こすほど。

リングで試合をする佐山の幻影を見たりタイガーの胸像に話しかけたりと危ない人間だが意外とリア充な一面もある。

『佐山にあやまれ』

脇形 恵(わきがた めぐみ)  藤原喜明ファン。名前の由来は脇固め。

敬愛する藤原同様に渋い言動が多いのが特徴。関節も得意でよく他人に対して技をかけることが多い。大河とは小学校からの幼馴染。

『プロレスの神カール・ゴッチ様われに力を!』

大瓶愚 得暴(だいびんぐ えるぼう)   三沢光晴ファン。名前の由来はダイビングエルボー。鼻マスクが特徴。『ハッキリいって〇〇』が口癖。三沢が二代目タイガーだった過去をいじられるので大河の事は苦手。

『ハッキリいってそうです』

破輪 募治(ぱわ ぼむ)  天龍源一郎ファン。名前の由来はパワーボム。

このメンバーには珍しく地味な外見だが、やってる事は他の部員同等に最狂。kindleでの連載では天龍引退戦を観戦した数十年後の自分と対面する事になる。

『やめろぉ! これ以上天龍のイメージをおとすなっ!』

目金 巣巴(めがね すぱ)  SWSの田中社長ファン。名前の由来は田中社長の経営するメガネスーパーから。金を配りSWSのファンを増やそうとするなど金権プロレスとバッシングされた当時のSWSの風評が反映されている。

『お金あげるからSWSのファンになりましょう』

怒古田 剛(どこだ つよし) 剛竜馬ファン。名前の由来は「どこだ剛」

表舞台から消えていた剛竜馬とパイオニア戦志のファンで当時を懐かしみ常に泣いている。連載中に剛がオリエンタルプロレスを立ち上げた時は歓喜していた。晩年の剛の末路を考えると切なく見える。

『いいなあ みんな自分の好きな団体の話題で盛り上がって』


余談編集


第一話作中で主人公の鬼藪が「全日本プロレス中継」内のコーナー、福沢朗氏の「プロレスニュース」を「何がジャストミートだ、ファウルチップみたいな顔のくせに」などと批判すると、番組内でマンガを紹介。「徳光康之さんはプロレスニュースが嫌いなんでしょうか。もし見ていらっしゃいましたら来月号でよろしくお願いします」と、メッセージ。


次号で自分のマンガを読まれた嬉しさに何度も繰り返し見たために(マンガでは98回と発言)ビデオテープがちぎれてしまい益々プロレスニュースが嫌いになったそうです。



その映像



また、格闘技を題材にした作品に定評がある漫画家の馬場康誌氏はTwitter上で『お会いした事はないけど徳光先生は心の師です』『ストⅡV列伝もリザードキングもあの衝撃が無ければ生まれてなかったかも』とコメントしており、またプロレスファンを題材にした漫画を連載しているさかなけんじ氏はこの本を『心のバイブル』と絶賛している。

4.5巻では『修羅の門』の原作者川原正敏氏が「自分に(待っている)読者なんて」と言う徳光氏に対して「ここにも一人待ってますよ」と返すと言うエピソードがある。

そして、漫画『プロレスのコトバ』は実はジャンボ鶴田ファンにして最狂超プロレスファン烈伝の熱烈な読者であった編集者が『徳光さんをプロレスファンに引き戻す』為に持ってきた仕事であったと言う。


この事からも本作品が格闘技ファン・プロレスファンに根強い人気がある事がわかるだろう。


関連タグ編集

徳光康之

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