演:関口正晴
「僕にだって…僕にだって…勇気があるんだ!」
概要
超宇宙防衛機構Mydoの見習い隊員にして、Z95星雲・ピカリの国からやって来たウルトラマンゼアスの地球上での仮の姿である25歳の青年(ちなみに人間態なのか、地球人・朝日勝人と一体化しているのかは不明。描写から恐らく前者の可能性が高い)。
電動歯ブラシ型変身アイテム「ピカリブラッシャー(続編ではカラーが変わった"2")」を用いて歯を磨き、綺麗になったところで「ゼアッ!(デヤッ!の場合もある)」の掛け声で天に向けて掲げるとゼアスに変身できる。
同僚の星見透隊員に想いを寄せており、彼女が吹くフルートの奏でについて「自然に勇気が湧いてきて、力がみなぎるんだよね」と語っている。
優しい性格で子供達から「勝人お兄ちゃん」と呼ばれ慕われているが、かなり気弱な上に極度の潔癖症なのが弱点である。
映画『ゼアス』
気弱で潔癖症であることから、大河内隊長を始めとした同僚達によく叱られている。さらにMydoの仮の姿である出光興産のガソリンスタンドに偵察に来た悪神亜久馬ことベンゼン星人から、様々な嫌がらせを施されて精神的に追い詰められるなど苦難に見舞われる。
そんな様子を見ていた、勝人が恋心を寄せる年下の星見透隊員からは
「キレイ好きはとてもいい事だけど、度が過ぎるのは良くないと思います。勝人さんがみんなから馬鹿にされているのを見たくありません」と言われ、「でも俺、汚れてるとダメなんだ…」と返すと
「そんなの気のせいです、そんなの自分に負けてるだけです。私、ちょっとの汚れぐらい平気な男の人が好きです!」
と告げられる。
非番の時はゼアスに変身して人気のない谷合でスペシュッシュラ光線の練習をしたり、本部で鏡を見ながら光線のポーズの練習をしている。スペシュッシュラ光線のポーズがスペシウム光線と左右逆なのは、ウルトラマンに憧れて鏡を見てポーズを取る練習をしたためである。
ちなみにポーズの練習中に何らかの特殊能力が発動したのか、そばにあった自販機からいきなりポカリスエットが一缶出てきたため、今度は自販機に向かってポーズを繰り返しているうちにポカリが山積みになり、途中でハッとして「何やってんだろう、俺…」とボヤいていた。
悪神にゼアスであることがバレてしまい、自身(ゼアス)を誘き出すために透と子供達がベンゼン星人に拉致され人質にされた際には、いくら歯を磨いても変身できず「汚れが落ちてないからだ」と思い込む。
しかし透の言葉を思い出し、汚れを気にするよりも透への想いから首を超高速で傾げて歯磨きをしたところ変身に成功する。
ベンゼン星人とコッテンポッペ(ゴルドルボムルス)との戦いでは、罠と知りつつもベンゼン星人が張ったタールの沼に勇気を振り絞って入り込むなど奮闘しており、ただのヘタレではないことを証明した。
敵を撃破した事で自信がついたのか潔癖症も克服し、車の整備中に飛び散ったオイルが顔に付いても平気な様子であった。
映画『ゼアス2 超人大戦・光と影』
念願の正式隊員へと昇格している。
休暇を取って南極パトロールをしていた最中、突如として襲いかかって来たウルトラマンシャドーに為す術もなく敗北。左目に傷を負い、その時の恐怖心から自信を失ってしまう。
ある日、透の弟の勇気をいじめる影美道場生達を目撃し注意するが、逆にシャドーのメリケンパンチのポーズで脅かされ返り討ちにされた上に、Mydoに偵察と挑発にやってきたレディベンゼン星人の人間体・悪神影美からも透の目の前で同様に脅かされて怯えてしまう。さらに間が悪く大河内と小中井の昇格による異動も重なり、「戦いが怖くなった」と言い薩摩新隊長の説得も聞かずに辞表を提出してしまう。
透は「何もMydoを辞めるほどのことではない、怖いのは私だって同じです。恐怖と戦うって、自分と戦うことだと思うんです」と励ましてくれるが、「僕の悩みはわからないよ、透ちゃんには!」と言い立ち去ってしまう。
夕暮れの丘に一人、母星の父に向け悩みを打ち明けると「心を鍛えよ」というメッセージと共に目の傷を癒してもらい、さらにカプセル怪獣のミラクロンが贈られた。
その後勇気から、通っている空手道場・正道会館の先生(演:角田師範)に「心の力が大切だと教わった」と聞き、その場に現れた透が吹いたフルートを聴いて思い立ったのか会館を訪れる。
そこで見た師範代のかかと落としに可能性を感じ技を教わりたいと志願し、彼のトラウマを見抜いた師範から特訓を命じられる(詳細は「ウルトラかかと落とし」の項を参照)。
シャドーが出現し挑発してもゼアスが現れず、ゼアスは死んでしまったのかと問う勇気に「生きてるさ…生きてるけど…怖いんだよ、きっと」と心情を吐露する。それを聞いた勇気は「ゼアスのバカヤロー!!ゼアスの卑怯者ー!!」と叫ぶ。
さらに姉の透を含めた多数の人々が影美道場に連れ去られてしまい、レディベンゼン星人からも挑発されたことで憤りが頂点に達した勇気に「ゼアスなんか、本当のダメヒーローだ!」となじられてしまう。
悔しさをバネに必死に特訓を続けた勝人に、捕らわれたはずの透から応援が届く…。
「勝人さん、地球を守って。あなたは…あなたは…」
「僕は…僕は…!!」
「ウルトラマンゼアス!!!」
ついに特訓に成功した勝人は完全に自信を取り戻し、初めは驚き倒れ込んでしまった師範からの顔面正拳突き寸止めにも微動だにしなくなっていた。
勇気からスカイシャークが出動したことを知らされた勝人はゼアスに変身、シャドーアイランド(シャドーシティ)へ急行しMydo隊員達のピンチを救う。
そして南極での戦いでは全く敵わなかったシャドーに対して、圧倒的な強さを見せほぼ完封勝ちを収めた。
決戦後にはMydoに復帰。透に感謝の気持ちを伝え、その後も正道会館で鍛え続けていた。
これらの経緯を得て、勝人=ゼアスは一人前のウルトラ戦士へと成長したのだった。
その他
(おそらく)一作目と二作目の間に当たるストーリーを描いたPS専用ソフト『ウルトラマンゼアス』では、パトロール中に大怪我を負った事が原因で変身能力を失っており、そこで自身の力の一部をMydoの新人隊員たちに分け与えて自身の後継者にしようとしているのだが、果たしてそんな事でいいんだろうか?(少なくとも怪我をして変身能力を失った先輩はいるにはいるので、その事については仕方ないのかもしれないが……)。
余談
演者の関口氏は当時大河内隊長と小中井副隊長を演じたとんねるずのマネージャーを務めていた。そのため第一作のテロップでは「関口正晴(新人)」と表記されていた。
関連項目
歴代ウルトラマンの主人公系譜