概要
本編の主人公であるロボタックが拠点及び住居としている『シャードック探偵社』の社長をしている探偵で、ロボタックのパートナーであるもう一人の主人公的存在の少年雪柳カケルの母方の叔父(つまりカケルの母の弟に当たる)でもある。
更に海外に住むカケルの両親から甥の世話を頼まれているため、一応は『カケルの保護者』的立ち位置にある。
だが実際は……
大人でありながら生活面ではだらしなく、逆に甥のカケルの方がしっかり者となっており、それ以外にも
- 第一話1分過ぎから「昨日から何も食べてない」ということで小学生のカケルから2000円を借りないと昼食にありつけない程に金がない
- 電話で出前を注文する際に『営業時間外』ということで断られると、「持ってこないとツケ払ってやらねぇぞ!」と逆ギレする
- OP後に(お店側が)無理をして届けた『注文した品(天丼、カツ丼、きつねそばが一人前ずつ)を探偵社に入って来て空腹で倒れたロボタックに全て平らげられた』という食い物の恨みがあったとはいえ、ロボタックを有無を言わさず住み込みで働かせて『シンデレラ』にでてくる意地悪い継母や義姉達のようなノリでこきつかう
- 先輩の唐松刑事から受けた『紛失した警察手帳の捜索(報酬5万円)』を得意気になって引き受けておきながらロボタックにも捜索させる。(更には自分がロボタックに命令した探偵社の掃除も「掃除したぐらいじゃエビの尻尾分の働きにもならん」と言う始末)
- ロボタック(とカケル)の活躍で探していた警察手帳を発見して5万円の収入が確定しても「うちは時給1円だから(5時間で)5円分の働きしかしてない……あとの1995円分の働きは……住み込みで働いてもらう」というとんでもない情報を後出しで言う。
- だが、後の9話でロボタックが依頼のカメ探し(名前は亀太郎)の途中にに自分と依頼人である少女ユキ(演:斉藤里奈)で二人分のアイスを食べるシーンがあることから、『お小遣い』という別の形でお金を渡している可能性もある。
- 本編が進んで2回目のワンダーボックスで『ハナメガネ』(取扱説明書も付属しており、これを掛けると推理力が通常の10倍になる。)をロボタックが手に入れて、夢が丘小学校校長の肖像画を見つける活躍をし、それが解決した後にハナメガネを薫が掛けるがデザインとサイズが合ってない事からロボタック達に笑われたことで癇癪を起して踏みつけて壊してしまう
- 当然ロボタックは「せっかく手に入れたのに……」と悲しむが薫は謝罪するわけでもなく「俺の推理力は……人の100倍だ」という開き直りをするクズっぷりを見せた。
- カケルの友人及び『夢が丘少年探偵団(YST)』の一員である橘ミサキが50年前の初恋の人をしている椿隆一郎老人(演:森塚敏)に「すごい名探偵を知ってるんです」ということで薫が紹介されるのだが、(あくびをして)「手がかりがたったこれだけじゃなぁ~」と手掛かりの手帳(の写真)を机に放るが、老人の「お礼ならいくらでも出すつもりだが」という言葉で掌を返して丁重に扱うが、「今夜9時の飛行機でニューヨークに帰らないといけないんだ」ということで(探偵社から空港まで2時間、搭乗手続きで1時間)計算上は午後6時までの3時間で人探しを達成しないといけないと分かると、「ムリムリムリ、後はお前らに任せる。パチンコ行ってくる」と仕事を丸投げする。
- 当然カケル達からは止められカケルからも「そりゃないよ」と抗議されるが、「三時間でどうやって探すって言うんだよ!(依頼人のいる前で)ったく変な仕事もってきやがって」と悪態をついて出て行く。
- その後はこれまたロボタックと夢が丘少年探偵団(YST)の奔走で隆一郎は初恋の人である葵と再会することができ、お礼の品として隆一郎が首から掛けているレトロな古いカメラを貰うのだが、後日ロボタックと夢が丘少年探偵団(YST)が『先日の隆一郎と葵が感動の再会をしても、どちらも想いをつげる訳でもなくその場限りになってしまったこと』に感傷に浸っていると薫は「せっかく探してやったというのに、な~んで金を貰わず、こんなオンボロカメラ貰ってくるんだよ! こんなの一銭にもならんだろうが!」と手に持った件のカメラを床に叩きつけて壊してしまう
- その直後点けていたテレビから『隆一郎が世界的に有名な写真家で、カメラは世界に1台しかない5000万円する一点もの』だということが分かると、ようやく自分のしでかしたことを自覚して後悔する
といった感じに保護者としても探偵としても……それどころか人間としても最低な面を作中で多々見せている。
しかしその一方で……
前述の通り大人としても探偵としても人としてもマイナスな面が目立つが、良心や叔父としてのカケルを想う気持ちはそれなりにあるようで、10話でのシュビドゥバッジ争奪戦の台車を使ったペアレースでダークロー&カバドスペアの卑怯なやり口や、それでカケルやミサキが怪我をした際には
「さっきから黙って見てりゃいい気になりやがって! 俺の可愛い甥っ子達になんてことしやがんだ!!」
と激怒してダークロー&カバドスペアに物申し、カケルのピンチヒッターを名乗り出た。また、戦闘能力もそこそこあるようでマサカリホーク(斧)で攻撃してきたカバドスを背負っていた金属バットで打ち返して返り討ちにするという攻防一体の見事な活躍を見せた。
そして、同話でカケルの両親からカケル宛に送られた誕生日プレゼントの置物を10話の前夜に酔った拍子に壊してしまった際は(接着剤を使って)直す、愛用の手帳には『快盗チェリーを捕まえてカケルに尊敬されるようなおじさんになる なるったらなるぞ~』という目標をしたためる程に秘めていたりと良い所もそれなりにあることが明かされた。
また、本編第25話では護衛対象にして裏で闇取引もしているという茄子田岩男氏の尾行の際、
あやとりが上手という意外な得意分野を披露し、一緒にいた唐松刑事からも好評だった。しかし仮にも尾行中にそんなのやってていいのだろうか?
苦手なものは『地震』との事。第35話では冒頭から何度も頻発する地震(前回ロボタック達から黒のランドツールを奪ったトラボルトの仕業)の最中にこの事を公言しながら机の下に隠れてしまう。カケル達がマイトバーン探しや試練の書への挑戦、ワンダシードの栽培などそれぞれの役割を話し合う中、彼一人だけ机の下で缶ビールを片手に「しばらく休業…」とすっかりやる気がなくなる程に弱ってしまっている。
その反対に好きなもの・趣味は『野球観戦』と『プロレス観戦』、更に『パチンコ』。
前者はトラボルト初登場回である20話のなぞなぞコンパスの『7、1、44、31、16、3、30、22、5…この9つの数字に関係ある動物のオリの前へいき応援せよ。』というなぞかけに「今回のなぞなぞ(の答え)は簡単そうだな」と呟いて新聞の野球のページを読んでおり、後者は唐松刑事と共に36話にてザ・グレート・サスケとスペル・デルフィンの試合をとても楽しみにしている描写がされていた。
パチンコは第38話にて、本人が「パチンコで3ヵ月以上も負け続けるなんて、ひどすぎる~!」と愚痴っていた程。しかも怪盗チェリーからの「明日の正午ジャスト、白と黒のランドツールを頂く」という予告状を「違う場所にある2つのランドツールを同時に盗むなんて、絶っっっ対無理! いたずらに決まってます」と言い切った直後、「俺は、明日のパチンコに備えて寝ます。お休み、チハル」と唐松刑事から「名前で呼ぶんじゃねーよ」とツッコまれながら去っていった。しかしその回の終盤でまた負けて「破産だ~!」と嘆いていた所、一つ落ちていたパチンコ玉をロボタックが見つけて投入した所、それが見事に大当たり。瞬く間に黒字の大勝ちとなった(ちなみに機種は大工の源さんであり、店内BGMにはSPEEDのALL MY TRUE LOVEが掛かっていた)。
更に第37話では公園でメロンパンにかぶりついていた所にYSTがやって来ており、「お前達も食べるか?」と自分の菓子パンや調理パンのストックをそれぞれに振る舞うという、珍しい羽振りの良さを見せた。
また、ロボタックやカケル達のなぞなぞコンパス(及び試練の書)の謎解きの過程で(結果的にだが)仕事を妨害されることもしばしばある苦労人な要素もあったりする。
余談
演じる大高氏はその他東映特撮作品には後に『轟轟戦隊ボウケンジャー』にて大神官ガジャ役でレギュラー出演している。
本編のサブキャラクター的な立ち位置なだけあって、前期EDの『ロボタック絵かき歌』ではトップバッターで甥のカケルとダンスを踊ったり、ラストの部分で他のメインキャラクター達と一緒に手を振ったりしていたが、後期EDの『いいじゃない』ではモグラッキー以降の追加キャラクター達が登場するのと入れ替わる形で一切登場していない。
もっとも歌詞や映像の内容が内容なだけに子供たちやロボット達の中に大人である薫が一人混ざってると明らかに浮いてしまうという事情を考慮すれば仕方ないのかもしれない……
関連タグ
関連する他作品のキャラクター
毛利小五郎:探偵もの繋がりの他作品に登場するキャラクターで杉とは『探偵社の主』『警察関係の知り合いがいる』『主人公の保護者的存在』『だが生活面ではだらしなく血縁者の方がしっかり者である』といった共通点があるが、ここぞという場面では良い活躍を見せる事や、「おじさん」と呼ばれている点も一緒(こちらは主人公とは親族でない違う意味で)。ちなみに杉の方も小五郎と同様に、本編第29話にてトラボルトに監視カメラ越しに「ヘボ探偵」呼ばわりされてもいる。
辻雄一(シャーロックおじさん):『テツワン探偵ロボタック』が放送された1998年から10年前の少年探偵団ドラマに登場する主人公のおじ(こちらは父方の兄なので「伯父」)で、シャーロック・ホームズに因んだネーミングが使われている人物(推理小説家であり、ペンネームが「斜六郎」)。こちらも本業の収入が乏しく弟(主人公の父)に借金していたりとダメ人間な面はあるが、悩める主人公達にアドバイスを送ったりと含蓄ある人物である。