概要
元々は1939年に企業チーム『横河電機サッカー部(横河FC)』として創設された。企業の吸収合併などで一時期名称が変わっていたことがあるが、それを除けば創設から64年後にクラブチーム化されるまでの間は横河電機サッカー部が正式名称であった。企業チーム時代は横河電機に勤務する正社員選手を擁し、且つ、専用の練習グラウンドを保有する身でありながら、実は会社の公認部でもなくずっと同好会の扱いであった。かなり特殊な企業の同好会であったと言える。
2003年、クラブチーム化し、『横河武蔵野FC』に改称する。この頃から企業チーム時代と比較して全国的にも徐々に知られていくようになる。2009年には現在でもJFLでのクラブ最高順位である2位となる。が、そこから成績が急降下していく。そんな中でも2012年には天皇杯2回戦でFC東京を相手に超守備型で耐え抜きながら、終盤のロングフリーキック1発を沈めてジャイアントキリングを起こしたりもしていたが。
2016年、横河電機が親会社から筆頭スポンサーの一つとなる形で、名称を『東京武蔵野シティFC』に変更。これはクラブ側の説明によると「有力選手がJリーグ在籍チームに引き抜かれて戦力安定しない」「J3リーグまで出来たからセレクションを受ける人数も減ってしまった」ということを理由にJリーグ入りを目指すことに方針を転換したため。また、Jリーグ百年構想クラブ認定申請を行い、無事、Jリーグ百年構想クラブと成り、超条件付きでJ3ライセンスを付与されることにもなる。だが、クラブはこれで慢心したのか、細かな努力を怠っており、これがある悲劇を生むことになる・・・。
2019年、J3ライセンスを付与されたチームは昇格圏内(JFL4位以内&Jリーグ百年構想チームの中で2位以内)に入れる可能性が高まっていた。しかし、ここである問題が浮上した。観客動員に力を入れていなかったのである。J3リーグの昇格条件には「ホーム戦観客動員数平均2000人以上達成」があり、残りホーム戦3試合且つ残り観客動員として14815人が必要だったのだ。そして1試合目が3828人動員、2試合目が5284、残り3試合目で5703人動員が必要となったが、次の壁が立ちはだかった。収容人数である。ホームスタジアムの収容人数は、5192人、キャパオーバーなのである。消防法に思いっきり引っかかる可能性も当然あった。
「/(^o^)\ナンテコッタイ\(^o^)/オワタ/^o^\フッジサーン」である。
クラブはこの事態に「仮設席を建てたいんだけど...」などと周囲に相談しつつ様々な試みで凌ごうとしたが実現せずに万事休す、この年のJリーグ入りを諦めたのであった。
そして2020年、万策が尽きたのか、Jリーグ入りそのものを諦め、Jリーグ百年構想クラブ認定も返上していった。
翌2021年、あるニュースにより国内リーグファンの間で激震が走るようになる。なんと、1つ下のカテゴリである地域リーグの関東リーグ1部に在籍するJリーグ入りを目指すチームである東京ユナイテッドFC(※文京区がホームタウン)の運営法人との合弁で新しい運営法人を設立し、共同運営をしていこうという流れになったのだ。実質的な合併に近かったが、当の東京ユナイテッドFCの運営法人の実質的なオーナーがアレなアレだったこともあって、「乗っ取りでは?」「吸収合併されたの間違いじゃねぇの?」などと噂された。その後、同年のシーズンでは名称が現在のものとなったが、戦いは厳しく、終盤で降格圏を脱出し事なきを得たのであった。
2022年、今度は『東京武蔵野ユナイテッドFC』としてJリーグ入りを目指していくことになったのだが、2023年7月に「改めて両者が各々で進めていくことが最良の選択という結論に達した」として提携から2年半で関係は解消された。
2024年、クラブチーム体制はそのままに名称を横河武蔵野FCに戻した。そして、文京区がホームタウンから外れて武蔵野市のみの単独ホームタウンに戻った。今後また、Jリーグ入りを目指すかどうかは分からないが、武蔵野市を代表するサッカーチーム、引いてはスポーツチームであることを維持し続けるであろう。
Jリーグ入りについて
実は1度目のJリーグ入り目指しを始める前から否定はしてない。これは2006年に発売された雑誌『サッカーJ+』Vol.3のインタビューで当時のGMである古矢武士が明らかにしている。と言っても、自力でそうなる力は無いし、かと言って即そう成れるようにするための努力は言うほどしていない。それは東京武蔵野シティFC時代の観客動員の件で色々察しは付くはずである。クラブとしてどう在りたいかは色々語っては居るものの...
東京武蔵野シティFC~東京武蔵野ユナイテッドFC時代を経て横河武蔵野FCに名称を戻して以降、またJリーグ入りを目指すにしろ、ホームスタジアムの件など目処が立っていないものが山積みなのはそのままである。
マスコット
居ない。
過去には東京武蔵野シティFC時代に『こはな』という雌の象をモチーフにしたマスコットが居た。
ホームスタジアム
武蔵野市立武蔵野陸上競技場。鳴り物禁止で有名である。周りには住宅街があるのでそれが原因であることが推測されている。なお、そんな中でもJ3規格に改修することは可能らしく、2018年にはその為の改修が行われていたことが明らかになっている。
育成組織
名門。ユース(U-18)、ジュニアユース(U-15)、ジュニア(U-12)の3チームすべて揃っている。なお、育成組織に関しては運営法人が別法人となっている。
ユースチームは状態が良いと格上を喰うこともあり、例えばある年のJリーグユース選手権大会にて、予選決勝ではJリーグ外のクラブユースチームの超名門である三菱養和SCユースを夢のスコアで叩きのめしたことがあり、本選1回戦ではアルビレックス新潟U-18を運も味方につけたとはいえ3-1で快勝したこともある。
また、ジュニアチームは、U-12世界一を決める大会である『ダノンネーションズカップ』で、日本のチームとして始めて世界一に立ったことがある。(ソース)
別名・表記ゆれ
- 横河電機サッカー部 - 創設時からクラブチーム化するまでの名称。
- 横河北辰電機サッカー部 - 親会社の合併で一時期名称が変更になっていた時のもの。
- 横河武蔵野FC - クラブチーム化してからの最初の名称。
- 東京武蔵野シティFC - 通算5度目の改称時の名称。
- 東京武蔵野ユナイテッドFC - 通算6度目の改称時の名称。
関連タグ
- 三鷹駅 - ホームスタジアム最寄駅。実は武蔵野市との市境付近にある。
- GIANTKILLING - サッカー漫画。主要キャラの一人、椿大介がETUに入団する前に在籍したFC武蔵野のモデルが当クラブのトップチームである。エンブレムがまんまそれ。
- アオアシ - サッカー漫画。登場するライバルチームの東京武蔵野蹴球団ユースは当クラブのユースチームがモデル。2022年には実際にこの作品と当クラブがコラボすることになった。
- FC町田ゼルビア - ダービーマッチ『南北多摩合戦』の相手。
- FC東京 - 武蔵野の下部組織で育った選手がこちらの下部組織に移っていくことがある。
- 東京ヴェルディ - たまに武蔵野の下部組織で育った選手も在籍することがある。
- 東京ユナイテッドFC - 元・提携先。トップチームは慶應義塾大学サッカー部のOBチームである『慶應BRB』を前身とし、セカンドチームは東京大学サッカー部のOBチームである2代目『東大LB』を前身とする。概要で述べた運営法人の方針転換により、2021年から2023年7月までは実質的な武蔵野のセカンドチームとサードチームとして活動していた。提携解消後は改めて単独でJリーグ参入を目指すことを表明している。