機動絶記ガンダムSEQUEL
きどうぜっきがんだむしーくえる
失われた“神”(ガンダム)を巡る、背信の物語──。
漫画連載ウェブサイト『コミプレ -Comiplex-』の『ヒーローズ』レーベルにて、2022年7月29日より連載。
嘗て戦争を終結に導き、守護神として崇められていたガンダムがやがて平和の敵として見なされるようになってしまった世界を描き、ディザーでは初代ガンダムに酷似したガンダムタイプのMS(因みに本作の年号設定は不明)が溶鉱炉に沈められるという衝撃的なシーンが映された。
脚本は『平成仮面ライダーシリーズ(1期)』や『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』を手掛けた井上敏樹、作画は千明太郎が担当。
井上氏は以前機動戦士Zガンダム製作の際スタッフから『君と富野は合わない』と言われて門前払いを受けていたことが知られていたため、ウェブニュースにて本作に関するニュースが流れた際、あの井上氏がガンダムに関わるとファンの間で衝撃が走っていた。
※他のサンライズ作品だと魔神英雄伝ワタルやシティーハンターや勇者特急マイトガインの「納豆に手を出すな!」と「ブラックガイン」の脚本を手掛けている
700年前に起きた総人口の半数が死んだ大戦で地球を守り抜いたMS(モビルスーツ)、ガンダム。
しかし大戦が終結した後に、いつしか平和の敵として嫌われ、132機あったそれは全て廃棄処分にされてしまった。
そしてガンダムが廃棄されてから20年後の帝都ガン・ドラド。
カオリスと言う中年女性が帝位継承第4位のムサビ・ハンの前で処刑されるが・・・
コキュートスの住民
カオリスと関係者
シャギ・カオリス(メイン画像)
本作の主人公となる女性で、『血まみれのカオリス』と恐れられる殺し屋。但し時折仕事をキャンセルしたりする始末。
他者処か神すらも信用しておらず、何時かは全てを滅ぼす事を望む。また罪と愛と言う概念がわからない模様。
ネオスと言う異能者であらゆる傷を瞬時に回復させる高い自己再生能力を持ち、例え串刺しにされようが火あぶりにされようが生きている。だが能力を超えるダメージを受けると普通に死んでしまうらしい。第二話では体の中に猟銃を仕込むという荒技も見せた。また、再生の度に容姿を変えられるらしく、第一話では中年女性の姿を取っていた(つまり、変装の類では無い)。
胎児ながらも、ガンダム・ミナーヴァのコクピット内で炎に包まれて死にゆく母ミランダの姿を記憶している。
素肌を人前で晒すことに抵抗が全く無く、第一話から第四話までは(展開が連続しているのもあるが)必ず全裸のシーンが描かれている。
デュランが父親であるが実際はデュランの子供ではなくガン・ドラド王家が集めた他のネオスの男性の子供であった。
実は虫が苦手と言う一面もある。
右眼に眼帯を着けている闇医者。カオリスの顔なじみ。
カオリスと同じネオスでプロの殺し屋の男。自分の血を剣やムチにしたりする能力を持っている。ガン・ドラドではナンバー1の殺し屋と目されており「πのデュラン」と言う異名を持っている。
既に殺し屋を引退している身だが現在では殺人を行ってきた悪質な詐欺師や子供に暴力をふるう父親など己の倫理に反する人間を殺害している。
しかしいつの間にか記憶障害を患っており、顔見知りであるマリーヌを忘れる事もある。
かつてコロニーが戦争状態だった頃はガン・ドラド王家直属の上級武官だったでミランダと言う王家の血筋である妻がいたが敵の襲撃で妊娠していた彼女を亡くした。その後は家を再興する為に王家の命令を聞く殺し屋になったが結局王家は約束を守らず使い捨てにされた。
その死ぬ直前のミランダが産んだ子供こそがカオリスで彼はカオリスの父親・・・なのだが実はカオリスは本当の子供では無く、他のネオスの男性の子供だった。
デュランはネオスの力を見込まれて王家に婿入りしたが力不足ゆえに追いやられ、彼はミランダや王家を恨み、敵国であるム・ファサの兵士に城を襲撃させるように仕向けて、他の男や妻ミランダを殺害してしまった。カオリスとの戦いで他の殺し屋を迎撃する中で思い出した事実をカオリスに話し、そしてカオリスを庇って死亡した。
マリーヌ
食堂で働く少女。デュランの知り合い。
デュランの事を冗談好きなおじさんと思っている。
ガン・ドラド王家
ムサビ・ハン
ガン・ドラド帝位継承第4位、依頼を受けたカオリスに刺殺された
ミランダ
カオリスの母でデュランの妻。ガン・ドラド王家の人間でネオス。
20年前の戦乱で出産間近にもかかわらず、ミナーヴァに乗り込んでガン・ドラドを守ったがミナーヴァの高エネルギーで焼かれ、しかもネオスとしての再生能力で死ぬ事も無く20年間もミナーヴァのコクピットで焼かれ続けていた。
ガン・ドラド軍部
ギャスカ将軍
ひげの生えた70代を超えた白髪の老人、愛人が5人もいるらしい
ナオミ将軍
紅一点の女将軍、ム・ファサへの奇襲には唯一反対をしてしていたようだ
カイザス将軍
3名の中では最も若々しい男性、カオリスがミナーヴァを起動させたときに部下とともにモビルスーツに乗って接収に向かった
ダ・リーア
ジューン
氷都ダ・リーアの新興宗教ディース教の教祖。ガンダムに似た顔の守護神ディースを崇拝している。
彼女もネオスなのかどうかは不明だが氷を操る力を持っており、これで信者を傷つけた悪党を殺害したり、足が不自由な人間を治したりする事が可能。しかし人を殺すと仲間のナナに自分を叩くように命じて自ら罰を受ける行為をする。
悪党を始末するときはガンダムを模した仮面を装着している。
ナナ
ジューンを補佐する少女、懴悔室でジューンに狼藉(アイアンクロー)をかましたカオリスの手を三日月を模した鎌で斬り落とす(ネオス能力ですぐに再生した)などジューンへの忠誠心が高く、その直後のナイフを持ったカオリスと白兵戦を行うなど身体能力も高い。
ム・ファサ
マリナン
ム・ファサ国の王女。16歳。
9年前、7歳の誕生日に対象範囲内の空間を消滅させるネオスの力を発現し、その際に大勢の人を殺害した為に地下牢に隔離されている。
長い地下生活のせいか視力が弱まり、精神年齢もそのままである。
だがガン・ドラドのMSが襲撃してきた際には偶然にもガンダムアヌビスを操縦して敵を撃破した。
その後、隔離した恨みとばかりに両親を手にかけた。
以降、売れない劇団員などの男女を両親と思い込み、育てられるようになるが、この過程で犠牲者が後を絶たずにいる。
22話でビキニの水着姿を披露した。
ラトバ
マリナンの教育係を務める老人、マリナンにガンダムアヌビスのおとぎ話を聞かせていた。
マリナン解放後はマリナンの両親役を手配している。
スルミナル
ム・ファサ軍部将校を務める男性、戦力としてマリナンのネオス能力をガンダムアヌビスを動かすのに必要ととらえている。部下たちからはマリナンの暗殺を画策されていることを伝えられるとそれを非難したものの「その力が自分たちに向けられたら」という問いに口ごもるなど、過去作における『ニュータイプの力を利用しようとした者』達に通じる思いも抱いているようだ
地球側
囚人たち
地球側からコキュートスコロニー調査のために派遣された本人たち曰く無実の罪・冤罪で終身刑を喰らっていた囚人たち、大幅の恩赦と引き換えに調査に赴いてきた。
マサムネ・ユキトシ
生物学者(回想シーンや『リンドウの花』発言などからして植物学者と思われる)、カオリスにたいしては彼女を『リンドウの花に似ている』と発言している。
婚約者を頭からガソリンをかけて焼き殺したらしいが・・・?
更に19話でカオリスが放り出されたガンダムミナーヴァのコックピットに自ら乗り操縦するというまさかのシーンが…。
同話の回想シーンでは地球にいた頃の婚約者の名前はエミリアで彼女とともに長野の山奥に赴き『漆黒のリンドウ』を捜索していたが…。
ナティ・クラマティ
ギタリスト、一行の紅一点
アルフォート・アオバ
バーテンダー
ドミンゴ・リハシュ
ジャーナリスト、コキュートスのウワサを知っていた
地球政府
この世界における地球の統治機構、過去作における地球連邦などに該当すると思われる
ゲイン長官
現時点で苗字などは公開されていない、マサムネ達囚人たちを大幅な恩赦をちらつかせてコキュートスコロニー調査に送り込んだ。若そうに見えるもののどうやら老化が進んでいるらしく手のしわを手袋で隠している。
曰く『彼らだけが本来の任務を全うできる』らしいが・・・?
カオリスの記憶の中にあるガンダムタイプのMS。
コキュートスに秘められし神の内の一柱と言い、ガン・ドラド城の地下にある王の間に安置されていた。20年前にデュランの妻で王家の血筋であるミランダはこの機体のコクピット内でカオリスを産み落として焼け死んだ。
城が焼かれた後の行方は不明だったが、第14話にて首だけが外に出た状態で何処かの場所に格納されているのが確認され、そして16話にてとうとうカオリスによってある遺跡で発見された。
尚、この機体を起動させるために優秀なネオスが必要らしく王家はより優秀なネオスの男性を集めてミランダの夫にしていた。
だがこの機体を操る者は高エネルギーに耐えられなくなって焼かれてしまい、20年前に出産間近のミランダはミナーヴァでム・ファサの侵攻部隊を撃退したが彼女も限界が来て、しかもネオスとしての再生能力で20年間も焼かれながら再生すると言う地獄のような事になっている。
主な武装は両腕の火炎放射器
なお、ミナーヴァという名称は、ローマ神話の女神・ミネルヴァのドイツ読みに由来すると思われる。
ガンダムアヌビス
ム・ファサに伝わる伝説のMSでガン・ドラドが襲撃してきた際に王家であるマリナンが操縦して敵を撃破した。
ネオスが回路になる機構である模様。
見た目はアヌビス神のような姿のガンダム。
ガン・ドラドのMS
現時点では名称が不明だが頭部がおなじみのザク系で火炎放射器をマニュピレーターに装備している
コキュートス
本作の舞台となるコロニー。本編開始から20年前にガンダムが廃棄処分されたという世情にもかかわらず、帝都を築いた中世的な文明で尚且つ帝都ガン・ドラドや氷都ダ・リーア、エジプトのようなム・ファサなどの複数の勢力が存在して敵対しているというちぐはぐな様相を呈しており、MSも存在、またガンダムも存在している。
その実態とは700年前の地球の戦争でガンダムのパイロットとして活躍したニュータイプ達を邪魔者として全て収容し、更には臭い物には蓋をするかのように毒ガスで住民一千万人共々殺処分して地球の衛星軌道から外して廃棄コロニーにした(表向きでは事故で衛星軌道から外れたと言う事になっている)はずだったが、それでもなお生き延びた者達がかつてとは隔絶した文明を築いていたのが真相である。
地球側にとっては、700年前に廃棄処分されたはずのコロニーが地球に向かってやってきたことから、刑務所に収容されていた犯罪者達を調査員として派遣したことから始まる。
ガンダム
700年前の地球圏の戦争で使用された最強のMS(モビルスーツ)。少なくとも132機は存在した模様。
人類の進化とうたわれたニュータイプが操縦し、戦争終結に大いに貢献した事で守護神と言われたが平和になった途端に不要な存在にして平和の敵としてニュータイプと共に嫌悪され、その全てが廃棄されたと言う。
ネオス
コキュートスにおいて存在する特殊な人間。人の進化たる人が大虐殺から進化を続けてきた存在にしてガンダムの騎手とも言われている。例え串刺しにされても焼かれても死なないほどの高い再生能力を持っている。
個体ごとに様々な超能力を有している。
恐らくはコキュートスに追放・隔離されたニュータイプの末裔と思われる。
漆黒のリンドウ
マサムネ・ユキトシが探し求めていた植物、地球の日本の長野県の山奥で3例しか目撃例がないらしい、素敵な伝説として『漆黒のリンドウに祈るとどんな願いも叶う』とあるが一方で『女の惨殺死体や焼死体や変死体が発見される不吉な山に生えている』という言及が…。
・コキュートスコロニー内の国家の名前の中黒の前の文字をつなげるとガンダム(ガン・ドラド、ダ・リーア、ム・ファサ)になる
・作中の一部登場人物の名前や一部地名などに過去に井上敏樹氏がサブを含めて脚本を手掛けた東映特撮作品の小ネタが含まれている
機動戦士ガンダム水星の魔女:同年より放送されるガンダム作品。幾つかの共通項が見られる。
機動武闘伝Gガンダム、機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ:こちらも複数のガンダムタイプが登場、もしくは存在が示唆されている作品。
機動新世紀ガンダムX:『戦後を舞台としている』、『(恐らく)宇宙世紀では無いガンダム作品ながらもニュータイプの概念がある』という共通項がある。
∀ガンダム:本作同様、戦後を舞台としている他、戦争終結からかなりの時間が経っている点も同じくしている。更に、コキュートスの文明レベルはこの作品における地球を彷彿とさせる。