「来いよ、エンタメデュエリスト!沸いてるんだよ。今、俺たちのデュエルに会場が。期待してんだよ、観客が。お前のターンだ。みごと応えてみせろ。」
CV:矢野奨吾
概要
レオ・コーポレーションが経営するデュエル塾の最大手「レオ・デュエルスクール(通称LDS)」に通う少年。
表向きは物腰を柔らかい男を演じているが、本性はワガママかつ典型的な小物気質で、勝つためなら窃盗、強奪と手段を選ばない。また、吸盤式とはいえ、遊矢の顔面めがけてダーツの矢を投げるなど、非常識な一面も見せる。複数の取り巻きを従えているが、その性格故にあまり慕われてはいない様子。だが、前作の神代凌牙のように見限られてはいない(因みにこの取り巻きたちは、一度だけ遊戯王デュエルモンスターズの城之内克也のような顔芸を披露したことがある)。
またお金持ちだからか、はたまたその性格ゆえか強力なレアカードを好み、使用しないカードは全て「クズカード」と罵り、捨てる(「ハングリーバーガー」「六武衆-ヤリザ」等。歴代遊戯王シリーズの慣習に則ったか、攻撃力が低いカードも漏れなくクズ呼ばわりしていた)。
しかし「百流デュエリスト」と馬鹿にされ本気で怒ったり、ペンデュラム召喚への対策として「氷帝メビウス」を主軸にしたデッキを構築するなど、デュエリストとしてのプライドはある模様。
同じLDS所属の志島北斗、光津真澄、刀堂刃らとも面識があるようだが、彼らからの評価は「ヘタクソ」「前置きが長い」などあまり芳しくない。
そのため、沢渡がペンデュラムカードを入手し大幅にパワーアップした際は、その戦術に感心しつつも「沢渡のくせに…」と怪訝そうな反応を見せている。
甘党の一面を持ち、取り巻きに「スイートミルク・アップルベリーパイ・とろけるハニー添え」なるケーキを買いに行かせている。取り巻き曰く「腹減ると、ますますワガママになる」らしい。
父は舞網市の市会議員。息子の事はかなり甘やかしつつ溺愛しており、彼の怪我を知った時は病室のベランダからメガホンで泣き叫ぶほど心配していた。尚、父親を演じているのは宝亀克寿氏。
これだけを見れば、親の七光りの典型的などら息子で、シンクロ次元でも父の威光を持ち出すなど、状況を理解できずに目立ちたがり屋と、良いところがまるでない。だが、遊矢を純粋にライバル視している以外にも零羅の不安を解消させるためとはいえ、セキュリティに囲まれた状況でエンタメデュエルをやる遊矢に「状況分かってるのか!?」と怒鳴ったり、収容所に送られたときにも冷静に分析する一般的な感性は持っている。また、乗りの良い性格故にワガママぶりに辟易していながらも取り巻きからはある程度慕われてもいる。シンクロ次元で出会った徳松やクロウが面倒を見ている子供達からはややぞんざいに扱われ、終盤では存在さえ覚えて貰えないなど、かなり不遇。
ある意味、ランサーズの中では次元戦争を通じてデュエリストよりも人間として最も成長したメンバー。デュエリストとしての実力は間違いなく高く、遊矢の影響でエンタメデュエルに転向する。沢渡はデニス同様に、デッキの特性もあってデュエルの一連の流れ自体がパフォーマンスとなっており、観客の視点では遊矢より親しまれやすいタイプになっている。
良くも悪くも「自分が賞賛されるために周囲にウケるパフォーマンスを貫く」という承認欲求から出る行動は一貫している。かといってそれで空回りするかというと前述の通りそんな事言ってる場合じゃない状況では良識を優先するなど過度な暴走もない。エンタメデュエルの元である遊矢が、自分のデュエルの在り方に苦悩と試行錯誤を続けてる上に暴走等の理由もあれどエンタメを放棄する事もあるのとは対照的。
ある意味でエンタメデュエルの在り方を自分なりに貫いているという事もあり、遊矢が自分の求めるデュエルの在り方を沢渡とのデュエルから見出している。
劇中での活躍
2話にて初登場。3話では本性を隠しつつ「広いコートでペンデュラム召喚を見せてほしい」と遊矢に頼み、「時読みの魔術師」「星読みの魔術師」のカードを手に取ったところでその本性を表し、そのままカードを奪いとった。
(この一連の行動は勿論沢渡自身の意思もあるが、元々はレオ・コーポレーションからの依頼であった)
その後は柚子たちを人質にとり、遊矢にデュエルを挑んだ。
序盤は奪った「時読み」「星読み」を使用し、ペンデュラム召喚を成功。
遊矢を追い詰めるが、自分がクズカードと罵った「ブロック・スパイダー」(皮肉なことに、デュエル前に沢渡が奪ったペンデュラムカードの代わりと、遊矢に向かってばら撒いたうちの一枚)で遊矢が逆転。
その後、奪ったペンデュラムカードを粗末に使ったことが仇となり、「時読み」「星読み」を取り戻した遊矢に敗北を喫する。それでも負けを認めずに周りの部下をけしかけ、カードを力尽くで強奪しようとするが、その場に駆けつけた紫雲院素良に気絶させられた。
7話ではデッキを変え、「ネオ沢渡」を名乗って遊矢へのリベンジを画策。
遊矢のエンターテイメントデュエルに感化されてしまったのか以前に比べ、より大袈裟な台詞回しを好むようになった。
例によって卑怯な手を使って遊矢を陥れようとするが、取り巻きの会話を聞き後を付けて来た柚子に計画がバレてしまい、更にその柚子を守るために現れた黒マスクの男とデュエルすることになる。
新たなデッキの力を存分に発揮して黒マスクの男を追い詰めるが、エクシーズ召喚によって形勢を逆転され、最後に伏せていた罠もあっさりかわされて敗北。さらに黒マスクの男からは、自らの戦略を「安い戦略だ…児戯にも等しい。」と一蹴されてしまう。
デュエル後黒マスクの男の素顔に驚愕して意識を失い、取り巻きに引きずられつつ逃走した。
15話で遊矢に「ジュニアユース選手権」でのリベンジを宣言。その後の31話の舞網チャンピオンシップの1回戦で早速遊矢との再戦が決まる。
今回は「ネオ・ニュー沢渡」と名乗り、謎のコスプレ衣装を着こんで草笛を吹きながら登場する(柊修造曰く、元ネタは長谷川伸の「瞼の母」)。
このデュエルでは「お前には恨みの数々がある」と遊矢から受けた屈辱を語るが、その時の遊矢からもツッコまれている通り全て逆恨みであったのだが、結局全部ゴリ押して「お前に最高の屈辱を与えて勝つ」と宣言する。
しかし、そんな相変わらずぶりを発揮しながらもデュエルではそれまで遊矢、赤馬零児しか使用していなかったペンデュラムモンスターを使用して観客を驚かせ、さらにそれらを駆使した戦術は他のLDS生徒にも感心されるほどのものだった。
更に、沢渡の一方的な勝利になるかに思われたデュエルは一進一退の攻防を続け、会場中を沸かせるほどの盛り上がりを見せる。最終的には遊矢の勝利となったが、沢渡もまたエンタメデュエリストとしての才覚を発揮する好勝負となった。
敗退後は試合を観戦していたようだが、3回戦のバトルロイヤルの最中に一般中継が途切れ、観戦できなくなった状況に痺れを切らして零児に直訴。そして、零児に敗者復活戦の参加を勧められ承諾。オベリスクフォースに押されていた月影、セレナ、黒咲隼の元に駆け付けた。さらに駆け付けた際には、アクションカードで月影のピンチを救うも乱入ペナルティでライフ2000ポイントを失い崩れ落ちるという出オチっぷりをみせた。やっぱりいつもの沢渡であったが、この乱入が勝利に大きく貢献することとなる。
その功績を評価されたのか、遊矢たちと共にランサーズ(本人曰く沢渡世代)のメンバーの一人として選抜され、シンクロ次元へと旅立つことになる。
シンクロ次元へは遊矢、セレナ、零羅と共に到着するが、ランサーズとしての使命にはまったくと言っていいほど興味がなく、自分のエンタメデュエルの誇示を最優先している他、事あるごとに「パパに言いつけてやる!!」等、親の七光りな発言が見受けられる。
フレンドシップカップ編では自分の出場を待ち遠しそうに待機していたが、一回戦の二日目でついにユーゴと対戦。
入場の際は観客から大ブーイングをくらうも「これぞまさに俺のために作られた舞台」と言い放つ鉄のメンタルを発揮した。
その後のデュエルは敗れたものの、彼のエンタメデュエルはシンクロ次元の観客たちに届いたようであり、観客席からは激励を受ける事となった。
その後、エクシーズ次元では実際にアカデミアの侵略の被害を目の当たりにしたことでアカデミアの敵意を強め、この頃には父の権威を持ち出すことはなくなる。アカデミアではBBとのデュエルで窮地に立たされるが、クロウの捨て身によってカード化を免れる。以後はクロウに悪態をつきながらも多大な恩義を抱き、彼のカードを持ち続けて戦いを見守る。
ズァークの復活後は次元統合で復活したクロウと共にこれまでの様子を見たために相手の特性を分析しながらも、今までのエンタメで奮戦する。
漫画版
1話から登場。レオ・コーポレーションの一員で特殊部隊に所属しており、「一号機」と呼ばれている。
またアニメ版と違い名前の表記が「沢渡慎吾」と漢字になっている。
何気に漫画版の初デュエルを飾っており、相手はアニメでも戦ったユート。実力はあるものの、性格はアニメとあまり変わっておらず、アクションカードを取った自身を「クール過ぎるぜ俺!」と自画自賛(これにはさすがのファントム(遊矢)も「変な奴…」と冷めた反応だった)。ここでもいつもの沢渡さんであった。
それでもユートをライフギリギリまで追い詰めるが、交代で姿を現した遊矢のペンデュラム召喚にあっさりと敗北。年下であろう素良から「でかい口の割に弱いんだから」と呆れられていた。安定の沢渡さん。
デュエル関連
出るたびに使用カードが大きく異なっているのが特徴。
初登場時はダーツを模したモンスターを中心とした構成で、エースモンスターは「アルティメット・ダーツシューター」。効果によってリリースして発動するモンスターが多い。こちらは後述のカードたちとは違ってOCG化されていない。
2度目の登場時は帝シリーズの1体である「氷帝メビウス」を軸にしたアドバンス召喚特化デッキ。
エースモンスターはメビウスの上位種である「凍氷帝メビウス」で、魔法・罠カード破壊によりペンデュラム召喚を妨害する意図があったと思われるが、相手が違ったため逆に利用されてしまった。
3度目の登場時は『ブースターSP-トライブ・フォース-』で登場した妖仙獣デッキ。
ちなみに同パックのCMで一足早く取り巻き達と共にナレーションを担当していたため、登場前から彼が使うだろうと予想されていた。
なお、これらはレオ・コーポレーションが新たに開発したカードのようで、デュエル後にはペンデュラムカード量産研究のため再びレオ・コーポレーションに回収されたようである。
4度目の登場以降はペンデュラムモンスターを搭載したテーマ「魔界劇団」を使用している。
2度目までの彼のカードには何故か全てタバック加工が成されている。
(過去シリーズにおいては、遊戯王GXの万丈目準の使用カードがレア度をアピールする演出からか、他のカードとは異なった加工が施されていた。沢渡の場合も、発言を鑑みれば同じような意図であると考えられる)
漫画版での初登場時は帝シリーズの1体である「冥帝エレボス」を軸にしたアドバンス召喚特化デッキであり、漫画オリジナルの帝シリーズも使用している。このデッキについては掲載時期やアニメ版の経緯も影響している事が大きいと思われる。
余談
名字の「沢渡」は使用デッキの「妖仙獣」や取り巻きの名字(柿本、大伴、山部)から察するに「沢渡神社」(取り巻き3人は万葉歌人から取られている)と推察できる。
放送開始直後の設定資料や番組表では「沢渡真吾」や「沢渡慎吾」と表記されていることがあった。なお「沢渡慎吾」という名前は、後に始まった漫画版で使われている。
ED3ではランサーズのメンバーと共に探偵、ライディングスーツ、探検家などの衣装を披露。ここでもビリヤードの玉に追われていたり、転がる岩に押し潰されてペラ紙のようになったりと扱いは相変わらずであったが、他のメンバーのほうが濃かった(主にセレナと黒咲)のであまり注目されていない。
ED4においては、セレナの寝顔に見惚れてキスをしようとするというまさかのラブコメが描かれた。寝ぼけたセレナから裏拳を顔に叩きこまれて未遂に終わったものの、本編においても何かしらのフラグが立つのではないかという期待も見られる。
偶然か意図的かは不明だが、遊矢シリーズの4人中なんと3人とデュエルをしている。結果は全敗しているものの、どのデュエルも演出、構成等が良質で人気が高い。
ユーリとは唯一デュエルしていないが、代わりに4人の融合体となっているズァークとデュエルしていく事となっている。
髪型やその色使いの似たキャラクターが前作には複数おり、Ⅳや神宮寺守(モブ)はそれにあたる。
後者は苗字と使用するモンスターが神社や寺に関連しているという共通点がある。
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万丈目準 神代凌牙:ともに劇中初期から登場する、微妙な信頼関係の取り巻きが居たデュエリストたち。だが両者とも取り巻きがすぐに離れていったという点では違う。万丈目とは金持ちの御曹司、最初は嫌味キャラだが途中からギャグキャラになる、使用デッキが頻繁に変わるなどかなり共通点が多い。