概要
pixivにおいては本人の作品のファンアートや画風を真似た作品にタグが使われている。
経歴
1992年に雑誌『JUNE』の読者投稿コーナーに作品が掲載されたことを機に、「桃栗みかん」として姉妹誌『小説JUNE』の表紙イラストでイラストレーターデビュー。これとほぼ同時期に集英社の『スーパーファンタジー文庫』の編集に声をかけられ、以降長年にわたって集英社との関わりを持つようになる。JUNEのほか、集英社や角川書店などの雑誌やライトノベルで表紙・挿絵を手がけた。また、イラストレーターとしての活動と並行して、友人の漫画家星崎龍の主催する同人サークルで同人誌を発行するなど同人活動も行っていた。
1994年に『オフィスユー』で漫画家デビュー。デビュー後しばらくは主にボーイズラブ(当時でいう「JUNE系」)を手がけていたが、1998年に『ぶ〜け』に活動の場を移し少女漫画を執筆するようになる。
2000年に『週刊少年ジャンプ』に移籍したことを機に「河下水希」に改名。当初は『ぶ〜け』への復帰を前提とした移籍であったが、雑誌が休刊になったためそのままジャンプに残ることとなる。
その後は主にジャンプ系列誌で活躍。
2015年になって『YOU』にて、桃栗みかん名義で作品を発表。以降は女性向け媒体では「桃栗みかん」を利用し、ジャンプ関連などでは「河下水希」を利用する形で両名義を並行して使っている。
同人活動はしばらく行っていなかったが、2021年12月には田辺洋一郎との共同サークルで冬コミに参加している。
作風
BL漫画家から少女漫画家を経て、ジャンプの少年漫画家になるという極めて珍しい経歴の持ち主。ただし少女漫画時代から作風は基本的に変わっておらず、男性向けのお色気コメディと少女漫画の流れを汲む綿密な心理描写や演出を兼ね備えているのが特徴。
本人は元々少女漫画家志望であり、柔らかく線の細いタッチの繊細な画風が特徴である。
ラブコメ作品が知られているが、「桃栗みかん」名義を復活させた2015年から連載を開始した「群青にサイレン」では、これまでの軽いコメディタッチの作風とは大きく異なる、コンプレックスや嫉妬・後悔、憎悪といった負の感情をありありと描き、「陰鬱」とも言えるようなストーリーを展開した。
元々、明るくライトなラブコメでもリアルなコンプレックスや葛藤をあえて踏み込んで描く心理描写を持ち味の一つとしており、これを前面に押し出したことで新たなファン層を獲得したといえる。
同作は雑誌の移籍などを経て打ち切りに至った(本人がTwitterで「コミックスの売り上げが伸びず終了した」と明言している)が、新境地を切り開いた形となった。
人物
村田雄介によれば、非常に速筆である事でジャンプ内でも有名らしい。かつては座椅子に体育座り、もしくは椅子に座って、スケッチブックか画板を膝に乗せ、その上に原稿を置いて描くという少々風変わりな執筆スタイルで、本人は「これが一番描きやすい」「筆圧が弱いのでさらさらと描けてしまうのかも」と言及していた。その後Twitterで「現在はデジタル作画に移行したので、机と椅子で作業している」と発言している。
趣味はテレビゲーム。また、息抜きにカラオケに行ったり長電話をしたりしているという。また、料理が得意なようで、アシスタント募集に「手作りの料理を振る舞うこともある」という趣旨の内容が載っていたことがある。
好物は焼肉と牡蠣とエビフライと卵黄、嫌いなものは納豆とチーズ。
その作風や少年漫画誌で活動していることからよく男性漫画家と間違えられるが、本人は特に男性のように振る舞った事はなく、性別を伏せているわけではない。