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概要編集

浅見光彦とは、内田康夫ミステリー小説推理小説)に登場するフリーのルポライターであり探偵


公式設定で2月10日が誕生日とされながら最後の事件(後述)までずっと33歳だった事から、推理小説ファンからは『永遠の33歳』の愛称で親しまれていた。


特にディープな彼の(特に内田作品を網羅して浅見の足跡を追う研究者系の)ファンの事をアサミストと呼ぶ。

また長野県軽井沢にはアサミストのいわゆるファンクラブである浅見光彦友の会(旧・浅見光彦倶楽部)の本部があり、内田康夫作品の文学館(言うなれば文学分野の美術館)である浅見光彦記念館を運営している。


人物編集

家族構成等編集

大蔵省官僚を父(故人)に持つ独身貴族。家族構成は故人の父を筆頭に母、兄、兄嫁、妹二人(うち一人は後述)、甥姪(兄の子供)、お手伝い一名。

兄の陽一郎(47)は警察庁刑事局長(全国の刑事警察行政の責任者、国会答弁では警察を代表して質疑応答に出る立場)で階級は警視監。

光彦はルポライターとして主に旅行雑誌『旅と歴史』の紀行文の執筆を主な活動にしている。

原作者の内田康夫とは昵懇の仲であり、事件を依頼されることも屡々であり浅見の携わった事件のほとんどは「内田が小説化している」というのが本シリーズの体裁、設定である。(内田氏が軽井沢に住んでいた事から作中では光彦から『軽井沢のセンセ』と呼ばれている)

名家である浅見家の次男でありながらエリートの兄・陽一郎とは対照的に好き勝手な生き方をしている自身を「典型的な賢兄愚弟」「浅見家の出来損ない」と自虐している。

陽一郎は14歳下の光彦を表面上では「お前も浅見家の男ならフリーのルポライターなんて浮草みたいな事してないで、いい加減ちゃんとした仕事に就け」と叱り飛ばしたりするが一方で「あいつは天才」「父さんが生きていたら今のお前を見て褒めるだろうな」と称し、浅見家の厳格な母・雪江にすら「あいつがうらやましい。俺にはあいつのような生き方は無理だから」と発するなど、数々の難事件を解決する弟を敬愛している様子が描写されている。


探偵としての特徴編集

他の探偵と同様、探偵物ミステリーの宿命か取材先において高確率で事件(主に殺人事件)に遭遇しそれを発端とする連続殺人事件を解くことになる。無自覚死神系探偵の一人である。

依頼されたり巻き込まれることも多々あるが、多くは自ら首を突っ込んでいく傾向がある。

その際高確率で警察に容疑を疑われて身柄を拘束され、最終的には電話による身分紹介で(ごく稀に本人が偶々鉢合わせる事も)刑事局長の陽一郎の弟であることが分かると手のひら返しで捜査協力を依頼されることがお約束となっている。

また、光彦にとっての探偵業はある意味趣味であり余興の一つであるため、解決後の真犯人の身の振り方には概ね淡泊なほどに無関心であり、ある意味無慈悲である。その為身内に関わる事件や余程の凶悪犯、憎悪の対象である場合以外はその真犯人本人に判断を丸投げする傾向がある。警察に逮捕されなかった真犯人の多くは何らかの形で死亡(ほとんどは自害)しているのも彼の関わった事件の特徴である。


恋愛編集

作中では身長は178㎝と記されており、結構な長身。ルックスも中々のイケメンのようで、各事件において最初の被害者の親族や友人が高確率でその回のヒロインとして登場し、恋愛の一歩手前まで発展するが、シリーズのお約束としてそれが成就することは無い(近年では恋愛そのものに発展しなかったり、光彦自身が全く気付かないまま終わるパターンもある)

母・雪江からも「33歳にもなって、いい加減身を固めなさい」と事あるごとに小言を言われていた光彦だったが、光彦が解決する「最後の事件」にはこれまでの作品に登場したヒロイン達が再登場し、ラストで軽井沢のセンセに対し「結婚するので家を出る事にした」と伝えた。

相手ヒロインは作中では明言されなかったが、浅見家を出た先は神戸である事から、「神戸の会社に就職した」という発言をしていた『平家殺人事件』のヒロイン・稲田佐和の模様。


名探偵・浅見光彦誕生となった妹の件編集

二人いる妹のうち一名は故人で浅見祐子という。シリーズ第一作目の『後鳥羽伝説殺人事件』の被害者でもある。

作品自体は広島県三次(みよし)警察署所属の老刑事・野上が半分主人公と言ってよく、光彦の出番が増えるのは中盤以降となる。最後のオイシイ部分は光彦が持っていくが、映像化の際は光彦が最初から出ていることが多い。

  • 祐子の事故死と、事故から生き延びた祐子の友人・正法寺美也子も8年後何者かに殺害され、それが凶悪な連続殺人の幕開けとなった
  • 真犯人は作中に登場時からエリートの特権意識丸出しの傲慢かつ高圧的な態度
  • 犯行理由も非常に身勝手かつ利己的(取り調べでも『自分は最悪の事態を想定し、最善を尽くしただけ』と反省してる様子がほぼなかった)
  • 事件の解決場所が三次警察署内だった

などの理由から真犯人本人にその後の身の振り方の選択余地を与えなかった、本シリーズで珍しい事件でもある。

まさに「名探偵・浅見光彦の誕生」となる作品だが、取り調べシーンで広島県警本部長の榊原が「彼(光彦)は只の素人が探偵の真似事をしている訳じゃない。浅見陽一郎刑事局長の弟君という血筋だし、これまでも数々の難事件を解決している」と発言し、後鳥羽伝説殺人事件以前にも何件かの事件を解決に導いた事を示唆している。


宿敵編集

そんな経緯上特定の敵はいなさそうに思える光彦だが、第11作目『漂泊の楽人』にて最大の敵が登場する。

その名は「保全投資協会」。現代でいう出資詐欺、コンサル詐欺にあたる巨大詐欺グループで、甚大な被害を出したその組織により光彦は大学からの友人・漆原宏を失い、そのため全く情を見せず(と言うかルポライターのついでではなく完全に探偵として)、犯人のプライドや尊厳を徹底的に破壊した上でその後の選択の余地を与えず警察に突き出した、『後鳥羽伝説殺人事件』以来2度目のケースである(因みに真犯人は自殺するつもりだった)。

その後組織は壊滅するが、その残党からしてみれば光彦は宿敵であり、光彦自身もその後保全投資協会絡みの時だけは穏やかな顔をかなぐり捨てる事もある。

『城崎殺人事件』は光彦と保全投資協会の残党との対決を描く、後日談的な作品。


最後の事件編集

原作者の内田氏は2011年に「来年(2012年)で浅見光彦シリーズを完結させる」と発表した。

内田氏曰く「適当に書く訳にはいかないので、作品の舞台となるドイツオーストリア計5回ぐらい取材旅行する事になった」との事で、発行は当初予定の2012年より遅れたが、作中冒頭で34歳の誕生日を迎える『遺譜 浅見光彦最後の事件』(2014年発売)を以って、29年以上(雑誌での連載を合わせると32年以上)続いた「浅見光彦シリーズ」は完結。

ラストシーンで光彦は軽井沢のセンセに対し「結婚するので浅見家を出る事にしました」「これを機会に『探偵ごっこ』はもう辞めます」と告白する。

引退を悲しむ軽井沢のセンセに光彦は「実はセンセに教えてない事件簿があと4つある。後日お渡しします」と締めくくり、角川書店も『外伝的、前日譚的なものをあと4作出したい』と公式コメントしていたが、2015年内田氏は脳梗塞を患い、連載中の『孤道』は休筆。「事件の解決シーン及びラストは読者から応募し、最優秀作品を採用する」という方法で孤道は2016年完結したが、内田氏が2018年に永眠した事により、残り3作の発表は事実上不可能となった。


演じた俳優編集


なお、単発では国広富之(1982年、TBS)、篠田三郎(1986年、テレビ朝日)、高嶋政伸(2002年、日本テレビ)、岩田剛典(2022年、テレビ東京)も浅見光彦を演じている。


関連項目編集

天河伝説殺人事件


名探偵コナン:漫画連載約30年・アニメ放送約28年という日本を代表する推理作品のひとつで、TBS版で光彦を演じた沢村一樹も劇場版作品ゲストキャラを演じた経験がある。なお、登場する探偵の多くは探偵としてのあり方が光彦と完全に真逆で、長寿作品でありながら「推理後に犯人が自殺」という展開をほとんど扱っておらず、(映像化された推理作品で)この展開を扱った場合はほぼ確実と言っていいほどこの作品と比較されやすい


円谷光彦:『名探偵コナン』の登場人物。名前の元ネタは一般公募で決められたもので、光彦から取られたわけでないが、彼の姉の名前は字は違うが「朝美」という「浅見」と読みが同じであり、2人の名前をくっつけると「あさみみつひこ」になる。

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