概要
これまで太郎に振り回され散々な目に遭ってきたタカシがかつてない災難に見舞われる。
話の流れ
理科室。5-3は理科の授業で電気分解の実験をすることになり、どういうわけかリエは魔法使いの格好になる(本人曰く「この方が気分が出る」らしい)。
一方タカシは、どこから持ち出したのかカプセルでジェームズのクローン培養をする太郎にツッコミを入れる。
ともあれタカシ班は飽和食塩水に入った電極棒のコードを繋ぎ、すると食塩水の電気分解により塩素ガスと水素ガスが発生、泡立ちとともにプールのような塩素臭が漂う。ここで先生が「そのガスは毒だからな、早く退くように」と親父ギャグをかまし、タカシ班は「シャレにならんぞ」とドン引き。とその時、何やら真っ黒な煙が何故かそこにあった不気味な壺から発せられ、その場には太郎が。タカシが「何やってるか知らないけど、みんな迷惑してるだろ」と注意すると、太郎は腕を伸ばしてタカシの髪の毛を抜き壺に入れる。「これで完成」
果たして壺からは紫色の泡が吹きこぼれ、泡からは小さなタカシが何体も現れるや女子達にくっつき、女子達は嫌がって追い払おうとする(リエが「かわいい」と目を輝かせる横できょう子は巨大ハンマーを振り回していた)。太郎はアナウンサーの格好で「突如大量発生したタカシムシは女の子に見境なく群がる習性があるようです」と伝える。しかも、そのタカシムシはタカシ本体を退治することで消滅するとのこと。女子達は怒りの視線をタカシに向けて詰め寄り彼を袋叩きにし、太郎はタカシの0点の答案を見せる。タカシムシは消えて行ったが、タカシ本体は袋叩きに遭い気絶してしまった。
保健委員のリエは気絶したタカシを保健室に連れて行くが、何故か校医が太郎だった。校医太郎は「手術が必要」とタカシを何故かそこにあった手術台に乗せ、リエにはナース服を渡す。
太郎も何故か手術着になり、本格的に執刀。ナースのリエにメス、ピンセット、そして何故か爪楊枝の渡しを指示すると、手術を全自動に任せてリエと2人で水羊羹を出して茶道を始める。全自動手術装置によってタカシの全身には包帯が巻かれ、太郎は「困難なオペだった」と一安心(後半は何もしていないが)すると、リエと2人で「(タカシは)全治1日の重傷」と保健室を後にする。
程なくして目を覚ましたタカシ。自分の全身に巻かれた包帯を外し、ベッドから起き上がる。
そして廊下でマサミと談笑するきょう子の肩を叩くが、きょう子はタカシの存在に気付かない…いやマサミも「どこにもいない」と。そこへリエも駆けつけ、タカシが全治1日の重傷で保健室で休んでいることを話す。3人は保健室へ行ってしまい、直後に通りかかった男子生徒も「何かにぶつかったと思ったんだが…おかしいな」とタカシの存在をまるで認識しない。
ここでタカシは自分の手や足に目をやるが…全く見えなかった!つまり、タカシは透明人間になってしまったのだった。透明タカシは先程すれ違った太郎なら事情を知ってるかもと思い追跡する。
その頃保健室では、リエ達がタカシのお見舞いに来るももぬけの殻だった。その間も透明タカシは廊下を静かに歩く太郎を追いかける。途中で教頭のおっぱいにぶつかるも、本人は「誰もいないみたいですわね」と校長と共に談笑。透明タカシは自分が透明なのをいいことに、何をしてもバレないと思い立ち…。
- 職員室で授業にも行かずゲームしている先生と、次の授業のテスト問題を覗き見する。
- 国語の授業中に居眠りしているユタカの顔にマジックで肉と落書き。
- ユウジの眼鏡を取る。
- マサミのノートに「んこタレ」と落書き。
- 給食の時間、メチャワル星人や他の生徒の机からプリンを失敬し、空の容器を全部メチャワルの席に押し付ける(生徒達はこれで一斉にメチャワルを犯人だと疑い袋叩きに)。
その時、太郎が透明タカシの存在に気付いてか否か「タカシ」と声をかけ、頭を回転させて後頭部の寝顔を表にして居眠りする。休み時間になり、これまで太郎のせいで散々な目に遭わされた仕返しをしようと透明タカシは太郎を追跡。太郎が男子トイレに入ると、透明タカシは内側が「押」になっているドアの前に立ち塞がるが数回のノックの後、太郎はドアの隣の壁を開けて出る。透明タカシが「そんなバカな」と落ち込む間もなく、今度は顔を洗ったユタカがドアを開けてきた。
ユタカ「やっと落書き消えたよ…犯人を見つけたらペチャンコにしてやる~!」
透明タカシ「もうされてるんですけど~…(泣)」
社会科の授業でも透明タカシは太郎が落とした消しゴムを盗むが、太郎は天井から伸びた紐を引き、山盛りの消しゴムが入った金だらいを落とす(落下地点:透明タカシの頭上)。きょう子はタカシの消息がわからず、もう帰ったのかと思い彼の席の方に目をやる。ここで「一番やりたかったこと」と称してきょう子とキスしようとする透明タカシだったが、太郎がきょう子の方に目を伸ばしていた。
「やっぱお前、見えてんじゃないのか!!」と透明タカシは大声を上げる。いくら見えないとは言え流石に今の大声は気まずさを感じたのか、後ずさりする透明タカシ。すかさず太郎が頭頂部からレーダーを出し、透明タカシ目がけて物凄い形相で走る。透明タカシは逃げ出し、ユウジ達は「何かに気付いたんだ」と感じるが太郎は何周か走るうちに掃除用具庫を開けた。するとそこにはUFOラーメンのおじさんが。「どこでラーメン作っとんじゃい!」
ともあれ、リエはタカシの声はすれども姿は見えない状況を「霊の仕業」と推理し、生徒達は恐怖の表情になる。
マサミ「それじゃ…タカシくんはもうこの世にはいないの?」
リエ「うん」
この発言にきょう子はショックを覚え、「バカでスケベでどうしようもないけどそれでも好きだった」と涙目になりスキャットだらけのレクイエムを歌う。
先生「タカシよ…どうして先生より先に天国へ逝ってしまったんだー!?」
校長「君には…まだまだ勉強してほしかった…!」
教頭「本当に…試してみたい新しい技もありましたのに…!」
一同「タカシがこの世にいない」という根も葉もない噂に号泣し、当の透明タカシは「だから生きてるって!」とツッコむ。その悲涙ムードを破るように太郎は自分の背中のハンドルをきょう子に回してもらう。果たして出て来たのは透明タカシの悪行を映した写真の数々で、その写真全てにはタカシが透明でない状態でハッキリ写っていた。太郎は横でこれらの写真を収録したであろう心霊写真集を売り出す。
透明タカシは激怒して「やっぱお前見えてたんだな!」と太郎に詰め寄る。しかし背後ではもっと激怒している人々が……。
マサミ「なるほど…透明人間ね…(怒)」
先生「テスト問題をカンニングしたな…(怒)」
ユタカ「おでこに『肉』って書いてやる…(怒)」
ユウジ「ボクの眼鏡…(怒)」
メチャワル「プリンの恨み晴らさで置くべきかだメチャ…(怒)」
教頭「不埒な悪行三昧許せません!お仕置きです…(怒)」
きょう子「この大馬鹿三太郎…こっそりチューしようとするなんてサイテー!(怒)」
リエ「いいな~!リエも透明人間になりたいな~!!」
…一人変なのがいるのは置いておくとして、透明タカシはその場の全員から白い目で見られ四面楚歌状態に。三十六計逃げるに如かずと教室を出る透明タカシを皆は追う。揉み合いになってしまった追手をよそに透明タカシ自身は冷静に逃げ出すが、踊り場の所で太郎とジェームズのかごめかごめに巻き込まれ足止めを食らう。追手達が校庭に出て来ても、「透明だから目の前にいても気づかれない」となおも余裕の透明タカシ。その時マサミはラインカーを手に奔走、中の白粉が巻き上がり透明タカシの皮膚にかかる。これによってタカシの所在が追手にバレてしまい、白タカシは校門から逃走。なおも追手が来るも、走っているうちに白粉が取れて透明に戻る。しかし透明状態が直りかけ、そのうちに太郎も角を赤ランプにし、サイレンを鳴らして追跡。透明タカシは太郎に「身体が元に戻りそうだから何とかしてくれ」と頼むと、太郎は目ビームを出してタカシの身体をカラフルな迷彩に。「そんなんいらんわ!」と怒るタカシに、太郎は飲み薬を渡す。タカシはその薬を飲むが、瞬間毛むくじゃらに。その薬とは「ハイパースペシャル毛生え薬」で、透明な地肌から毛が生えてくると言うものだった。太郎は今度は「たべてキーク」というお菓子をタカシに渡し食べさせると、タカシの全身を覆っていた毛は抜け元の姿に。ところがすぐに身体が大きくなり、ついには巨大化してジャイアントタカシになってしまった。全裸のジャイアントタカシは股間を押さえて赤面、太郎は「1か月経たないと元に戻らない」と警告。先生は謎かけを思いついた。
「大きくなったタカシとかけて、5月5日の鯉のぼりとときます。その心は…屋根より高い」
あまりにそのまんまな先生の謎かけに一同ズッコケる。
太郎「お後がよろしいようで」
ジャイアントタカシ「お後もお先も真っ暗じゃ~!!」
余談
- 冒頭の理科の授業での電気分解の実験は通常、中学校で習う内容である。
- 先生の台詞から判明したリエの苗字は「ともさか」。
- 透明タカシが本当に太郎に見えていたかは定かではないが、そもそも腕や脚を伸ばし頭を交換できる宇宙人の彼のことであるため見えていてもおかしくはない。