概要
百里・百錬の開発で蓄積されたノウハウを元に、テイワズがマスプロダクトモデルとして開発した汎用モビルスーツ。
エドモントンでの戦闘に於いてその実績が評価された鉄華団に格安で優先配備されており、ランドマン・ロディと共に鉄華団の主力モビルスーツとして運用されている。
エイハブ・リアクターこそ古戦場からのサルベージ品を転用しているものの、厄祭戦当時の設計データを元に建造された百錬とは異なりフレーム自体は素材の精錬から設計・開発までを現行技術で行っており、不測の事態に備えブロック単位でフレームを切り離しても活動可能など、整備性・機動性に優れる。
単機での戦闘能力よりも集団での連携を想定としており、様々な環境で活動出来るよう換装装備も多数用意されている。
グレイズと同じく頭部には展開式の高感度センサーユニットを搭載しており、通常は単眼センサー付きのバイザーによって保護されている。バイザーは運用用途や環境に応じて換装でき、また後頭部に長距離通信アンテナを増設する事も可能。
一方で阿頼耶識システムは搭載されておらず、インターフェースは設計のベースとなった百錬、百里と共通の物が採用されている。これは動作システムに対する安定性という観点に加え、CGS時代の慣習であった阿頼耶識システムから脱却し、それに頼らない組織を構築するという鉄華団の方針も加味されている。ただしコクピットを換装することで阿頼耶識システムに対応させることは可能であり、劇中では獅電改(流星号→雷電号)がそのような改造を施されている。
最終決戦では通常の獅電3機、雷電号、「王様の椅子」の5機が後方支援として出撃。
エルガーが戦死して1機が戦場で破壊され、残り4機は乗員全員が降りて退却後本部にダインスレイヴでの砲撃が加えられたためそのまま破損したものと思われる。
機体データ
型式番号 | STH-16 |
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全長 | 18.1m |
本体重量 | 28.5t |
動力源 | エイハブ・リアクター |
使用フレーム | イオ・フレーム |
武装 |
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主なパイロット |
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バリエーション
獅電(テイワズ仕様)
製造元であるテイワズで運用されている獅電。
鉄華団仕様とはカラーリングが異なり、こちらは百錬と同様の紺を基調としている。
劇中における主なパイロットは、アジー・グルミン、ラフタ・フランクランドなど。
獅電改(三代目流星号)
テイワズから提供された内の一機をノルバ・シノ専用機として改修した機体。
シノの要望で肩部にスラスターを増設し、左腕部にガントレットシールドを装備することで、高い機動力を生かした戦闘を行えるように設計されている。
また、改修に伴いシノのかつての乗機である流星号(グレイズ改弐)のコックピットシートとエイハブ・リアクター、戦闘データ等を移植しており、鉄華団の運用する獅電の中で唯一阿頼耶識システムに対応した機体となっている。その他にも歴代流星号から機体名称やカラーリング、頭部ノーズアートなどの要素も受け継いでおり、シノのパーソナルな部分が強調されている。
ハシュマルとの戦闘に於いて、自身が搭乗していた獅電(一般機)が使用不能となったライド・マッスがこの戦闘でガンダム・フラウロスに乗り換えていたシノに代わって急遽持ち出し、中破しつつもプルーマとの分断作戦に一役買った。
獅電改(雷電号)
ハシュマル討伐後にシノから正式に譲り受けた獅電改を、修復も兼ねてライド専用に再改修した姿。機体名の「雷電号」はライドが命名したもの。
ピンク色(マゼンタカラー)を基調としていた流星号から一転、黄色をメインに左肩装甲に青い稲妻をあしらった再塗装が施された。バイザー以外の仕様は概ね流星号時代に準ずるが、新たな装備としてガントレットシールドを右腕にも装備し、ナックルガードとして使用する超接近戦仕様の機体に生まれ変わった。
最終決戦時は、ライドがオルガと共に本部を離れていたため、代わりにエンビが搭乗した。
「王様の椅子」(獅電/オルガ機)
団長であるオルガ・イツカの専用機。「王様の椅子」の呼称は、シノが「火星の王」を目指すオルガの乗機であることと、後述のようにあくまでもお飾りとして配備された事を揶揄した発言による。
一角を思わせるブレードアンテナが配された専用のバイザーや左肩の固定式のシールドが追加され、白を基調に赤いラインをあしらった塗装が施されているのが特徴。
しかし実際にはオマケで一台多く手に入れた余り物の獅電を組織の旗印・象徴として飾り立てただけの機体であり、システム面も阿頼耶識システムにも対応させていない通常仕様のままなど、戦闘に使用することは考慮されていない。
監督の長井龍雪は雑誌のインタビューで「そもそも司令塔であるオルガが、持ち場を放棄しモビルスーツに搭乗せざるを得なくなったという状況自体、『起きてしまったらその組織は終わっている』ものである」とコメントしており、実際オルガ本人はこの機体に搭乗することは一度もないまま(ハシュマル戦中に一度だけ乗ろうとしたことはあったが三日月に止められた)死亡している。
最終決戦では副団長のユージン・セブンスタークが搭乗したが、三日月の意向でユージンが撤退した事で機体は放棄されている。
武装
ライフル
百錬のJEE-205アサルトライフルをベースにした獅電の主兵装。
非使用時はリアスカートにマウント可能。
パルチザン
エウロ・エレクトロニクスが獅電の標準装備として開発した格闘戦用の槍。
柄には伸縮機能が備わっており、状況に応じて破壊力か取り回しを優先出来る。
非使用時にはリアスカートやバックパック等にマウントする事が可能。
ブレーティッドバッド
単純な破壊力を増す為にブレードが備わった格闘専用の棍棒。
非使用時にはバックパックにマウント可能。
ライオットシールド
他のモビルスーツ用のそれと比較して防御面積の大きいシールド。
主にそのサイズを利用した艦艇の護衛や拠点防衛任務に用いられる。
ガントレットシールド
獅電改の左腕に装着される小型盾。雷電号に改修された後は右腕にも装備されている。
機動力に重点を置いた獅電改の機体特性に併せて装備されており、軽量で取り回しに優れる。
先端部はピック状になっており、格闘武器としても使用可能。
立体物
HG IBOシリーズには「イオフレーム獅電」としてラインナップされている。
また、バリエーション機である流星号、雷電号、オルガ機(王様の椅子)、テイワズ仕様は、HGキットがプレミアムバンダイにてそれぞれ「イオフレーム獅電改(流星号)」、「イオフレーム獅電改(ライド機)」、「イオフレーム獅電改(オルガ機)」「イオフレーム獅電(テイワズ所属機)」として販売された。