陽炎型と夕雲型との過渡期に生まれる
本艦は浦賀船渠で建造された陽炎型駆逐艦の19番艦。
秋雲は改陽炎型駆逐艦(のちの夕雲型駆逐艦)の1番艦となるはずだったが、補充を急いで陽炎型の設計で建造された。このため長らく陽炎型なのか夕雲型なのか不明だったが、戦史研究が進んだ1990年代、陽炎型であることが判明した。
- 本艦が戦中戦後に夕雲型としても扱われた背景として、ほぼ同時期に夕雲とその同型・巻雲も建造されており、同時建造中の異型どうしに艦名に「雲」を持つ駆逐艦があることで混乱が生じたためであるとも言われる。
- また異説の域を出ないが、本艦は当初、秋雲ではなく「島風」と命名される予定だったとの説もある。これによると、「島風」の名が改陽炎型と並行して建造が進められていた丙型駆逐艦に使われることになり、結果、改陽炎型の1番艦の名前になるはずだった「秋雲」が繰り上がったという。
ところで、前級にあたる朝潮型駆逐艦で試験的に採用された交流電源が、次級の夕雲型より本格採用されたこともあり、本艦は艦隊型駆逐艦として最後の直流電源採用艦ともなっている。
第二次大戦期の日本海軍の駆逐艦において、艦名に「雲」を持つ艦は陽炎型の本艦のほかに、
以上の3級・11隻があり、秋雲および吹雪型の4隻が直流電源、朝潮型と夕雲型の7隻が交流電源である。
蛇足だが、以上の「雲」系の駆逐艦で終戦時に残存していた艦は1隻もない。
艦暦
1940年
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1941年
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1942年 |
1943年
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1944年 |
諸元
全長 | 118.5m |
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全幅 | 10.8m |
排水量 | 基準:2033t 公試:2500t |
機関出力 | 5万2000馬力 |
速力 | 35ノット |
航続距離 | 5000マイル/18ノット |
乗員 | 239名 |
兵装 | 50口径12.7cm連装砲塔×3基 25mm連装機銃×2基 61cm四連装魚雷発射管×2基 両舷用爆雷投射機×1基 手動式爆雷投下台×4基 水圧式爆雷投下台×2基 |
その他の詳細・・・
Wikipedia:秋雲 (駆逐艦)参照
艦これ攻略Wiki:秋雲参照
駆逐艦秋雲をモチーフにした艦隊これくしょんのキャラクター
→ 秋雲(艦隊これくしょん)を参照。
秋雲の艦名は海上自衛隊のやまぐも型護衛艦あきぐも(DD-120→TV-3514)に受け継がれた(2005年除籍)。なお、2代目あきぐもも浦賀船渠(末期は住友重機械工業浦賀工場)で建造されている。
主な登場作品
前述のように一時期は夕雲型として扱われた関係上、一部のシミュレーションゲームでは夕雲型駆逐艦として登場している作品もある。
- 太平洋奇跡の作戦 キスカ(1965年)
キスカ島撤退作戦に参加した駆逐艦として登場。