CV:田中正彦
概要
風の国の大名の軍縮の方針の中、妻・加瑠羅やその息子・我愛羅を犠牲にしてまでも里の力の強化を図っていた。実子である我愛羅には欲しい物はすべて買い与え徹底して甘やかす一方、油断したところを狙って刺客を差し向けるなど、その親子関係は劣悪だった(我愛羅の回想に素顔が出ているが、息子を見る表情は冷酷だった)。
中忍試験の折に初登場するが、その正体は大蛇丸と薬師カブトの交互による変装であり、本物は大蛇丸によって暗殺されており、木ノ葉までの道中にて側近と共に虫の集った死体姿で発見された。
第一部ではこの他に我愛羅の回想シーンでのみ登場。
どのような形で大蛇丸に殺されたのかは一切語られていないが、(アニメ版では君麻呂の回想内で大蛇丸に剣で胸を一突きにされた描写がある)二代目火影の使う穢土転生を大蛇丸が使えたのを三代目雷影や二代目水影に語っていた事から推察すると、大蛇丸の穢土転生によって操られた柱間と扉間の二人と交戦して死亡した可能性が高い。
使用する術は砂金を操る血継限界の磁遁であり、守鶴(一尾)が暴走した時もこれで対処する。また、術を発動させる際、我愛羅同様の目の隈が発生し、我愛羅と同じ術を使う(金角・銀角兄弟と同様の特殊体質なのかは不明)。
蘇生後
第四次忍界大戦では、薬師カブトの穢土転生によって蘇生され、息子である我愛羅を発見する。その際、我愛羅が五代目風影となった事やチヨバアが我愛羅を救った事、友が出来たと言う事に驚きを隠せなかった。
三代目雷影の発言に「だと言いがな」と言って絶句されたり上記の友人が出来たことへの驚きを二代目水影にツッコまれたりと我愛羅のみならず里自体への信用も低いという里長がそれでいいのかという描写も見られた。
「もう一度息子の価値を自身で確かめる」と言い、敢えて我愛羅と対峙し交戦するが、自身が操る砂金の盲点を突かれ、身動きが取れなくなった。この時、我愛羅の砂が妻・加琉羅の姿を象るのを見て、初めて「強くなった」「親ってのはただ、子供を信じてやればいい」と親心を見せ、夜叉丸が「母に愛されてはいなかった」と偽りの告白をした真相を明かす。
風影としての責務や周囲からのプレッシャーのせいでもあるとはいえ、今までの己が我愛羅にして来た事こそが失敗だったのだということを悟り、加琉羅が母親として「どんな事があっても我愛羅を守る」と愛情を注いでいたことを教え、命を狙う程追い込んだことを父親と言うのもおこがましいと自嘲する程に後悔し謝罪した。しかし、それでも我愛羅が自らを「父」と呼んでくれたことと、自分などとうに超えていた息子の成長に涙を流し、最後は我愛羅に里を守る事を願いながら封印された。
評価
第四次忍界大戦時における我愛羅も父との和解を果たした良いシーンに見えるが、ファンからは「あそこまで酷い事をしておいても説得力に欠ける」と言われてしまう事が多い。
特に執拗な暗殺未遂や妻の弟を使い捨てにしてまで我愛羅のストレステストを行う部分に関しては「どんなにストレスに強い奴だって、どんなに頑丈な物だって、壊れるまでテストし続けたら絶対にいつか壊れるに決まってる」「何を持って合格としたいのかまるで不明」と意図自体は理解するが執拗すぎると非難されている。
ただし、忍五大国の中でも過酷な環境下にある里の情勢や、五影として里の為にいかなる手段もとらねばならない責任からも、羅砂の行いもある程度は仕方のなかった部分もあるのは確かである。
実際、羅砂の非情な仕打ちを受けていた当の我愛羅自身も、父の跡を継ぐ形で風影になった結果、父が五影として背負わねばならなくなった重圧の重さについて理解する様になった事を穢土転生によって蘇った羅砂本人に語っている為、「『忍界』という非情さや過酷さが求められる世界の価値観は、平穏に生きる事の許される『普通の世界』とは違うのである」という事実もちゃんと考慮すべきで、単純に羅砂を「身勝手」と切り捨てるのは、良くないだろう(酷い事をしたのなら、倫理を無視した穢土転生を開発した二代目火影や白眼欲しさの為に形振り構わない手段に出ている四代目雷影、テロ集団である暁を利用した三代目土影等も同じである)。
関連タグ
○代目風影
奈良シカマル:義理の息子。但し直接の面識はない。
奈良シカダイ:会うことは叶わなかった孫。