概要
2020年5月に公開され、物語は前作「霹靂俠峰」に続く。サブタイトルは「逆神聖戰」。「霹靂布袋戲」シリーズの主人公である素還真が化身も含め、一切登場していない。
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解説
本作から霹靂社のロゴデザインが変わり、公式サイトも一新される。コロナウイルス(COVID-19)の影響もあって、公式サイトの更新が本作の公開時に滞る。
前作に引き続き、酷評された逆神七皇が魔闇の神々と戦う様子が描かれる。その一方、「霹靂靖玄錄下闋」の南域に深く関わる西窗月が、「河圖十智」の賢人たちと絡む形で、新たな敵「誅世之墨」に立ち向かう。
あらすじ
中原正道と罪神虛無の激戦の末、罪神虛無が獨千秋と合体し、さらなる脅威・創世神無となる。神を殺すために、逆神七皇たちが創世神無の討伐に向けて、準備を開始する。
中原が動乱する中、辺境にいる大汗瑯都(だいかんろうと)が軍隊を率いて中原に侵攻。玉龍隱士の要請を受け、南宮七郡(なんきゅうしちぐん)の主・向南宮が将兵と共に迎撃する。
一方、道士の一色秋が偶然「誕鬼妄筆」に触れる。これにより、煙都、鬼域、南域と武林を巡る大きな謎・誅世之墨が表舞台に浮上。多くの犠牲を作った元凶を滅ぼすため、女臥龍ごと西窗月が仇敵である誅世之墨に対抗する。
主な登場人物
西窗月(せいそうげつ)
「女臥龍」の二つ名を持つ賢人。墨殤傳サイドの主人公。
両親の死から、仇敵・誅世之墨に挑む。
誅世之墨(ちゅうせいしぼく)
謎の魔物。墨の気で他人を操るほか、墨人を作って活動する能力を持つ。
魔筆「誕鬼妄筆」の所有者で、武林に戦乱をもたらす。
玉龍隱士(ぎょくりゅういんし)
河圖十智の二位である賢人。
創世神無と対抗する一方、西窗月たちと共に誅世之墨と戦う。
三先天の儒教先天。誅世之墨の墨気に侵される。
墨気を解くために、南宮七郡へ向かう。
三先天の道教先天。
墨気の解き方を探すため、南宮七郡に入る。
創世神無(そうせいしんむ)
前作終盤で罪神虛無と武神の獨千秋が合体した姿。
本作における逆神七皇の主な敵。
南宮七郡
(なんきゅうしちぐん)
西武林に位置する、七つの郡によって構成される地域。
地域内に誅世之墨による墨印の解き方があるとされる。
向南宮(こうなんきゅう)
南宮七郡を統べる主。優れた剣術で、大汗瑯都と戦う。
向小簪(こうしょうさん)
向南宮の娘。子供っぽく自由奔放な性格。
衍半生(えんはんせい)
向南宮の養子である金好きな賢人。河圖十智の第七位。
龐蒼遠(ほうそうえん)
かつて南宮七郡の武術の第一人者とされる、片腕の刀使い。
向南宮に罪を着せられ、反逆のために組織「浮逃人」を結成。
西部劇に出そうな格好をしている。
江獨步(こうどっぽ)
南宮七郡の武将。向南宮への恩義から、彼に従う。
元は「霹靂奇象」で活躍した儒門天下の武官・獨步尋花である。
死んだ主・車鴻儒の敵討ちのため、儒門天下から出奔。
胡楊淚(こようるい)
反逆組織「浮逃人」に所属する女性。
衍半生と何らかの関係があるようだが……。
中原武林
晏朝歌(あんちょうか)
西窗月の後輩である豪快な青年劍客。西窗月を慕って、その護衛役に就く。
「霹靂靖玄錄」に登場した琴狐と占雲巾の後輩でもある。
鬼齋狐(きさいこ)
怪談小説を愛読する書生。
息子の奇病を治すため、誕鬼妄筆を求める。
畫疵骨醜(がしこつしゅう)
醜い姿をしている怪しい画商。誅世之墨を敵とみなす。
謎の絵巻で妖魔を召喚して、人々を襲う。
算九泉(さんきゅうせん)
内気なからくり師。河圖十智の第六位。
独楽を武器として駆使する。
秦假仙(しんかせん)
中原一の情報屋。河圖十智の第九位。
子分を連れて、南宮七郡を中心に活動する。
文太公(ぶんたいこう)
河圖十智の指名者である老人。
創世神無に助力するふりをして、その消滅を図る。
少英雄(しょうえいゆう)
英雄になりたい少年剣士。修行を経て、一度逆神七皇の一人になる。
創世神無の討伐に失敗し、その役目は冀長鋏に引き継ぐ。
茶教授(ちゃきょうじゅ)
華剛山に住む茶道職人。正邪の両方と交流する。
東瀛出身の美青年。逆神七皇を指揮して創世神無を討伐。
後半から八歧邪神と共に「朱雀靈鄉」へ赴く。
大汗瑯都
(だいかんろうと)
中原の辺境に存在する国。前作で友好国だった悅皇神都を滅ぼす。
本作から中原へ侵攻を開始し、南宮七郡と交戦する。
神煌耀世(しんこうようせい)
大汗瑯都の残虐な帝王。軍を率いて中原へ侵攻する。
瑯都夜王(ろうとやおう)、東皇雪(とうこうせつ)
神煌耀世の息子夫婦。ともに南宮七郡に攻め入る。
獨影無間(どくえいむけん)
大汗瑯都の武将で、神煌耀世に尽くす忠臣。武器は槍。
道教
本作も青陽子率いる聖龍口(せいりゅうこう)を中心に活躍する。
誅世之墨に襲われながら、創世神無との戦いから身を退いた。
聖龍口の道主。創世神無と交戦後、一度誅世之墨に操られる。
聖龍口の元副道主。逆神七皇の一人。
創世神無の討伐に失敗した後、青陽子と共に傷を癒す。
聖龍口の副道主。息子が收萬劫にさらわれる。
元・天邪八部眾の阿修羅王。八歧邪神の力によって復活。
豁青雲の子をさらい、その養父となる。
辰太尋明(しんたいじんめい)
生まれる前から誅世之墨の墨気に侵されるが……。
魔羅血界
(まらけっかい)
かつて仏門に封印された、魔族が棲む世界。
識滄海(しきそうかい)
河圖十智の第八位である賢人。魔羅血界の出身者。
魔羅血界の件で、表舞台に浮上。
墨雲濤(ぼくうんとう)
魔羅血界の剣士。任務で中原に入る。
魔劍嶽
(まけんがく)
魔嶽地界という地域にいる魔剣士の組織。中原の侵略を虎視眈々と狙う。
魔嶽劍主(まがくけんしゅ)
魔劍嶽の主。中原侵略を狙う。
夜雨滄神(やうそうしん)
元熾煉界の剣士。魔劍嶽によって復活され、記憶を失う。
魔劍嶽の殺し屋・玄雪冥荒(げんせつめいこう)と名乗って活動。
雪憐(せつれん)
魔剣士の紅一点。赤華劍(せきかけん)の使い手。
赤い傘になった夫を差している。
淨龍雲瀟(じょうりゅううんしょう)
雲海仙門の護法。魔嶽劍主の息子。
後半から締魔剣に操られ、魔剣士の一員になる。
逆神七皇
(ぎゃくしんしちおう)
神に逆らう力を持つ人々の総称。本作で創世神無などの神々と戦う。
雲海仙門の仙人コンビ。
創世神無の討伐に成功した後、君奉天が雲海仙門の復興を始める。
元閻羅鬼獄の武将。逆神七皇の「龍羿紫龑皇」。
阿修羅
死國の戦神。逆神七皇の「狼首銀犽皇」。
皇劍孤臣(こうけんこしん)
北境三峰の一人。逆神七皇の「劍心無鋒皇」として覚醒。
冀長鋏(きちょうきょう)
北境三峰の一人。少英雄の代わりに参戦する。
逆神七皇の「馳雲夜駒皇」として覚醒。
北境三峰の一人。靜濤君の代わりに参戦する。
逆神七皇と同等の力「劍神絕世」で、創世神無と戦う。
神々
逆神七皇の敵対対象。
東瀛百妖卷の邪神。魔闇の神々の一柱。
無間閻神(むけんえんしん)
閻神地界を統べる神。魔闇の神々の一柱。
死神
死國の神。魔闇の神々の一柱。
厄禍(やくか)
八歧邪神の体内に潜む破壊神。魔闇の神々の一柱。
太曦神照(たいぎしんしょう)
「大地光明の母」と呼ばれる女神。魔闇陣営の神々と敵対する。
用語
誕鬼妄筆(たんきもうひつ)
誅世之墨が所有する魔性の筆。通称「魔筆」。
この筆を入手した者は、意識が徐々に誅世之墨に浸食され、殺戮など常軌を逸脱した行動を取るようになる。また浸食された状態で、死ぬ前まで怪談小説を書いた者もいる。
「人の容貌や奇病を治せる」という噂によって、各勢力が奪い合う対象となった。
所有者 | 読み方 | 身分 | 状態 | 備考 |
---|---|---|---|---|
車鴻儒 | しゃこうじゅ | 儒教の文士。江獨步の主。 | 故人 | 浸食された状態で小説「墨殤傳」を著す |
道拂衣 | どうふつい | 道教の仙人。西窗月の父。 | 故人 | 浸食された状態で怪談小説「酆都炎涼記」を著す |
一劍拂塵 | いっけんふつじん | 鹿門寺の高僧 | 故人 | 筆跡が道拂衣と一致する |
一色秋 | いっしょくしゅう | 道教の仙人 | 現在の所有者 | 誅世之墨に肉体を乗っ取られる |
墨人(ぼくじん)
誕鬼妄筆の能力によって造られた、自我を持つ人型の無機生命体。
体が墨で構成され、他人の姿をまねて行動することも可能である。そのうち、車鴻儒が著した小説「墨殤傳」の登場人物が、墨人となって武林で活動している。
一部の墨人は、本当の人間になろうと、南宮七郡の裏で様々な実験をしていた。
墨引(ぼくいん)
誕鬼妄筆の能力を解く重要アイテム。南宮七郡で開発される。
本作の開始時点で、反逆組織「浮逃人」の手に落ち、入手が難しくなる。
魙域(さんいき)
鬼族が生息する地域。多くの亡霊が内部にさまよう。
誕鬼妄筆の発祥地で、最初の墨人はここで生まれたとされる。
鬼可汗(きかかん)
かつて魙域を支配した権力者。誅世之墨によって殺された。
現在は畫疵骨醜となり、誅世之墨を滅ぼそうとしている。
墨殤傳(ぼくしょうでん)
本作のキーアイテム。オープニングにも登場する。
儒教の文士・車鴻儒が誕鬼妄筆で描いた小説。中に登場する人物が墨人になって、作者である車鴻儒を殺した。小説の原本は、南宮七郡に隠されている。この原本を特定の物で燃やすと、墨人の正体を暴くことができる。
墨殤天爆(ぼくしょうてんばく)
誅世之墨の最終目的。膨大な墨気による災害。
人間と負の感情を吸収し、より強烈になる。墨殤天爆に殺された者は、墨気によって文字となり、空に浮かぶ。文字の一つ一つが、強い殺傷力を持つ爆弾であり、中原を破壊していく。
惡魔之水(あくまのみず)
魔羅血界由来の災害。強大な洪水で中原に災いをもたらす。
罪神虛無がこれを利用して、創世神無に進化した。
逆神七皇(ぎゃくしんしちおう)
神に逆らう力を持つ人々の総称。神々を滅ぼすのに必要な戦力。
莫召奴や玉龍隱士の指揮下で、創世神無と戦った。
以下はその一覧である:
人選 | 名称 | 読み方 | 備考 |
---|---|---|---|
君奉天 | 虎魁天虓皇 | こかいてんこうおう | |
帝龍胤 | 龍羿紫龑皇 | りゅうげいしげんおう | |
阿修羅 | 狼首銀犽皇 | ろうしゅぎんがおう | |
靜濤君 | 天翔羽鯤皇 | てんしょううこんおう | 討伐失敗後に脱退 |
天跡 | 鳳鳴玉鶠皇 | ほうめいぎょくえんおう | |
花傾霄 | 萬花並蒂皇 | ばんかへいていおう | 討伐失敗により戦死 |
少英雄 | 雲濤劍鳩皇 | うんとうけんきゅうおう | 討伐失敗後に脱退 |
皇劍孤臣 | 劍心無鋒皇 | けんしんむほうおう | |
冀長鋏 | 馳雲夜駒皇 | ちうんやくおう | 少英雄の代わり |
名劍絕世 | 劍神絕世 | けんしんぜっせい | 靜濤君の代わり。実質は逆神七皇ではない。 |
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