概要
2019年8月に公開され、物語は前作「霹靂靖玄錄」に続く。靖玄錄シリーズの後編で、「皇禍篇」とも呼ばれる。「皇禍」とは、皇鱗がもたらす災いという意味である。
「霹靂布袋戲」シリーズの主人公である素還真が化身も含め、一切登場していない。
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解説
本作の舞台は前作に引き続き、武林より南に位置する「南域(なんいき)」が中心となる。前作と比べて、ファンタジーの要素が多い。視聴の際は、前作も併せて見るとより理解しやすい。
映画「西幽玹歌」の公開時期と重なる。作中では琴狐と江南春信らが、「東離劍遊紀」1話のシーンに倣って、電子版月刊と映画を宣伝するシーンが見られる。
あらすじ
鱗族の計略により、重鎮が亡くなっていく南域。琴狐と占雲巾、そして疏樓龍宿と劍子仙跡らも被害を受ける。そんな中、鱗族の王者「皇鱗」が復活し、南域への侵攻が本格化。
一方、道鋒天扇子が手負いの風雲兒を助けるため、ともに墟丘の天竅に入る。南域を守るべく、天竅で修行を始める。
皇鱗を倒すため、南域と中原の人々が動き出していく……。
主な登場人物
琴狐(きんこ)
南域の名探偵。親友の占雲巾と一度決裂するが、ほどなくして和解。二人が力を合わせて皇鱗と戦う。
占雲巾(せんうんきん)
參天鹿幘(さんてんろくさく)の二つ名を持つ占い師。一度命を落とすも、復活される。二人が力を合わせて皇鱗と戦う。
三先天の儒教先天。皇鱗の計にかかり、嗜血者の力が暴走。
嗜血者の体質を分離させるため、俠仙若士とともに天竅に入る。
俠仙若士(きょうせんじゃくし)
劍子仙跡が若返った姿。皇鱗の計により、力が大幅に弱まった。
力を取り戻すために、疏樓龍宿とともに天竅に入る。
道鋒天扇子(どうほうてんせんし)
墟丘の主。風を使いこなす道士。
皇鱗によって命を落とすが、武器の道鋒天扇を疏樓龍宿らに託した。
江南春信(こうなんしゅんしん)
南武林一の鍛冶師。お茶目な性格。
南域を守るため、琴狐たちに協力する。
左无咎(さむきゅう)
墟丘の仙人。太昊天網の製作に関わる技師。
天竅を守るため、墟丘内部の間者をあぶり出す。
刀僧還情(とうそうかんじょう)
刀を武器とする青年僧侶。手負いの占雲巾を一度助けた。
正体は「霹靂劍蹤」時期に登場した情殺が出家した姿。
皇鱗(こうりん)
鱗族の王者。好戦的な性格で、強い再生能力を持つ。
一族復興のため、権謀術数を巡らせ、南域に大打撃を与えた。
海宇之主(かいうのしゅ)
逆世雙鱗の「戰鱗」。南域に災いをもたらす。
小水仙との出会いで、心境が少しずつ変わっていく。
風月主人(ふうげつしゅじん)
海宇之主の「影」。
鱗族で活躍しながら、小水仙の命を守る。
小水仙(しょうすいせん)
麒麟閣の少女探偵。海宇之主との触れ合いで、前世が海宇之主の元恋人であることに気づく。
風雲兒(ふううんじ)
「劍塵」の二つ名を持つ少年剣客。
天竅での修行を経て、強くなった白髪の姿で南域に戻るが……。
高名な医術者にして弓の名手。琴狐らとともに皇鱗に対抗する。
夜飛天(やひてん)
「廣寒神女」の二つ名を持つ、クールな弓使い。
鱗族と戦っているうち、恋人の滌瑕快劍と再会を果たすが……。
西窗月(せいそうげつ)
占雲巾を復活した女性。琴狐と占雲巾の学生時代の同窓。
本作では声のみで、姿を一切見せない。
天涯淪落人(てんがいりんらくじん)
碎骨銀河から来た謎の人物。風月主人の術により、玉佛爺の死体で活動する。
道拂衣という人を探している。
元守默(げんしゅもく)
南域の法執行機関「一局通神」の主。権力に溺れる。
罪人島や鱗族と共謀し、悲惨な結末を迎える。
秦假仙(しんかせん)
中原の情報屋。引き続き破玄奇と同行する。
情公子の姿で行動し、琴狐らに協力する。
破玄奇(はげんき)
元罪惡坑の三惡首。「破三臟」と名乗るようになる。
秦假仙を「八戒」、風雲兒を「悟空」、王蠸を「悟浄」とそれぞれスカウトして、西遊記チームを結成。琴狐らとともに皇鱗と戦う。
王蠸(おうけん)
「天地蝱」として恐れられた覇者。
東山鴨頭を売って平凡な生活を送るが、破玄奇のスカウトにより、「悟浄」になる。
琴狐らとともに皇鱗と戦う。
劍謫仙(けんたくせん)
かつて碎骨銀河からの災いを食い止めた仙人。
「靖玄錄計画」を残し、行方不明になった。
小秘寶(しょうひほう)
天竅内部に住む青琉璃扇貝の精霊。
性格も外見も子供っぽい。疏樓龍宿たちと出会い、行動を共にする。
幽玄剋天守(ゆうげんこくてんしゅ)
幽玄虛淵の権力者の一人。
天竅を目論んで、鱗族と手を結ぶ。
魔夜聽劍(まやちょうけん)
中原出身の孤高な剣客。
風雲兒と刀僧還情と出会い、共に皇鱗に対抗する。
東方璧(とうほうへき)
赫墨族の画家。皇鱗の討伐に参加する。
新海鯪(しんかいりょう)
鱗族の守護者。終盤から登場。
鱗族での地位は皇鱗と同格で、血鯤鯩の命令に従う。
用語
鱗族(りんぞく)
宇宙の外(宇外)から来た異種族。
本作の主な敵で、復興のために南域を侵略する。
魚類がモチーフで、「霹靂俠影之轟霆劍海錄」に登場した天疆の鱗族とは別物。
天竅(てんきょう)
墟丘の奥にある神聖な地域。
内部の時間の流れは、外の世界の数百倍。
風雲兒や疏樓龍宿たちは、体の回復と修行のためにここに訪れる。
対になる存在として、幽玄虛淵の地究がある。
地究(ちきゅう)
天竅と対になる存在。
闇の力に溢れる邪悪な地域。無法者たちが修行する組織「幽玄虛淵」が保有している。幽玄虛淵の目的は、天竅と地究を融合させることで、正邪の混乱を狙う。
碎骨銀河(さいこつぎんが)
宇宙の外(宇外)と南域の間にある空間。
隕石によって砕かれた人間の骨が散在する。昔の西南武林に住む五大奇族が、碎骨銀河からの被害に遭って滅亡した。当時の犠牲者の死体が、碎骨銀河の一部になったとされる。
焚夜天祭(ふんやてんさい)
鱗族が南域にもたらす災いの一つ。
碎骨銀河より大量の隕石を召喚し、空中から南域を攻撃する。前作に言及された「太昊天網」で防ぐことができる。
魘金溫床(えんきんおんしょう)
鱗族が南域にもたらす災いの一つ。
焚夜天祭によって地面に撃った隕石が、人間の命を吸い取る土に変化し、四方八方に拡散する。この土を踏んだ鱗族の者は、戦闘力が上昇する。
鱗化(りんか)
鱗族の秘術によって、人間の体が変化する現象。
鱗族に意識を操られ、体を鱗獸(りんじゅう)に変化することができる。鱗化された人間の特徴として、体の一部に鱗が植え付けられている。
逆世雙鱗(ぎゃくせいそうりん)
血鯤鯩が分離した金色の鱗「皇鱗」と、赤色の鱗「戰鱗」を受け継いだ者のことを指す。海宇之主の場合、人間の身で受け入れることも可能なため、所有者は必ずしも鱗族出身とは限らない。
血鯤鯩(けつこんりん)
鱗族の母体である赤き巨大な魔獣。
かつて宇宙の外(宇外)から南域に侵略するも、碎骨銀河で劍謫仙に食い止められる。重傷を負った状態で、体から「皇鱗」と「戰鱗」を分離し、死亡三角洲に落下。鱗族の決起とともに、南域の生命を吸い取り始める……。
性別はメスで、「后源」にも呼ばれる。
湯問夢澤(とうもんぼうたく)
琴狐たちが学生時代に在学していた場所。江南春信、占雲巾、西窗月、風月主人もここで学問を励んでいた。そのうち、江南春信は首席で卒業した経歴を持つ。
道拂衣(どうふつい)
碎骨銀河について記載した書物「拾異經」の著者。
道教出身の仙人で、本作では名前のみ言及される。
次々回作の「霹靂天越」から、初めて登場する。
靖玄錄計畫(せいげんろくけいかく)
前作と本作のタイトルになった単語。
劍謫仙が行方不明になる前に残した計画。執行するには、選ばれた数人の「靖玄客」が必要。計画の詳細については、本作で明らかにされていない。
靖玄客(せいげんかく)
靖玄錄計畫の執行者にあたる人たち。
天行客・月琴老人によって集められる。苦境に隠されたある災いが起こる際に、靖玄客は時に応じて姿を現すと言われる。
過去作のキャラが含まれており、本作では倦收天、原無鄉、劍非道、意琦行、地冥などが確認できる。