概要
「霹靂布袋戲」シリーズの第75作目。全50章。
2019年12月に公開され、物語は前作「霹靂靖玄錄下闋」に続く。「霹靂布袋戲」シリーズの主人公である素還真が化身も含め、一切登場していない。
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解説
本作の舞台は、前作の南域から中原に戻る。時間軸は「霹靂魔封」の最終回から、おおよそ三ヶ月後である。大まかな内容は「霹靂魔封」の続編で、登場人物が引き続き登場することになる。
武林の戦いの裏に、神々が介入することが本作の特徴で、登場人物の多くが死亡と復活を繰り返す。このことから、視聴者たちから評判が悪い。
題名の「俠峰」は、作品内に登場する「北境三峰」に関わる。
あらすじ
「霹靂魔封」の戦いから三ヶ月後、中原は落ち着いたかのように見えた。南域の平和を取り戻し、帰路につく劍子仙跡と疏樓龍宿。二人は途中で謎の組織・煉魔塔に狙われる。
武林の変化に応じて、河圖十智の一人・玉龍隱士が姿を現し、情勢に関わるようになる。その様子を見た河圖十智の鬼智と夢鈴心も、表舞台に姿を現す。知略を巡る争いが始まる。
一方、煉魔塔に関わる勢力「閻神殿」も裏で蠢き出していく……。
主な登場人物
玉龍隱士(ぎょくりゅういんし)
本作の主人公。河圖十智の一人である賢人。
鬼智(きち)
河圖十智の筆頭。玉龍隱士のライバル。
罪神虛無が降臨してから、その軍師になる。
獨千秋(どくせんしゅう)
古き時代に「武神」と呼ばれた伝説の武者。
玉龍隱士と何らかの関わりがあるようだが……。
寄塵寰(きじんかん)
玉龍隱士の従者。彼にタメ口で会話する。
夢鈴心(むりんしん)
歲月如樓の主。河圖十智の一人で、玉龍隱士と鬼智の友人。
釋天蒼(しゃくてんそう)
初代近神人と呼ばれた高僧。精神年齢が幼児に退化した。
中盤から正気に戻り、摩訶孽と戦う。
摩訶孽(まかげつ)
釋天蒼の弟弟子。如來狂人の異名を持つ破戒僧。
靈雲寺を中心に殺戮を始める。
少英雄(しょうえいゆう)
英雄になりたい少年剣士。冀長鋏の友人。
手柄はいつも冀長鋏に取られる。
罪神虛無(ざいしんきょむ)
宇宙混沌の中の廃ガスによって形成された魔王。煉魔塔の実験を経て、正式に降臨する。
北境三峰
(ほくきょうさんほう)
北境で名を轟かした、凄腕な三人の剣士。本作の題名に関わる。三者三様で、それぞれに問題や危険が降りかかる。
冀長鋏(きちょうきょう)
北境三峰の一人「傲劍千秋」。遊び好きな人気者。
婚約者の事で困っている。
名劍絕世(めいけんぜっせい)
北境三峰の一人。靈雲寺出身の剣士。
摩訶孽の殺戮で苦労する。
皇劍孤臣(こうけんこしん)
北境三峰の一人。悅皇神都の大将軍。
悅皇神都の政略で、危険に晒される。
穆武劍盟
(ぼくぶけんめい)
剣士たちが集う武芸組織。三教(仏教、道教、儒教)が戦いで弱まる時期に、武林で台頭する。
穆武衡權(ぼくぶこうけん)
穆武劍盟の主。武林の武芸組織を召集し、天下統一の思いを秘めている。
花傾霄(かけいしょう)
穆武劍盟の令嬢。衣九溟と出会い、次第に彼に惹かれていく。
衣九溟(いきゅうめい)
無衣同袍の少主。邪剣・逆璽をきっかけに、穆武劍盟の一員になる。
聖龍口
(せいりゅうこう)
青陽子を筆頭とする道教組織。青陽子の不在を隙に、煉魔塔などの勢力にたびたび襲われる。
豁青雲(かつせいうん)
聖龍口の副道主。煉魔塔から来た襲撃に苦戦する。
昔月影(せきげつえい)
聖龍口の護法である女剣士。豁青雲の子を身籠りながら、共に敵と戦う。
傲淩霄(ごうりょうしょう)
聖龍口の武将である槍使い。靜濤君の要請を受け、援軍として参陣する。
聖龍口の道主。修行の際に獨千秋に襲われ、氷に囚われる。
劍子仙跡らに救出されたあと、虛無の消滅に向けて力を備える。
天道主(てんどうしゅ)
青陽子の兄弟子。聖龍口の地下牢獄に囚われている。
聖龍口の元副道主。老衰しきった姿で登場する。
玉龍隱士から命に危険があると警告されるが……。
步非煙(ほひえん)
聖龍口の武将である女剣士。六旗主の筆頭。
収監中の天道主を見張る。
鬼智の関係者
昡祭冥司(げんさいめいし)
煉魔塔の司祭。マッドサイエンティストな呪術使い。
傀儡を駆使して、劍子仙跡を攫う。
百煉師(ひゃくれんし)
煉魔塔の主。天道主などを模した傀儡を作り、聖龍口を襲う。
罪神虛無の力を手に入れようと実験するも、逆に罪神虛無を降臨させてしまう。
熾天夔(してんき)
かつて鬼智と玉龍隱士に殺された魔王。
復活してから、鬼智や煉魔塔と協力関係を築く。
東皇雪(とうこうせつ)
悅皇神都の姫。夫の謀略と巧みな演技で、皇劍孤臣を危機に陥れる。
中原武林
三先天の儒教先天。煉魔塔によって嗜血者の力が暴走するが、夢鈴心の力で治まった。
三先天の道教先天。煉魔塔に攫われるも、無事脱出。
東瀛出身の美青年。体が八歧邪神の視界と繋がっている。
靈雲寺に協力して、摩訶孽に対抗する。
驪無雙(りむそう)
寡黙な刀客。狂乱状態に陥り、身内を含む各勢力に斬りかかる。
その後理性を取り戻し、玉龍隱士に従って動く。
炎無心(えんむしん)
談無慾の生命共同体である火母。驪無雙によって一族が滅ぼされてしまう。
釋天蒼の指導を受け、熾羽飛天に変身できるようになる。
秦假仙(しんかせん)
中原の情報屋。河圖十智の第九位。
弟分の業途靈、印超機と共に活動する。
凌鳳水嫣(りょうほうすいえん)
冀長鋏の婚約者。婚約から逃げようとする冀長鋏に対し、感情が歪んでしまう。
算九泉(さんきゅうせん)、衍半生(えんはんせい)
河圖十智の第六位と第七位。物語の終盤に登場する。
閻神地界
(えんしんちかい)
閻神が統べる暗い地域。「閻神殿」が存在する。
雲海仙門の仙人コンビ。帝龍胤救出のため、閻神地界で冒険する。
淨龍雲瀟(じょうりゅううんしょう)
雲海仙門の初代護法の仙人。
君奉天に召喚され、彼にダメ出しをする。
九月虹(きゅうげつこう)
雲海仙門の初代護法の仙女。琴の使い手。
君奉天に召喚され、行動を共にする。
帝龍胤(ていりゅういん)
君奉天と同じ顔を持つ竜の武将。閻神殿に囚われている。
后鳳翎(こうほうれい)
閻神殿の姫。帝龍胤に恋慕の情を抱く。
無間閻神(むけんえんしん)
閻神地界を統べる神にして、后鳳翎の父。
上天界の関係者
上天界(じょうてんかい)の出身者、およびその関係者たち。
後半から正式に動き出す。
上天界の刀龍たち。かつて中原での因縁を巡って、決着をつける。
上天界の御聖主。師匠・羽天休伊の死の真相を究明すべく行動するが……。
阿修羅(あしゅら)
死國の戦神。自分が羽天休伊を殺した事実を、友人の極道先生に打ち明ける。
死神
死國の神。「秤命客」と名乗って、苦境で暗躍する。
用語
河圖十智(かとじゅうち)
かつて文太公によって選ばれた十人の賢人。将来の武林に大きく影響し得るとされる。秦假仙を除いた九人は、百年間武林の情勢に介入しない約束を交わした。玉龍隱士が約束を破ったことで、他の賢人たちも武林に介入するようになる。
逆璽(ぎゃくじ)
衣九溟が所有する邪剣。傲慢な剣霊が中に潜む。衣九溟と契約を結ぼうと、邪力を駆使して、無理矢理彼に殺戮を行わせる。剣の作者は玉龍隱士とされる。
羽天休伊(うてんきゅうい)
逆璽の作者。「鬼之鑄術」の鍛冶師にして、極道先生の師匠。
阿修羅によって殺されたと知られるが、生死の真相が明らかにされる。
燭影無燄(しょくえいむえん)
謎の殺し屋組織。過去に依頼を受け、衣九溟の一門を滅ぼした。
七謁(しちえつ)
穆武衡權が所有する聖剣。逆璽と対になる。並々ならない力を放っており、逆璽と同じく剣霊が中に潜む。七謁と逆璽を同時に保有すれば、天下が手に入るとされる。
鷹族(ようぞく)
鷹狩りを得手とする一族。悪魔の血を引き継いだことから、仏門に滅ぼされた。釋天蒼と名劍絕世の出身が、この一族である。
「霹靂戰元史之動機風雲」に登場した擊風族(鷹族)とは別物。
滅釋血古煌(めつしゃくけつここう)
魔王になった僧侶・魔刑天が殺戮の果てに、変身した赤い魔刀。
鷹族の先祖にあたる悪魔たちが棲む世界・魔羅血界の解放に関わる。
魔闇(まあん)
罪神虛無・無間閻神たちが所属する、闇の神々の勢力。
それぞれ「法準(ほうじゅん)」という権力の象徴を持つ。
魔闇勢力の代表者を選ぶため、神々が苦境の情勢を干渉する。
名称 | 法準 |
---|---|
死神 | 生死法準 |
八歧邪神 | 善惡法準 |
罪神虛無 | 混沌法準 |
無間閻神 | 無間法準 |
太曦神照(たいぎしんしょう)
「大地光明の母」と呼ばれる女神。魔闇陣営の神々と敵対し、「宇宙法準」を所有する。逆神七皇の存在が自身にも不利なため、天跡を自分の部下として招き入れようとする。
逆神七皇(ぎゃくしんしちおう)
神を倒せる力を持つ、七人の選ばれた存在。魔闇勢力の神々を滅ぼすのに必要な戦力。
名称の通り、「神に逆らう」ことが人選の条件である。一度以上死亡して、再び復活した者が、逆神七皇になる資格を得る。
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関連リンク
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