馬場信春
ばばのぶはる
生没:永世12年(1515年)-天正3年5月21日(1575年6月21日)。生年は永正11年(1514年)とも永正12年(1515年)とも言われる。
武川衆の教来石(きょうらいし)氏出身。最初は教来石景政。後に馬場氏の名跡を継いで馬場信房と改名、さらに改名して信春となる。通称ははじめ民部少輔のち美濃守。
長篠で戦死するまで、戦場で傷を受けたことは無く不死身の鬼美濃(馬場美濃)とか不死鳥鬼美濃などと呼ばれていた。
馬場氏は摂津源氏・源仲政(源三位頼政の父)が遠祖とされ、仲政や頼政が馬場を号したことがルーツとされる。
教来石氏は美濃源氏・土岐光衡の一族が甲斐国教来石村に移り教来石氏を名乗ったとことが起こりという。
信玄の父・武田信虎の時代から武田氏に仕える。武田晴信(信玄)の初陣である海ノ口城攻めに参加し、敵将・平賀源心を討つという功績を挙げたといわれている。天文10年(1541年)の晴信・板垣信方・甘利虎泰らによる信虎追放劇に加担していたといわれている。
晴信が武田氏の当主となり、その直後から諏訪・伊那(いずれも信濃国)攻めが始まると、これに参加して武功を挙げた。このため晴信から、絶家していた甲斐武田氏譜代の名門である馬場氏を継ぐことを許され、同時に50騎持の侍大将となり、諱も景政から信房と改めた。
その後も信濃攻めに参加して武功を挙げ、晴信改め信玄から永禄2年(1559年)に120騎持に加増され譜代家老衆の一人として列せられた。第4次川中島の戦いでは、上杉政虎(謙信)軍の背後を攻撃する別働隊の指揮を取った。永禄5年(1562年)には前年に隠退した原虎胤にあやかって美濃守の名乗りを許され「馬場美濃守信春」と改名する。
永禄11年(1568年)、駿河攻めにも参加する。永禄12年(1569年)の三増峠の戦いでは先鋒として北条氏照や北条氏邦と戦い、武功を挙げた。元亀3年(1572年)の信玄による西上作戦にも参加し、信玄から一隊の指揮を任されて只来城を攻略した。三方ヶ原の戦いにも参加し、徳川軍を浜松城下まで追い詰めるという武功を挙げた。
元亀4年(1573年)4月、信玄が死去すると、山県昌景と共に重臣筆頭として武田勝頼を補佐するが、山県と同じく、勝頼からは疎まれたという。天正3年(1575年)5月の長篠の戦いでは山県と共に撤退を進言するが容れられず、代わりの策も勝頼の側近に退けられるといった有様であった。ただし、これは確たる資料に出てくる話ではなく、後世の作り話である可能性が高い。
5月21日の設楽原での織田信長・徳川家康連合軍との決戦「長篠の戦い」では武田軍右翼の中核に配されるが、味方は敵の防御陣を突破できずにいた。元々、数で劣る味方の攻勢が長続きする訳がなく、次第に崩れだした武田軍は、有能な人材を次々と失い、戦線は崩壊。大敗を喫した勝頼が退却するのを見届けると、殿軍を務めていた自身は反転して追撃の織田軍と戦い、戦死した。『信長公記』に「馬場美濃守手前の働き、比類なし」と評される最期だった。享年61。豊川(寒狭川)沿いの出沢(すざわ、新城市出沢)が戦死の地とされており、石碑もある。
山県昌景と共に武田家を支えた重臣とされる信春だが、朱印奏者という立場から大量の文章が残る昌景に対して、信春の残した文章は少なく、両者の立場には大きな開きがあったとされている。それどころか、内藤昌秀や高坂昌信といった同じ武田四天王とされる武田家臣と比べても、動員兵力は信春は少なく、出世した時期も遅いことから、信春の地位は従来考えられていたよりも低い可能性が指摘されている。
戦国大戦
武田家の武将として、Ver1.0x「1560 尾張の風雲児」及びVer1.1x「1570 魔王上洛す」、Ver.2.2x「1467 破府、六十六州の欠片へ」の年代ごとの姿で参戦。
1560年の姿(SR仕様)と、1570年の姿(R仕様①)、1467年の姿(R仕様②)それぞれを解説する。
SR仕様解説
上の見出し画像の姿で、壮年期を迎えた、渋くも雄々しい頃の姿。
二つ名は「武田二十四将」。
スペックはコスト3 武力9/統率7の槍足軽で、特技は「攻城」と「気合」。
コスト相応の高くバランスの取れた武力・統率に「気合」による高い耐久力を誇る。
持ち計略であり、彼の異名とされた「不死身の鬼美濃」は、自身の兵力を150%と大幅に回復させ、更に統率を大きく引き上げる効果。ただし、槍足軽と動きが遅い兵種故に鉄砲や弓に袋叩きにされないように対策を寝る必要があり、ダメ計持ちの小畠虎盛や快川紹喜、挑発持ちの小山田信茂や黄梅院、長時間速度が上がる三枝守友等と組み合わせたい
大筒の防衛から虎口攻めで敵軍を強引に押しのけて突撃、逆に自軍の虎口の防御と、兵力回復+超高統率により、元々の高い耐久を思う存分活かすことが出来る。
「鬼美濃の戦
見せてやるとしようか」
R仕様①解説
二つ名は「武田四名臣」。
SRの頃と比べ、更に渋さが増した。
ぱっと見では「任侠の親分」のようにも見える。
スペックはコスト2.5 武力7/統率10の弓足軽で、特技は「制圧」と「気合」。
SR仕様と比較してコストが0.5減り、それに伴い武力が2減ったが、統率が3上がり、兵種も近接戦の槍足軽から射撃の弓足軽に変更されている。
また、「攻城」が「制圧」に変化しており、高武力の弓足軽・高統率・「制圧」と、大筒を中心にした立ち回りでは非常に心強いスペックへ変化した。
武力も若干下がったが、「気合」からくる高い耐久力も健在。
持ち計略も「自身だけを強化」する「不死身の鬼美濃」から「泰山の陣」という陣形計略に。
こちらは陣形内で「静止している時間」に比例して自身と味方の武力を徐々に引き上げていく陣形計略。
自身の移動を封じてしまうが、静止していることで弓を撃てる兵種の関係上、逆に好都合ともいえる。
大筒の上で使うのも勿論有効だが、展開している時間が長く、撃つ気の無い2発目を装填してしまうこともあるため注意が必要。
また陣形のため「挑発」(黄梅院など)などを受けても、常に陣形に居る自身には「移動不可」の状態が常に掛かり続けるため、誘導されることもない。
…がエラッタにより武力8と1上がったものの代わりに、統率が2下がり8となり、泰山の陣も移動可能になってしまった為、注意が必要である。
山の如くどっしりと構えて敵軍を迎え撃ち、敵軍の攻撃を跳ねのけてやろう。
「武田の強さを示せば、
それで戦は終わるだろうよ」
英傑大戦
戦国大戦の後継作品である本作品でも実装され、信春ら武田家の武将は緋の勢力に所属。
イラストレーターや声優、デザイン、兵種は戦国大戦のSRを世襲しているが、コストが0,5下がり、武力9、知力6の無特技の槍兵となった。
気合持ちではなくなり耐久力が前作より下がっているが、耐久力も後述する計略で補うことが出来る。本作では知力が高い程攻城速度が上がるシステムになっており、前線にコストが高い武将がいる程ゲージ溜まって敵場のダメージを与えることが出来る為、高武力でそこそこの知力を持つ信春は強い。
計略はお馴染みの「不死身の鬼美濃」。今作では武力が上がり戦闘によるダメージで兵力が0になった時に兵力が回復するというものになっている。
敵場に張り付いた時に使用すると、相手からすれば武力の上がった高武力槍足軽が立ちはだかり、倒せば兵力が回復、放置すれば城を殴られるという悪夢に見舞われる。
しかし明確な弱点が存在し、戦闘以外のダメージで兵力が0になっても回復はしない。この計略を使う場合、必然的に兵力が少ない場合になるので、信春の知力を奥義や計略で上げてもダメージ計略を打たれたら確殺されて撤退する可能性が高く、使用時はダメージ計略持ちが相手にいないか注意が必要である。
一時的は強力なカードとして暴れ回り使用率、勝率共にトップであった。しかし、現在は大幅な下方修正を受け、コラボカードで入って来た不死身の退役軍人に完全にお株を奪われている。
「面白き敵だな。
源四郎俺たちでもてなしてやろう」
信長の忍びシリーズ
武田四名将のまとめ役でもあるニヒルなナイスミドル。戦場で一度も傷を負った事が無いことで知られ、優れた知略と槍術を持つ。通称「死にぞこないの信春」。冷静沈着であるが執念深く、(戦場でという意味だけではなく)敵に対しては一切の情け容赦をかけない。
おべっかを使う長坂釣閑斎を内心嫌っており、対抗馬である真田昌幸の眼前でボロクソにけなした上で「今後は貴方が武田の行く末を担うのだからあいつには気をつけろ」と発している。
長篠の戦いで敗走を渋る勝頼を昌幸と共に一括し、自身は殿を務め、他の武将たちが織田・徳川連合の前に討ち死にを遂げる中最後の一人として立ち向かう。そして武田軍が長篠を脱したことを見ると、満足げに散って行った。
幻だったのか、死に瀕した千代女が見た夢の中では、武田信玄の傍に後ろ姿で写っている。
前日譚となる『雑兵めし物語』では敵キャラとして若い姿の信春が登場。主人公たちの策謀をたやすく見抜くなど、その聡明さと強かさはこの頃から健在であった。
センゴク
モデルはポール・ニューマンとの事。
飄々として煙管を持つ姿が印象的な武田四天王のまとめ役。史実でも喫煙を好んでいたとされる。
敵であれ、味方であれ、必死に物事に取り組む姿勢を見せる者には好意を持つ。
徳川家康、武田勝頼などの人物の器量を読む才も見せた。
長篠の戦いでは、中央部隊が壊滅し敗北を悟った勝頼が退かせた武田親族の中に自らの代わりは幾らでもいるとして、信玄の代わりとしての当主代行でなく、一武将として敗戦の責任をとり戦死する事を望んだのに対し、「甘ったれるな」と殴り、その後は下馬して土下座する姿勢で、撤退して亡き信玄を超える当主になるようと説得する。
その後は勝頼を逃す為の殿として豊川にかかる橋を背にし、両側の山に伏兵を配置して追撃してきた織田の一部隊を壊滅させるも、長年武田に苦杯を飲まされてきた家康の三河兵には通じず、消耗戦となり数が少ない馬場軍は次第に圧倒される。両翼の伏兵の矢が尽きた事を知るや、未だに勝頼が橋を渡っていない状況であったが勝頼を信じて、伏兵となっていた部隊には逃す為に撤退を命じた。
部隊が壊滅していくなか、信春は対岸に無事渡河して後退していく勝頼の姿を見る。その姿は自身より大きな旗を必死に持って武田を応援していた幼少の勝頼の姿と重なるものであり、「でかした小童」と信春を満足させるものであった。
その後、信春は討たれるが、その最後は己を殺そうとする相手に笑みすら浮かべ「敵であれ味方であれ、必死なる者は愛き者よ」「討ち取って手柄にせよ」と無抵抗のまま討たれるものであった。
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