概要
コンピュータゲームのジャンルのひとつ。立体的に描画された迷宮を、主観視点で進むタイプのRPG。舞台がダンジョンではなくとも、同じ画面構成ならこのジャンルに当てはめられる。
「ダンジョンRPG」(DRPG)と略されることもあるが、見下ろし型のローグライクゲームとの混同を避けるため多用されてはいない。
歴史
1978年、Muse Softwareは当時のPC「AppleⅡ」で動作する3D視点の迷路ゲーム『Maze Game』と、それをベースとしたADV『Escape』をリリースしており、3D視点のゲームはこの頃にはすでに存在していた。
3D視点のゲームとRPGが初めて融合したのは、リチャード・ギャリオット氏がAppleⅡで個人制作したRPG『Akalabeth: World of Doom』。2Dのフィールドと3Dのダンジョンを行き来する構成となっている。氏は前述の『Escape』に感動して3Dのダンジョンを本作に導入。ダンジョンを線画(ワイヤーフレーム)によって表現した。同作は1979年にCalifornia Pacificにより大体的に販売され、3万本の大ヒットを記録。のちにそれ以上の成功を収めた『Ultima』シリーズのベースとなった。
ジャンルを代表するタイトルとなったのは、1981年アメリカのAppleⅡ用ソフト『Wizardry』とそのシリーズ作品。キャラクターメイキングや、キャラクターの死亡によるロスト(消失)など独自のシステムを取り入れている。これが日本でもファミリーコンピュータなどの据置機に移植されてヒットし、その認知度が高まった。
純国産のゲームでも『女神転生』『世界樹の迷宮』など多くの作品に採用されており、近年でも新作が発売されている。
特徴
基本的にはRPG。見下ろし型と3D視点の違いはあれど、迷宮内を探索し、出現する敵と戦闘を行い、パーティを成長させ、最深部に潜むボスを倒すという大まかな流れは同じ。
また「Wizardry」の影響が大きく、同作のシステムを取り入れているタイトルもある。
多くのタイトルでは迷宮がマス目単位で構成されている。
初期の頃、プレイヤーはこの特性を生かして方眼紙などを用いて自身で地図を描く「マッピング」を行いゲームを攻略していた。インターネットも攻略サイトも無かった時代の話である。面倒な作業ととるか、本ジャンルでしか味わえない楽しみの一つととるかはプレイヤー次第である。
ジャンルがより遊びやすく進化していく中で、プレイヤーが辿った道を自動で記録してくれる「オートマッピング」の機能が登場。現在では殆どのタイトルで採用されている。
1987年から展開している『ダンジョンマスター』シリーズのように、リアルタイムでゲームが進行するものもある。
該当作品
一般向け作品
- Wizardryシリーズ
- ダンジョンマスターシリーズ
- 女神転生シリーズ / 女神異聞録ペルソナ
- 魔導物語シリーズ
- 世界樹の迷宮シリーズ
- デモンゲイズシリーズ
- 剣と魔法と学園モノ。シリーズ
- ファンタシースター(初代)
- ロストヒーローズ
- ラビリンスの彼方
- アイル・ロード
- 星霜のアマゾネス
- 限界凸記モエロクロニクル
- 神獄塔メアリスケルターシリーズ
- 両手いっぱいに芋の花を
- モン勇
アダルトゲーム
シリーズ中に一般向け移植作品があるものも含む
- カオスエンジェルズ
- ドラゴンナイト / ドラゴンナイトⅡ
- GALZOOアイランド
- Rance VI -ゼス崩壊-
- FINAL DRAGON CHRONICLE / ダンジョントラベラーズシリーズ
- 雷の戦士ライディシリーズ
関連タグ
外部リンク
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