最コウの名サク!!
概要
『バイオハザードシリーズ』本編の外伝(あるいはスピンオフ)にあたるゲームボーイカラー専用ソフト(スーパーゲームボーイ及び2には非対応)。
なお、本ソフトはバーチャルコンソールでは配信されていない。カートリッジ自体はゲームキューブのゲームボーイプレーヤーのみテレビ画面でのプレイが可能。
※本作以外にはもう一本の初代バイオハザードのゲームボーイカラー版が存在しているが、本記事の作品の事ではない。
バイオハザードシリーズ初の携帯ゲームであり、2002年3月29日に発売された。
バリー・バートンが主人公で時系列が『バイオハザード2』、『バイオハザード3』の後(通称・ラクーンシティ事件以降)であるが、後述の事情からその後の物語上の正史とは繋がらないパラレルワールドとなっている。その為、物語(ナンバリング及びナンバリング以外の本編のみ)上の時系列には本物語は含まれないので注意。
あらすじ
ラクーンシティ事件の後、バリー・バートンとレオン・S・ケネディは反アンブレラ活動を行う地下組織に所属していた。
そんなある日、豪華客船スターライト号で新型B.O.W.が発生したとされる報告を受け、レオンが調査に向かうのだが、やがて連絡が途絶えてしまう…。
レオンの救出および新型B.O.W.抹殺の任務を受けたバリーも、スターライト号に潜入する。
登場人物
プレイヤーキャラである主人公。反アンブレラ組織に所属し、銃火器整備や補充も担当している。正史ではラクーンシティ事件の後にBSAAのアドバイザーとなっている。
バリーと同様に反アンブレラ組織の一員であるが、正史ではラクーンシティ事件の後にアメリカ合衆国政府のエージェントとなっている。
本作のヒロイン。
登場クリーチャー
シリーズでおなじみの雑魚敵。バイオシリーズ同様男女のゾンビが存在する。
また、一部の男性ゾンビは武器を使用している。
- 新型B.O.W.(仮称)
名称不明の本作オリジナルの敵。作中では一定しないが「オオオトコ」または「アメーバ」と呼称されている。醜悪な人型のクリーチャーで、穴の開いた腹部から数本の触手が飛び出ている。人間に擬態できる能力を持ち、姿だけでなくをコピー対象の人間と同じ言語を発する事もできるなど知能も高い。
擬態時の見分け方として、血が緑色でそれがコピー元との違いである。
評価
ゲームハードの性能などもあって、操作・ゲーム性は従来のシリーズとは大きく異なっており、ファンの評価は今一つ。
また、文字表示については可能な限り一部漢字が使われており、ハード自体の文字表示の限界があるため、表示が不可の漢字だけはカタカナとして表示されている。誰がどう見ても読みにくいようだが…。
ゲームシステム
目の前の敵を倒すには左右に動くバーを頼りにして敵に攻撃をするため、操作における快適性の点では他シリーズより欠けている様で敵に攻撃が当たるタイミングがかなりシビアで操作が難しくなっている。また、ゲームボーイカラー本体にある十の方向キーでキャラを操作するが、ゲームキューブ等のハードとは違うので操作感に違和感がある。
後続作品に影響を与えたと思しき要素
評価はよろしくないながらも、本作の要素の一部には後年のナンバリングタイトル等に影響を与えたと思われるものも散見される。
- アイテム関連
ボディアーマーとイエローハーブ → 『バイオハザード4』にて防具として、後者は効果を変えて実装。
- キャラクター関連
主人公を務めたバリーとヒロインのルシア → この『GAIDEN』ではエンディングにてバリーはルシアを養女として引き取るのだが、後に『バイオハザードリベレーションズ2』でのエンディングにてバリーがナタリアを引き取るという同じような展開がある。
レオンのキャラクター設定 → 『GAIDEN』での人物紹介欄には「時には威張ったりもするが、ユーモアのセンスがある」と記されており、後の『バイオハザード4』以降から小粋なアメリカンジョークを飛ばすようになった。
- B.O.W.
本作の新型B.O.W. → 人間と変わらない姿になれる精巧な擬態能力を持っているが、後に『バイオハザード0』にて同じ高度な擬態能力を持つ女王ヒル、『バイオハザードヴィレッジ』にて死体にすら擬態出来るマザー・ミランダが登場している。
武器持ちゾンビ → T-ウイルス由来のゾンビは知能低下によって本来は扱えないはずだが、本作では一部の男性ゾンビは工具を武器にして攻撃してくる。しかし、『バイオハザード6』にて別種のウイルス由来であるが様々な武器を扱うゾンビと発展系であるジュアヴォが登場した。なお、‟武器を扱うザコ敵”であれば、『4』と『5』にてウイルスではなく寄生生物プラーガによって誕生したガナードとマジニも登場している。
- 反アンブレラ組織
本作では元S.T.A.R.S.メンバーやアンブレラ社からの脱走者によって結成された組織という設定で、本作以前には『3』および『コードベロニカ』時点の設定ではレオンはここに所属していたが、『4』以降の現在の公式設定では合衆国エージェントとなっており、それに伴い反アンブレラ組織の設定は削除されている。
だが、後に『5』にて創設メンバーに元S.T.A.R.S.の隊員を含めたバイオテロ対策部隊「BSAA」が登場、更に『7』にて元アンブレラ社員達によって対バイオテロ民間軍事会社として再建された「新生アンブレラ社(青アンブレラ)」が登場している。
関連タグ
バイオハザードシリーズ ゲームボーイカラー 黒歴史 どうしてこうなった
バイオハザード・リベレーションズ、ガンサバイバー4:こちらも豪華客船が舞台であるバイオハザードシリーズの作品。
バイオハザードリベレーションズ2:正史におけるバリーが主役の作品。
※以下、本作の重要なネタバレ注意!!
…新型B.O.W.の抹殺、レオン(およびルシア)の救出が達成され、安堵の雰囲気に包まれるバリー一行。
レオンも任務完了とともに本部への帰還を報告するが、彼の首筋からは緑色の血が流れていた…。
この描写を見る限り、擬態したB.O.W.が本物のレオンとすり替わっていた、つまり作中でレオンが死んだことになっている可能性が高いのである。
あまりにも唐突にも見える演出だが、これはハリウッド映画によくある「ハッピーエンドかと思わせておいて、ラストのオチに後味の悪い描写を持ってくることでビターエンドあるいはバッドエンドを演出するネタ」として盛り込まれたものと思われる。
本作がシリーズでほぼ黒歴史的な扱いを受けているのはこのラストシーンによるところが大きい。
主役キャラのレオンの離脱はさすがにシリーズにとってかなりの痛手になるため、本作のストーリー自体がなかったことになったのである。