臨獣クロウ拳ラスカ
りんじゅうくろうけんらすか
「ダメージを受けた所を更に攻撃する…これは戦法の基本だ!」(修行その14)
巧みな飛行能力を持っており、空中で臨気を利用する事で風と空気の流れに乗って飛ぶことができる。そして頭上から荒々しい攻撃を仕掛けるのが得意。
しかし地上でも抜かりはなく、得物とする「腐食蛮刀」による白兵戦や、飛び道具として繰り出す無数の短刀(羽根手裏剣)も強力。
相手の弱点やダメージを与えた箇所を重点的に攻撃するという基本的かつ効果的な戦い方をする(冒頭の台詞でも言及している)が、この時「カァカァ!」と笑いながら攻撃する癖がある。
後述する描写から、優位に立つと増長しやすいフシがあるようだ。
単体でも強いラスカだが、その真価は相棒とのコンビネーションでこそ最大に発揮される(共通する技があるのはそのため)。
劇中ではルーツと共に空中に雷を蓄積させ、一気に落下させることで全てを滅ぼそうと画策した。
修業その13「シンシン!精霊の舞い」
カタと理央の修行に割って入ったメレの前にルーツと共に高速で飛んで現れると、そのまま彼女を吹き飛ばし、「カタ様の身体に直接触れる等、許し難き蛮行だ!」と一喝して牽制し、そのまま相方と共に自己紹介を行う。
その後、人間達から絶望を集めることと、世界の情報の収集をカタに命じられて出撃する。
町で人間達から絶望を集めて雷に変え、蓄積させているところに駆けつけたゲキレンジャーとの戦闘に突入すると、レッドとイエローの2人を腐食蛮刀で一蹴する。一方のルーツがブルーを退けると、彼から自分達の技で畳み掛ける事を提案されてリンギ・邪悪輪遇で更に追い打ちを掛けて圧倒。
3人を嘲笑い、そのまま相方と仲良く邪身豪天変で巨大化するや、対するゲキエレファントージャをリンギ・飛翔拳によるコンビネーションでルーツと翻弄した末、リンギ・破死兜丹頂脚でKOしてしまう。
ルーツ「もうこんな奴ら相手にするのつまんない!もう飽きた!ラスカ、他のとこ行かない?」
ラスカ「邪魔者のいない所でカタ様のご命令を遂行しよう」
そう言って両者はどこかへ飛び去ってしまうがその一方、バエと一緒に戦いを観戦していたメレからはルーツと一緒に「変態っぽい」と辛辣なコメントをされていた。
修行その14「ネツネツ!技を捨てろ」
その後、どこかの町で再び人々を襲っては悲鳴と絶望を集め、まま空中に雷を蓄積して地上に落下させて一気に滅ぼそうとする。
異変を察知して駆け付けたレッドとイエローの2人と干戈を交え、イエローを同じように圧倒して嘲笑うも、モテない男と指摘されて逆上。
ルーツに雷の事を任せ、自身は己を愚弄した2人をつかんで空へ舞い上がると、カタからの使命を語りながらそのままリンギ・塵嵐で近くのゴミ捨て場へ投げ捨てて戦線を離脱する。
「カァーッカァッカァカァッ!思い知ったか!ゴミでも漁ってろ!カァーッ!」
そうして絶望が溜まってできた雷を今まさに落とさんとしている所へ、拳聖・バット・リーとの修行で激獣バット拳を取得したブルーが駆けつけて三度目の交戦するも、今度はゲキファンを装備し、華麗に空を舞うブルーに圧倒される羽目になる。負けじと巨大化して雷を落とそうとするラスカだったが、来来獣で呼び出したゲキバットによって空に貯めた雷を砕かれてしまう。
そしてゲキトージャがゲキバットと合体したゲキバットージャと空中戦を繰り広げた末、最期は大分分扇で一刀両断され、カラスの鳴き声のような断末魔と共に爆散した。
なお、この戦いで相方を喪ったルーツはゲキレンジャーへの深い怒りと憎しみに取り憑かれ、復讐鬼と化して襲い掛かる事となる。「憎しみが力を生む」と説くカタの教えを体現したルーツの顛末は彼の項目を参照。
モチーフと名前の由来は言うまでもなくカラス。
ルーツやラスカの胸部にあるレリーフは他の獣拳士たちと違って横(左)を向いているが、デザインは対照的な点を多く持ち、ルーツの翼が右肩から鳥の白い羽が生えているなのに対し、ラスカの翼は左肩から木の枝のようなフォルムという動と静。
前者が「比翼の鳥」、後者が「連理の枝」を差していると思われる。
四字熟語で「比翼連理」とも表現されるこの言葉は夫婦の仲の睦まじさのたとえを意味しており、両者の繋がりの深さを最も分かり易く表したデザインと言える。
彼の好きな言葉である「烏に反哺の孝あり」とは、成長した子供が育ててくれた親鳥の口に餌を含ませ(反哺し)て、養育の恩に報いると言うカラスの生態に倣い、子が親に孝行する事のたとえを意味している。
相棒のルーツはこれに対して、親の子に対する愛情を表す慣用句を好きな言葉として挙げており、対照の関係になっている他、両者互いに想いあっているということも示唆されている。
ちなみにカラスや鶴は生涯伴侶を変えない鳥として知られており、相棒を喪ったルーツは憎しみをバネにパワーアップ。得物も鶴脚尖剣から腐食蛮刀に変えているが、これを肌身離さず持ち歩く……のはいいとして、そこにラスカの魂が宿っているとでもいうのか、しきりに話しかけて一人でしゃべっているやべーやつと化した。
声を演じた河本氏はスーパー戦隊シリーズ、ひいては特撮作品での出演は今作が初。次の特撮作品への出演はスーパー戦隊シリーズでも仮面ライダーシリーズでもない別ジャンルとなり、『ケータイ捜査官7』というサイバー犯罪に立ち向かう作品でセブンの声を担当する。