負けて輝け、少女たち!
作品情報
概要
ガガガ文庫(小学館)にて2021年7月から刊行されている。公式略称は『マケイン』。
タイトル通り、失恋した(する)ヒロインたちと、彼女たちを友人として見守る主人公による、青春ラブコメ。
本作の舞台
筆者の雨森が愛知県豊橋市出身であることから、同市が舞台となっている。
同市やその周辺に実在する地名や店舗、商品の名前が登場する。
主人公たちが通う高校のモデルは、近くに愛知大学(豊橋キャンパス)がある描写がされていることから、愛知県立時習館高校と思われる。
また、第3巻発売を記念して、2022年4月23日(土)から5月29日にかけて、同市の動植物園「のんほいパーク」でコラボイベントが開催された。
さらに、2023年の春休み期間中にはJR東海とのクロスオーバーイベント・負けヒロイン総選挙を実施している。
なお、JR東海は、関連会社を通じてではあるが、後述のTVアニメにも一枚噛んでいる。
2024年夏には、アニメ版放送に合わせて、市内全域でコラボ企画を実施した。
豊橋市はコラボ企画に力を入れ、市の公用車のラッピングやビルの壁面の装飾などもしていた。また、コラボの際のフラッグやバナーなどはJR東海が権利処理のうえ用意していただいた物を市内各地で使用していた。
2024年9月29日からは、豊橋市、JR東海、とよはしフィルムコミッションと連携しボイスラリーやスタンプラリー企画を開催した。
豊橋市 | 豊橋市街地 |
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あらすじ
読書(ラノベ)を趣味とする温水和彦は、クラスメートの八奈見杏菜が失恋する場面を目撃。
やけ食いした彼女が財布を持っていなかったため、毎日お弁当を作ってもらうことで代金を返してもらうという、奇妙な習慣が始まってしまう。
そんな二人の周りに、陸上部の焼塩檸檬、文芸部の小鞠知花といった、杏菜同様、失恋しそうな「負けヒロイン」たちが集まってきて――
キャラクター
- 温水和彦(ぬくみず かずひこ)
CV:梅田修一朗
(イラスト前の少年)
本作の主人公。ツワブキ高校の1年生。達観系のぼっち。
ライトノベルを愛読しており、文芸部に入る。
日々、ツワブキ校舎内のあちこちで水道水の味の違いを楽しむ事を趣味としている。
- 八奈見杏菜(やなみ あんな)
CV:遠野ひかる
温水のクラスメイト。明るく愛嬌が有り、人気者だが…いささか抜けている…
天井知らずの食欲を持つ食いしん坊。幼なじみの袴田草介に振られた負けヒロイン。
- 焼塩檸檬(やきしお れもん)
CV:若山詩音
温水のクラスメイトで、走ることが大好きな陸上部のエース。
いつも元気いっぱいで明るく可愛い人気者だが…勉強は苦手。
幼なじみの綾野光希に恋心を抱いていたが……
- 小鞠知花(こまり ちか)
CV:寺澤百花
文芸部に所属している1年生女子。引っ込み思案な性格で、人としゃべるのが苦手。
そのため…温水と同様、友達がいない。
実は文芸部の現部長、玉木慎太郎のことが……
- 白玉リコ(しらたま りこ)
温水たちの次年度の後輩にして…文芸部では第4の……
- 温水佳樹(ぬくみず かじゅ)
CV:田中美海
温水の妹で中学2年生。全てをそつなくこなすパーフェクトな妹だが、いささかブラコンなのが玉に瑕。
大好きな兄の事を自ら「お兄様」と呼ぶ。
- 権藤アサミ(ごんどう あさみ)
CV:関根明良
佳樹の親友で同じクラスメイト。身長も中学2年生としては背が高く、三河弁の訛りが強い。
- 月之木古都(つきのき こと)
CV:種﨑敦美
文芸部の副部長で高校3年生。部長の玉木とは幼なじみ。BL小説好きの腐女子。
人当たりがよく部をまとめているしっかり者。
- 玉木慎太郎(たまき しんたろう)
CV:小林裕介
文芸部の部長で高校3年生。副部長の月之木とは幼なじみ。小説投稿サイトで自分の作品を連載している。
- 袴田草介(はかまだ そうすけ)
CV:逢坂良太
(イラスト右の少年)
温水のクラスメイトで八奈見とは幼馴染。イケメンで性格も明るい。華恋と付き合っている。
- 姫宮華恋(ひめみや かれん)
CV:和氣あず未
温水のクラスに転校してきた正ヒロイン感満載の美少女。草介と付き合っている。
- 綾野光希(あやの みつき)
CV:小林千晃
(イラスト左の少年)
温水の中学からの同級生で塾では特進クラスに所属している。焼塩とは小学校時代からの幼馴染。
- 朝雲千早(あさぐも ちはや)
CV:上田麗奈
温水の同級生。中学時代は同じ塾に通っており、容姿が良い上に成績優秀なため塾内では有名だった。
- 甘夏古奈美(あまなつ こなみ)
CV:上坂すみれ
温水のクラスの担任教師にして、ツワブキ高校OG。
かなり天然で、よく授業時間を間違えたり、教材を忘れたりしている。
- 小抜小夜(こぬき さよ)
CV:斎藤千和
養護教諭ながら、温水たち文芸部の新顧問に就任する。
甘夏と同様にツワブキ高校OGで、かつては同級生であった。
とても色っぽい容姿をしている。
- 志喜屋夢子(しきや ゆめこ)
CV:安済知佳
生徒会書記を務める高校2年生。派手な見た目をしたギャルだが、その見た目に反してテンションは低い
- 放虎原ひばり(ほうこばる ひばり)
CV:七海ひろき
生徒会長を務める高校2年生。背が高い。
- 馬剃天愛星(ばそり てぃあら)
CV:諸星すみれ
生徒会副会長を務める高校1年生。
漫画版
2022年4月29日より、漫画アプリ「マンガワン」にて(5月6日から、小学館の電子コミックサイト「裏サンデー」でも)連載されている。
作画は、『僕は友達が少ない』漫画版も手掛けたいたちが担当している。
TVアニメ
2023年12月24日、テレビアニメ化内定の一報が出された。
2024年夏アニメという格好で、中京テレビと読売テレビ(いずれも日本テレビ系列局)のほか、BS11に加えてTOKYOMXととちぎテレビと群馬テレビ(それぞれ関東地方の独立局)、そしてAT-Xにて放送された。
監督は北村翔太郎、シリーズ構成は横谷昌宏、キャラクターデザインは川上哲也、音楽はうたたね歌菜、アニメーション製作はA-1Pictures。
このうちシリーズ構成を担った横谷昌宏氏にとっては脚本家デビュー以来初めて全話脚本を執筆した作品でもある。
ちなみに版元である小学館の関係者曰く「実は、1巻が出るか出ないかという頃にアニメ化の構想が浮上してたんです」とのこと。
また、最終回(第12話)は原作にはないオリジナルストーリーになっているが、その原案をわざわざ原作者の雨森に出してもらっている。
舞台となる豊橋市の映画・ドラマ等のロケ支援を行なっている「とよはしフィルムコミッション」(過去には、役所広司主演の「陸王」、堺雅人主演の「VIVANT」などの撮影にも協力した)の全面協力のもと、市内の数多くの施設・企業が協力しており、随所に登場する。
1~4話のEDには、市内に実在する小学校の実写映像を取り入れている。
A1Pによる高品質なアニメーションやストーリーが評価され、2024年の夏アニメでも上位に入る人気作となった。
- 夏アニメ、注目を維持し続けた作品とは?全体的に下降のなか「負けヒロイン」は急上昇…人気アイドルの紹介など貢献か
- 原作者の書き下ろしも? 素晴らしい最終回で“惜しまれる”2024年夏アニメ
- 最後まで“最高”だった作品は? 観て「間違いなかった」24夏アニメ3選
主題歌
ぼっちぼろまるによるオープニングテーマ。
「LOVE2000」
八奈見杏菜(遠野ひかる)によるエンディングテーマ。
オリジナル歌手はhitomi。
※こちらのエンディングムービーはセル画で使われており、地上波で放送されたセルアニメとしては約10年ぶりの新作である。
焼塩檸檬(若山詩音)によるエンディングテーマ。
オリジナル歌手はKylee。
小鞠知花(寺澤百花)によるエンディングテーマ。
オリジナル歌手はYUI。
反響
アニメ放送の反響に伴い8月の電子書籍の売り上げが6月比と比べて25倍となり、全体の電子売り上げの82%を「負けヒロインが多すぎる!」が占めるガガガ文庫至上最大の月間売り上げを達成した。
コミックスの電子書籍の売り上げがアニメ放送の反響により50倍になった。
アニメ化に伴い書籍の重版を繰り返したが、予想以上の売り上げで書店から書籍が消えてしまい緊急重版を行う事態となり、これまでの重版の8~9倍の重版が決まった。
宝島社が毎年刊行する「このライトノベルがすごい! 2025」にて、「負けヒロインが多すぎる!」が総合1位を獲得した。また各部門でもマケイン関係が上位を席巻したが、八奈見杏菜の順位がここでも負けヒロインの負けっぷりを見せ話題となった。
このライトノベルがすごい! 2025ランキング
ちなみに、2025年のキャラクター女性部門1位は「お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件」の椎名真昼で4年連続1位となった。
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個別
略称及び表記揺れ
users入り
その他
ワンルーム、日当たり普通、天使つき。 - 本作より前時期に放送された、主人公とメインヒロインの声優が同じのラブコメアニメ。