「都合の悪い」出来事には触れないなど偏った立場からする報道のこと。
報道のあり方について
ある出来事について、報道機関が報道しないことを「報道しない自由」などとして攻撃されることがあるが、世の中のすべての出来事を報道することは不可能であるし、また報道は他者の自由や権利、あるいは生命や財産を意味なく侵害するものであってはならない。
日本民間放送連盟の報道指針には「多角的な報道」「多様な意見を考慮」とあるが、だからといって例えば「地球平面説」や「霊言」のようなナンセンスなものを「両論併記」のような形で報道するのは逆に問題であろうし、個人情報の保護や犯罪の防止のための情報のコントロールなどは認められるべきである。また、特に読者や報道機関の立ち位置によってある程度報道の内容に主観や偏向が入る(例として関西メディアのタイガースへの偏愛)ことは当然ありうることである。
放送においては放送法により中立であることが義務付けられているために、自らの立ち位置を明らかにせず、中立公正をうたっている。実際には必ずしもそうではないし、厳密に完全中立な報道はおそらく不可能であろう。
手法
捏造・誤報
情報そのものの意味を変えて報じる事で、受け手に誤った判断をさせる。外国語記事の意図的な誤訳、偏ったソースからの報道、音声・画像の加工、統計の部分的な抜き出し、およびデータに対する極端な解釈など。
印象操作
報道に意図的な装飾を加えることで、情報から受ける印象を操作する行為であり、具体的には、特定の報道に対し他の無関係な内容と関連があるように見せかけたり、BGMなどで視聴者の受ける印象を演出したり、無関係な画像や音声を付け加えたり、コメントなどの「第三者の意見」を引用するなどの行為である。
過度なバッシング
特定の内容を針小棒大に報じ、情報から受ける印象を操作する。
報道規制
何らかの事象を報道しない、あるいは内容よりも小さく報道する、あるいは報道しないことにより、その内容をなかったことにしたり実際よりも影響を小さく印象付ける。
自作自演
メディア自身が自作自演を行うことをやらせといい、報道ではやってはならない行為である。
メディアリテラシーを扱った作品
ゴルゴ13
敵対者がゴルゴに対し追い詰める手段として用いたり、これを行ったことでゴルゴに排除を依頼される話が度々ある。
星のカービィ(アニメ)
第37話、「お昼のデデデワイドをつぶせ!」にて独裁者デデデ大王が、主人公カービィの悪評を国営放送で流す事で、自身の印象回復を図る。
「歴史はスタジオで作られる~」
ウルトラマンメビウス
終盤で、GUYS、ウルトラマン否定派の悪徳ジャーナリスト蛭川光彦が、メビウスの正体をワイドショーで暴露する事で、全世界にGUYSへの不信感を煽ると同時に、メビウスの地球からの排斥を目論んだ。
「GUYSクルー、ヒビノ・ミライです!……もちろんGUYSの連中もグルですよ。奴の正体を知りながらずっと隠してたんです!」
パワーパフガールズ
「ハッピーなペーパー( 英題:NEIGHBOR HOOD )」において主人公の一人、バブルスは、子供向けテレビ番組を利用した募金詐欺にひっかかってしまう。
「テレビはいつも絶対に正しい」
モジャ公
第10話、「地球最後の日」において詐欺師オットーは、偽の隕石衝突事件を演出し、地球人から金銭を集めた。
「この正直者!」
仮面ライダーディケイド
第16話、「警告:カブト暴走中」カブトの世界に登場する天堂屋のおばあちゃんがカブト暴走の報道に関して苦言を呈している。
「直ぐには飲み込んではいけないものがある。テレビの言うことと、正月のモチだよ」
また、平成仮面ライダーシリーズを放送するテレビ朝日自体の偏向報道がいわれており、ブーメランではないかといわれることがある。
牙狼闇を照らすもの
敵幹部の一人リベラがテレビ局を悪用しているという設定。
第12話で「正義とは守るものじゃない、作るものよ」と流牙と莉杏を殺そうとするも、流牙を発砲したところをレポーターに扮した莉杏に生中継され、今度は自分が逆に犯罪者に仕立て上げられてしまった。
銀河英雄伝説
情報部員バグダッシュ中佐が旅立つ若者に対して、情報を見分けるための方法を説いている。
「世の中に飛び交っている情報ってものには、必ずベクトルがかかっているんだ。つまり誘導しようとしていたり、願望が含まれていたり、その情報の発信者の利益をはかる方向性が付加されている。それを差し引いてみれば、より本当の事実関係に近いものが見えてくる」
美味しんぼ
諸々の経緯から東西新聞社( 特に山岡士郎 )に激しい敵意を寄せていた極亜テレビ社長の金上鋭が、63巻「東西新聞の危機」にて、アメリカのメディア王トレパー・コドラムと士郎の間で起きたいざこざを歪曲し、士郎がコドラムを毒殺しようとしたかの様な偏向報道を流して東西新聞社および士郎への徹底攻撃を仕掛け、士郎を解雇処分に追いやった。更にこの勢いでコドラムと協力し、士郎の父親 海原雄山に対し、模造陶器の売買を行っていたという虚構報道を自らでっち上げた。