元となったアメリカ海軍の駆逐艦についてはサミュエル・B・ロバーツの記事を参照。
図鑑データ
「私ね、ジョン・C・バトラー級護衛駆逐艦、サミュエル・B・ロバーツっ。ね、覚えて!
あ、長い? じゃあ、サムでもいいよ?
Nice to meet you!」
概要?あ、そうなんだ
2018年4月23日のオンメンテにて実装された『艦これ』5周年記念任務の最終任務を完遂することで入手できる駆逐艦娘。先のイベントにてクリア報酬として実装されたガンビア・ベイとはタフィ3として語られる仲である。また、この活躍は「戦艦のように戦った護衛駆逐艦」と後世に語り継がれている。米海軍の学校では必ず習う。
任務の報酬として入手できる艦娘としては、2014年3月14日に実装されたZ1以来という事になる。
呼称は様々に推測され、当時の乗組員からは「サミーB」の愛称で呼ばれていたが、入手時の自己紹介では「サム」と自ら名乗っている。
実装前の略称として、「・B・」の部分が顔文字に見えることから(・B・)という表記もある。
容姿、出ます!!
頭髪の色は水色で、ディキシー・カップと呼ばれるコットン製の白い帽子を被っている。ゲーム中の立ち絵からは若干わかりずらいが、髪を左右にお団子で纏めている。目の色は金色。
帽子からは二本の紐が垂れ下がっており、その二本を繋ぐ星形のアクセサリーが付いている。これは唯一のバトルスター(従軍星章)と思われ、紐の先には国際信号旗が付いている。見た目こそ奇抜ではないものの、アクセサリーの一つ一つに彼女の全てが表されている。
身に着けている長袖のセーラー服は襟と袖が青く、胸当ての部分は青と白のストライプとなっている。ちなみに襟に括り付けられているのは彼女の艦長だったロバート・W・コープランド少佐の功績を称えて贈られた海軍十字章である。スカーフの色はターコイズブルーで、短めのスカートも同色のものを履いている。更に左胸には"Taffy Ⅲ"の文字が刻まれたバッジが付けられているのだが、解像度の都合かやや読み取りにくい。
実装直前の公式からのツイートでもちらっと見えた右手には、主砲の5inch単装砲Mk.30が据え付けられたP90風の銃器を握り、左手には3連装の魚雷発射管を保持している。また、背部に背負った煙突からはボフォース40mm四連装機関砲と艦尾を模した爆雷投射機を備えた土台が左右両側に伸びている。この部分は無印では無地だが、改では迷彩が施されている。
靴の足の甲には艦首を模したパーツが付き、靴のサイドには大きなスクリューを備えている。また、ヒールの部分は舵となっているのがイラストから確認できる。
肩には浮き輪の付いたバッグを提げており、その中からはバツ印の傷が付いたクジラが覗いている。このクジラ、単なるぬいぐるみではなくちゃんと意思があるらしく、中破時は涙目になっており、デザイナーのZECO氏の『艦これ』5周年記念イラストではサムと一緒にカメラ目線になっている。5周年イラストを見る限り中々のイケメンなクジラである。なお、このクジラの由来は太平洋戦争中のとある日の出港の際に、左舷にクジラが衝突するという珍事に巻き込まれたためと思われる。潜水艦と間違えるほどの図体であったらしい。
なお、ちょっと似てる気もするが、くちくいきゅうではない。
水着mode
2019年7月18日のアップデートで水着modeが実装された。
青と白の横縞柄のビキニを着て、二の腕には浮き具を付けている。艦番号の付いた浮き輪(透けているところからコルクの救命浮き輪ではなく、普通のビニールの浮き輪と思われる)の両側には、通常時に腰の両側に展開しているのと同型の艤装が装備されている。
お供のクジラはサングラスを掛けており、見事なまでのバカンスmode。
晴着mode
2020年元旦のアップデートでは、晴着modeが実装された。
やはり青と白を基調とした振袖の上から、普段のセーラー服を模した羽織を着ており、頭には星形の髪飾りを複数つけている。そのうち一つが自分の顔ほどもあるような巨大なものだったり振袖や羽織に鯨の模様が描かれていたりと、さすがにこの人ほどではないが、アメリカ艦らしい派手なアレンジが加えられた装い。どことなく昔話に出てくる天女にも見えるような…。
なお、お供のクジラまでも「賀正」と書かれた日の丸模様の扇子を持っているなど装飾には余念がなく、なぜか機雷にまで手毬のような装飾を施している。
性格!Complete!
明るく素直で頑張り屋、そして世話焼きでお調子者な少女。護衛駆逐艦としての誇りを持ち、特に最期の戦いで同隊だったガンビア・ベイとは親しい友人でもある。ただ、彼女の内気な性格と重度の方向音痴もあってか、基本的にはサムが主導権を握って世話を焼いている。
その甲斐甲斐しさは提督にも向けられるが、頑張りが空回りしてところどころでそそっかしい。元気印という言葉が似合う明るく真っ直ぐな性格で、何かと率先して自分から動こうとする。ただ、張り切って始めた矢先に何かを落としそうになっているのか、はたまた自分が躓いてしまっているのか、たびたび悲鳴を上げては「No problem」と断りを入れている。その行動がある艦娘を髣髴とさせることから「サミュだれ」と呼ばれることもあるようだ。
そそっかしくはあるが、食事の準備などはお手の物。朝食にはベーコンとスクランブルエッグ、夕食にはハンバーグを始めとしたセットメニューを提供してくれる。ちなみに彼女は根っからのコーヒー党であり、休憩や食事でのドリンクメニューが、ほぼコーヒー一択というほど。どこぞのゲルマン正規空母と話が弾むやもしれない。
戦闘では常に自らを鼓舞し、勇敢に戦う姿を見せる。「まあ、巡洋艦のように……足りない、まるで戦艦のように……頑張ります!」と、夜戦時に勇猛な気質を覗かせる。
改造後の時報ではやはりというか、夜な夜な騒ぐ夜戦バカに苦情を言いに向かっている。だが、勢いに押され危うくミイラ取りがミイラになりかけるという珍事に発展する。
Thanks!性能もお願い!私、使うから!
駆逐艦としては初となる低速艦だが、これは主に客船を護衛するために速度を合わせた結果と思われる。艦隊の速度によるルート逸脱が発生する海域ではこれがネックとなるが、「改良型艦本式タービン」1つで高速化するため、補強増設を使ってスロットを増設してやれば、装備枠を潰さずに高速艦として扱えるようになる。
対潜値は初期値で48、無改造時でも最大80とかなり高く、Lv50で「改」に改造すると五十鈴改二・龍田改二・ジャーヴィス改と同様に無条件での対潜先制爆雷攻撃が可能になるため、わざわざ対潜装備を論者積みする必要も薄く、装備スロットにある程度の融通が利いてくる。この時点で【69】と同日実装された対潜重視の浦風丁改と肩を並べるにまでに至る。
浦風丁改は最終的に対潜値が88まで上昇し、元々浦風自体が陽炎型の中でも対潜値が高いこともあってケッコンカッコカリ無しでも先制対潜が可能になるまで育つのだが、丁改になると改造可能なLv69の時点で対潜値が74もあり、所謂三式セット(三式ソナー2つ+三式爆雷投射機1つ)を搭載することで即先制対潜が可能となる。しかし、こちらは朝潮改二丁と同様に最終的にソナー1つのみで先制対潜が可能な値まで成長するものの、無条件での先制対潜は行わない。飽く迄改二までの中間改装といった趣である。
しかしながら、サムの対潜攻撃以外の能力は旧式艦の神風型や睦月型に近いため、実戦では対潜要員としての起用が軸になるだろう。燃料・弾薬の消費量は駆逐艦の平均的な数値に収まっているので、育成序盤は遠征に出してコツコツ育てるのも有効。改造可能となるまでが長いので、じっくり腰を据えて育成していきたい。
実装はまだまだ先だろうが、改二実装の可能性もまだ残っているため、この先が楽しみな艦娘でもある。
以下の新実装のアメリカ製の装備を装備すると装備ボーナスを得られるようになった。
装備名 | 装備区分 | 装備ボーナス |
5inch単装砲 Mk.30改+GFCS Mk.37 | 小口径主砲 | 火力+2、対空+1、回避+1 |
5inch単装砲 Mk.30改 | 小口径主砲 | 火力+2、対空+2、回避+1、装甲+1 |
GFCS Mk.37 | 小型電探 | 火力+2、対空+1、回避+1 |
SG レーダー(初期型) | 小型電探 | 火力+3、回避+3、索敵+4、射程:長 |
史実、巡洋艦のように…足りない…まるで戦艦のように、頑張ります!
サマール沖海戦におけるサム、およびタフィ3(第77.4.3任務群)の“大立ち回り”は語り尽くされている感があり、詳細は各個別記事に譲って、ここでは概要だけを記す。
が、かいつまんだだけでも恐ろしい密度である。
- ガンビア・ベイほかの護衛空母群を守るべく、栗田艦隊目指して反転突入。圧倒的な敵軍を前に、ロバート・W・コープランド艦長は艦内放送で「我々は水雷突撃を敢行する。結果はどうなるか分からないが、義務を果たそう」と乗組員に決意を表し、士気を鼓舞した。
- 煙幕の陰から飛び出すと、栗田艦隊の重巡(鳥海と推定されている)の懐に飛び込んで相手の砲撃を封じると共に、600発の5インチ砲弾と3本の魚雷、機銃弾多数を叩き込む。(魚雷は1本が命中したともされるが、詳細不明。なお、護衛駆逐艦が敵艦に雷撃を敢行した例は、後にも先にもこの1度きりである)
- 別の重巡(筑摩と推定)にも砲撃し、第三砲塔を破壊。
- 後部砲塔も300発以上の砲弾をほぼ撃ち尽くした末に、日本側の砲撃を受けて沈黙。担当砲手のポール・H・カー兵曹は、救護班が駆けつけたときには、最後の1発を抱えたまま絶命していた。
- 金剛の主砲を受けたのをきっかけに徐々に力尽き、反転・突入からおよそ2時間後、総員退艦が発令。艦番号(ハル・ナンバー)「413」が見えるほど接近した矢矧、浦風、磯風、雪風らの砲撃によって、遂に息の根を止められた。
- が、(死してなお戦わんとするが如く)沈没後も艦首はしばらく波間から覗いていたという。
大乱戦の中で、多少の誇張や誤認はあったかもしれないが……
擬人化した姿でそのバーサーカーっぷりを想像すると、なかなかすさまじい絵面になりそうではある。
サムはこの戦闘で落命したが、その奮戦振りから「戦艦のように戦った護衛駆逐艦」と讃えられ、従軍星章を授与された。
その艦名、並びにコープランド艦長(後に少将まで昇進)と後部砲塔で戦死したカー兵曹の名誉にちなんで、戦後、それぞれがオリバー・ハザード・ペリー級ミサイル・フリゲート(護衛駆逐艦の直系である)の艦名に受け継がれている。
余談だが、上述のように(どうやら致命傷を負わせた艦はいないものの)日本側の艦船にも数多くの因縁が結ばれており、鎮守府内のメンツとの関係が多少心配ではある。
が、ボイスでは「タフィ3つながり」のガンビア・ベイのほかに、午後4時の時報でかつて自分が雷撃した重巡・鳥海と何やら親しげに会話しているような声が聞こえてきたり。「今はそうなの」というセリフは今はともに戦う仲間ということだろうか。(あと、なぜか例の夜戦バカが話に上がる場面もあるが、これは「鎮守府の名物(迷物)といった所だろうか)
タフィ3の奮戦は敵である栗田艦隊の胸にも響いた模様で、同じくサマール沖で沈んだガンビア・ベイやジョンストンの生存者の間では、立ち去る栗田艦隊諸艦から敬礼を送られたとの証言もあった。傍で心配するほど、当人達には遺恨はないのかもしれない。
その他
御大、参戦
彼女のデザインを手掛けたのは、「皇宇」のペンネームでも知られる台湾の漫画家兼イラストレーターのZECO氏。既にご存知の方もいるだろうが、公式メディアで大々的に艦船擬人化を扱った二次元作品の大家と言い得る『BattleshipGirl_鋼鉄少女』の生みの親であり、今日『艦隊これくしょん』の存在を語る上で、その先駆者として一目置かれる人物である。運営の前身である「C2機関」も、ZECO氏からの影響を認めている。
4月中の運営Twitterで、「長らく『艦これ』を応援してくれたある漫画家さんのキャラクターデザインの参加」が発表され、その筆頭候補として名前が挙がっていたが、まさかの公式参入となった。
まさかの
某日、ZECO氏が田中プロデューサーとの夕食会での対談内容を、田中Pが許可した範囲で個人で配信した。
その内容の中に、サムが履いていないことがZECO氏から公言された。
はいていないどころか、本当に な い らしい。
この件があったため、水着mode実装時には一部で「サムが下を履いてる」と安堵混じりの驚きの声が上がっている。
イラスト?Thanks!
関連タグ?大事!とってあげるね!
タフィ3:所属していた任務部隊
・ガンビア・ベイ(艦隊これくしょん):護衛対象
・ジョンストン(艦隊これくしょん):同任務部隊の同僚
- 衣笠(艦隊これくしょん)、初風(艦隊これくしょん)
- 『艦これ』の記念の際に実装された艦娘。前者は重巡洋艦娘。
- 筑摩(艦隊これくしょん)
- 史実で関わり深い艦同士であるだけでなく、ひらがなの「ちくま」(現役)の名で、同じDEに転生している。
- 五月雨(艦隊これくしょん)(サミュだれ)
- 朧(艦隊これくしょん)
- 海洋生物を連れた艦娘つながり。こちらのお伴はカニ。