曖昧さ回避
- アメコミ・MARVEL掲載作の一つ、及びその主人公である私刑執行人。本記事で解説。
- トライガンに登場する『最強の個人兵装』 ⇒ パニッシャー(トライガン)
- 佐渡川準による漫画。『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)にて、2008年10号から2009年21・22合併号まで連載された。単行本は全7巻
- コミック「電人ファウスト」でファウストが使う必殺技。
- カヲ酢氏製作の同人ゲーム。
概要
マーベル・コミック刊行の複数のコミックに登場するアンチヒーロー。本名、フランク・キャッスル。元アメリカ海兵隊所属の軍人。
初登場はスパイダーマンの敵役に雇われた狙撃者としてだった。しかし彼のキャラクターぶりが好評で単独タイトルを得た。
フランクは家族と共に、セントラル・パークでピクニックを楽しんでいた。
しかし、突然勃発したギャング同士の抗争に巻き込まれ、その銃撃戦の流れ弾によって最愛の妻と二人の子供達は帰らぬ人となってしまう。
暗黒街のギャング達への復讐を固く誓った彼は、いっさいの過去を捨てる。正面に大きく白い髑髏を描いた漆黒のコスチュームに身を包み、非情の私刑執行人「パニッシャー」となり、クライムファイター(=犯罪者退治専門のヒーロー)として法の裁きを逃れている犯罪者たちを断罪するべく活動を始める。
パニッシャーとなってからは、主にニューヨークを中心に活動している。
特徴
人物
MARVELコミックのヒーローは、基本的に相手がどんな極悪人でも故意に殺すことはないが、彼の場合は悪人ならば老若男女容赦せず、冷徹に処刑・抹殺する。
そのため彼自身が犯罪者として警察に追われる身であるのはもちろんだが、他のスーパーヒーロー達とも対立しがち、あるいは軽蔑されがちである。現実のアメリカの治安の悪化という背景事情がこうしたヒーロー像を求め、許容するようになったと見られている。
とは言え、決して残虐な人物ではなく、本来は温かな家庭人であり(だからこうなったとも言える)、彼自身も自分の行いを決して良いものとは考えておらず、それ故に苦悩することもある。
スパイダーマンやデアデビルなど、ニューヨークを中心に活動するヒーローとは一応の親交がある。
それに加え、パワーパックのような子供のヒーローたちや、フランクリン・リチャーズのようなヒーローの子息たちなどとも親交があり、その際にはかつての家庭人らしい一面を見せる事も。
また、パニッシャーほど苛烈では無くとも場合によっては殺人も辞さないウルヴァリン(X-MEN)とは、ある種の共感を持ちあっている様であり、同じく被害者の復讐を代行するゴーストライダーともよく共闘している。
コミックスには3人が共演して共に戦うエピソードも存在しており、MARVELコミックを代表する三大ダークヒーローの一人に数えられる。
能力
他のMARVELヒーロー達と違い、超人的能力は持っていないが、元海兵隊員という経歴から、銃火器を初めとした様々な武器類を自在に使いこなすことができ、格闘術による白兵戦の腕前も超一流で、他のヒーローに決して劣らない戦闘能力を誇る。
またデッドプール誌において、恐らくは『処理した』ヴィラン達の武器も回収し使用したり、シビルウォーでは、アイアンマンことトニー・スタークの会社の倉庫に忍び込み、ハイテク装備を盗み出し使用していることも判明している。
さらに相手を倒すためには躊躇もなく、手段も選ばない。そのため、たとえスーパーパワーを持つヒーローであっても真っ当に戦おうとすれば、あっという間に裏をかかれて痛い目に遭わされてしまう。この事から、クロスオーバー作品においてパニッシャーは油断ならない相手として認識されている。
最近は、アニメ『アベンジャーズ コンフィデンシャル: ブラック・ウィドウ&パニッシャー』において、アベンジャーズのメンバー・ブラックウィドウにも引けを取らない戦いぶりを見せ、『S.H.I.E.L.D.(シールド)』のニック・フューリー長官に腕を見込まれ、任務の協力を依頼されている。
関係者
協力者
マイクロチップ
本名:ライナス・リーバーマン。武器商人でフランクに銃器などの武器を提供している数少ない友人の一人。フランクと同様にギャングに家族を殺された過去を持つ。
マーティン・ソープ刑事
警察署の「パニッシャー対策本部」を敷いており、表向きはパニッシャーを追う立場だが、本当はフランクの協力者の一人であり、法の処罰を逃れている犯罪者たちの情報を提供している。
その他
本名:ビリー・ルッソ。元はイケメンの暗殺者であったが、フランクに顔を傷つけられてしまい、以後フランクを付け狙うようになる。
余談
今現在までにおける彼の動向。
- あの耳のとがったマスクをつけた男と、クロスオーバーをしたことが有る。
DCコミックス版とマーベル版の二作が存在するが、互いに同じ「ただの人間」であり、理不尽に家族を奪われたという同じ過去を背負うクライムファイターでありながら、感情を押し殺して犯罪者を殺さない彼と、怒りを隠さずに犯罪者を処刑するパニッシャーを対比させる形で描かれている点では両作とも共通。
ちなみに最初に出会ったのは、ある悪漢に背骨を折られて、その間にその名を襲名した方である。後に本来の彼の方とも対決した。
対するヴィランも、ジグソウとともによく笑うあいつが登場した。
また、パニッシャーの相棒のマイクロも、彼の相棒であるとある少年と、コンピューターのハッキングで対決した。
- スパイ組織『S.H.I.E.L.D.(シールド)』の長官ニック・フューリーを亡き者にしようとする輩による『ニックが家族を殺した』というニセ情報を鵜呑みしてフューリーを狙撃。(ちなみにフューリーは死を偽装し数年間身を隠す)
- 自分の過ちを恥じて自殺したものの神の使いによりゾンビのごとく蘇った?後に元の人間に戻ったとの事(当時の人気低迷によるマーベル社のテコ入れ)
- 「シビルウォー」事件で再び姿を現す。(元の人間として登場)、数々の事件を得てノーマン・オズボーン率いるにダーク・アベンジャーズとの対戦により死亡。その亡骸はマッドサイエンティストにより「フランケンシュタインの怪物」のごとく蘇ったとの事
- ・・・と思いきや、元の人間に戻ったとか色々忙しい人物である。
- 3度も実写映画化されている。下記参照(↓)
- 日本ではカプコンからゲームが発売された。⇒パニッシャー(カプコン)
ゲーメスト読者には「パニシ」でお馴染みの存在である。
ミズキ(パニッシャー)を始めとしたオリジナル女ザコ忍者のイラストが多い。
- パニッシャーのトレードマークのドクロは米国海軍特殊部隊SEALsが好んでボディアーマーやヘルメットに大きくトレードマークとして描いている。(MARVELコミックのヒーローの中でも「積極的に法律をガン無視」に関してはトップクラスの奴だけどいいのか?)
- マーベルとDCのタイトルおよびキャラクターが、互いに合体した一大クロスオーバー「アマルガム」では、パニッシャーは「bullets&bracelets」として、ワンダーウーマンことダイアナと夫婦になり、二人してクライムファイターになっていた。
映画
パニッシャー(1989年版)
英題:The Punisher
1989年、オーストラリア、日本公開1990年1月
監督:マーク・ゴールドブラット
主演:ドルフ・ラングレン
原作と違い、今作ではフランクがパニッシャーとして活動する以前の経歴は刑事で、そのため犯罪者の逆恨みを買いマフィアに家族を殺害されるという設定。この映画では、フランクはパニッシャーのトレードマークであるドクロマーク入りのコス チュームを着用していない。これは主演のドルフ・ラングレンが着用を拒否したためという説があるが本人は否定している。代わりにドクロはパニッシャーが犯罪者を処刑する際に使うナイフの意匠として盛り込まれている。
パニッシャー(2004年版)
英題:The Punisher
2004年4月全米公開、日本公開2004年11月
監督:ジョナサン・ヘンズリー
本作では、フランクがパニッシャーとなるまでの経緯が描かれている。設定は前作同様に変更され、経歴は湾岸戦争への従軍経験やCTUに所属した経歴を持つFBI捜査官となっており、舞台もニューヨークではなくフロリダ州のタンパに移された。また、『ジョーズ』などに出演した名優ロイ・シャイダーの遺作でもあった。 公開時は反響が少なかったが、ビデオやDVDのヒットから続編製作が決定し、これが紆余曲折の末、次回作となった。
パニッシャー:ウォー・ゾーン
英題:Punisher: War Zone
2008年12月全米公開、 日本公開2009年4月18日
主演:レイ・スティーブンソン
前作の続編として製作されていたが、繋がりは一切なくなりリメイク作品となった。前2作と比べてより原作に忠実な設定 (元海兵隊、家族構成など)になっており、舞台もニューヨークとなっている。アクション要素が重視された内容で、 いままでで一番バイオレンスな描写が濃く、銃撃で肉体が血や肉片を撒き散らしながら吹き飛ぶ様子などを事細かに表現している。また、本作では上述した戦いの中でのフランクの苦悩や彼の人間味ある部分も描かれており、信心深いクリスチャンである設定となっている。協力者であるマイクロやソープ刑事が登場するのも本作のみ。
ドラマ
デアデビル
英題:Marvel's Daredevil, またはDaredevil
2016年3月18日にシーズン2の世界同時配信に伴い日本でも同様に同時配信。
演者:ジョン・バーンサル(日本語吹替:坂詰貴之)
有料映像配信サイト世界最大大手Netflixのオリジナルドラマシリーズ『デアデビル』のシーズン2に登場。
家族を犯罪者集団に殺害された際に自身も頭部を負傷し死にかけるも、謎の人物達によって蘇生され以後処刑人としての活動を開始する。
法で裁けぬ悪と戦うという共通の目的を持ちながら、(超えてはならない一線として)殺人を絶対否定するデアデビル=マシュー・マードックとは激しく対立。悪党(ヴィラン)ではないがヒーローでもない主人公の敵という位置づけである。
尚、このドラマはマーベル・シネマティック・ユニバースに属されており、アベンジャーズなどのマーベル実写映画作品と同じ舞台で、今後もクロスオーバー展開が期待される。
パニッシャー=フランクを主人公にした単体ドラマも製作された。
関連イラスト
関連項目
ルナティック、コマンダー・ドーパント、フジキド・ケンジ、ステイン、ミゲル、雪藤洋士、松田鏡二・・・・同じく悪人を私刑行為で殺す者。悲惨な過去の持ち主という点でも共通。
夜神月、句楽兼人・・・こちらも悪人を私刑行為で制裁したり殺したりする者。ただし、パニッシャーと違って特に悲惨な過去というものがなく、唐突に超常的な能力を手に入れてしまったために、徐々に自身の正義感を歪め身勝手で独善的な人格になって行き、最終的にサイコパスになってしまうという違いがある。
ロールシャッハ:DCコミックスにおける同族
ブラックラベル・・・同じく法で裁けぬ悪人を容赦なく抹殺する組織。
善悪の屑・・・被害者からの依頼を受け、法の裁きを逃れている犯罪者に復讐を遂げていく復讐屋の物語。
小森ユウ・・・スパイダーマンの1人であるが、最終的にパニッシャーと同じ行動に走ってしまった。
ビジランテ・・・DCコミックにおける、パニッシャーと同じ理由(家族を犯罪者に殺された)でクライムファイターとなった者。超能力を持っていない常人である事も共通。ただしこちらは現役の検事であり、フランク・キャッスルほどの戦闘能力は有していない(自力でトレーニングして、戦闘技術は習得してはいるが)。また、パニッシャーのように問答無用で悪人を殺害もしない(次第にパニッシャーと同じになるが)。元は、MARVELのパニッシャー人気を見て、DCコミック版パニッシャーとして創造されたキャラクター。