「ホレホレホレホレ~♪部下ニナレェ~♪ボーイズアンドガールズ、俺ノ部下ニ~!!」
データ
身長/199cm
体重/239kg
スキン/新体操遺跡
概要
フェズントコンサルタントの部長・山田の「有能な部下が欲しい」という欲望を叶える為に誕生した、大モデルのヒトツ鬼。
ベニツ鬼が古代ヨーロッパにありそうな神殿と彫像が融合した造形のスキン・“新体操遺跡”を身に纏った姿。朽ちている石材が集まって構成された様な黒い外見は峻厳ながらどこかくたびれた感じをまとっていて、自分の明るい未来の展望を開けなくなり思い詰まってしまった、宿主の心理状態を表現している様にも見える。
また、額には一つ目に見える紋章の様な意匠がある他、右肩に桃と青、胸部には黄と赤と黒の宝玉が埋め込まれている。
描写はなかったが、変貌時には「螟ァ謌ヲ髫」(大戦隊)の文字化けと、大戦隊ゴーグルファイブのクレストが浮かび上がったと思われる。
欲望が間違った方向に誇張された結果、「将来自分の部下になるかもしれない子供を捕獲する」と言う思考に至ったらしく、新体操のリボンを用いての大きな体で踊る新体操の大技コンボを行使。「部下ニナレ」と嘯きながらボーイズ&ガールズを大襲撃し、リボンに触れた対象をボールに変えて消してしまう、危ない絵面で人攫いを繰り返す怪物と変貌を遂げ、つよしの代わりになる未来人材をどんどん求めていった。
この他にもクラブやフープ、ボールといった新体操の手具を所持しており、これらを使った演技を見せる事もある。
宿主が戦闘経験0に加え、欲望の波幅が大きく元の姿とヒトツ鬼の状態を行き来している事から意識も朦朧とした不安定な状態の為、戦闘能力は皆無に等しい。
この為討伐に現れた脳人へ一切の抵抗ができないまま消去されかけ、ドンドラゴクウ/ドントラボルトとドンモモタロウに結果的に護衛してもらってもいた。
また、岩石の様な姿になっている為か抑揚がない話し方で、口調が何故か外国語混じりになる。
活躍
部下であるつよしが担当した、レストランの経営が悪化した事を理由につよしへクビを突きつけるも、すぐに自分も部下の責任に追従されて社長から叱責されてしまう。
すると、「今度は自分がクビになるかもしれない」と凄まじい恐怖心が自身を襲い、自分の未来の展望が閉ざされる窮地に陥ったのを「良い部下に恵まれなかったせい」と責任転嫁。もっと有能な部下を望んだ事で大鬼を引き寄せ、ヒトツ鬼へ変貌を遂げてしまった。
「はぁ…。次は俺だ…。俺がクビになる……欲シイ……部下ガ…ハハハッ、有能ガ部下ガ……!ハハハッ!ハハハハッ!」
人を超えた上司の鬼となり、屋外で人材になると目をつけた子供達をボールに変化させていったが、そこにドンブラザーズが出現。
しかし、自身がクビにさせた張本人であるつよし/キジブラザーが慣れない重労働で疲労困ぱいでまともに戦える状態では無く足がもつれて転倒してしまい、メンバーがキジの身を案じている隙に「コレハ…ストップザバト~ル♪」とその場を優雅に踊って立ち去った。
先程の戦いのキジの有様にタロウはつよしに理由を聞きに来たが、「懐の具合が悪い」と言ったのを「おふくろの具合が悪い」と勘違い。本職の配達の仕事を意外に違うアルバイトを増やし、そこからはるか、真一と話が間違った形で伝わり、彼らは朝から晩まで不眠不休で働き続けるワーカホリックを拗らせる事になった。
「はぁ…、部下が欲しい……。 欲シイ、欲シイ……! 出来ル部下ガァ…!!」
その後、一旦は元に戻った山田はクライアントのレストランから請求された損害賠償をつよしに突きつける(※)が、それでも一向に良くならない状況から再度大鬼へと変貌。
「部下ニナレェ。オ前ラ全員、俺ノ部下ダ!」と呟きながら子供を含めた人々を追い回してボールに変えていくが、そこにジロウが参上。密かにドンブラザーズが仲間の為に懸命働き、現在もつよしの為にレストランの立て直しを図る様子を見ていたジロウは「タロウさん達は今忙しい。今日は、僕が1人で相手をする!」と単身でドンドラゴクウへとアバターチェンジ。急な乱入者に驚きつつ交戦を開始するも元々戦闘が皆無なので一方的に攻められるも、そこにソノイら脳人が出現。
更にアバターチェンジしたドントラボルトがソノニとソノザと戦っている間にソノイに斬りかかられそうになるが、タロウ/ドンモモタロウが救援に駆けつけ乱戦に突入するが、その隙に「コレハ、エスケープチャンス…」とその場をこっそり逃げ去ろうとする。
しかし、脳人を追い払ったドンモモ&ドラゴクウにすぐに見つかってしまい、最期はそのまま「桃代無敵・アバター乱舞」と「ライトニングドラゴンフラッシュ」を同時に喰らって敗北・爆散した。
すると暴走した欲望で大鬼ングへと変貌。
それを見たドラゴクウは自分より分離し、ドンモモに突っかかるトラボルトを宥めつつ虎龍攻神を繰り出す。
山田
雉野つよしの直属の上司で、本編にはドン2話からちょくちょくと登場していた。上記の通り、つよしにクビを言い渡したはいい物の、自身もクビになる恐怖に苛まれて大鬼を呼び寄せてしまった。
かつて社長のタブーに触れて怒られた過去があるらしく、その経験から上役より理不尽な人事を受けても逆らえず、うだつが上がらない節もある。
自己評価へ難のあるつよしにパワハラやイビリ紛いの嫌味を言う事も多いが、ドンブラザーズの活躍により店がV字回復した為、上から自分とつよしのクビを撤回されるや、一転してつよしを自慢の部下と褒めちぎった(それは今回だけに限らず、ドン6話でもつよしが優秀な働きをした際に褒めちぎったりしていた)事から考えると、結局は良くも悪くもお調子者な凡人である様子。
また、互いにクビが回避された際にはつよしと抱き合って喜び合う等、意外にも関係は悪くない…というか似通った者同士として相手から多少ズレた受け取りをされつつも、長年つき合って来たのが窺え、ナレーションのはるかからも「この2人はヒトツ鬼になったことがある。実は気が合うのかもしれない」と評されている。
余談
これまでのヒトツ鬼の名前の法則上こうなる事はある程度予期していたとはいえ、形容詞が個人名になっているキャラクターは特撮では恐らく初の事例。文字だけなら一般名詞の大鬼(おおおに)と区別できない上、「大」という形容詞を冠した名前であるが故に「どんな名前だ」と言われ、制作スタッフの間でもツッコミの声が相次いだのだとか。ピクシブ百科事典ではシャーマンキングの記事になっているが、大鬼という同名の日本酒なども存在する。
モデルとして使われた戦隊は大戦隊ゴーグルファイブ。なお2022年はゴーグルファイブ放送40周年の年でもある。同時に初の昭和戦隊モデルのヒトツ鬼でもある。
また、山田を演じる滝氏はゴーグルファイブのファンであり、台本で役どころを知った時はすごく嬉しかったらしい。
最初の襲撃での「ボーイズ&ガールズ」というセリフはゴーグルファイブをサポートする少年少女達「コンピューターボーイズ&ガールズ」、「ストップ・ザ・バトル」というセリフは大戦隊ゴーグルファイブの同名のEDテーマ、劇中で真一が面接に向った「電子銀河ゼミナール」「出須田進学院」は、それぞれゴーグルロボの必殺技「地球剣 電子銀河斬り」と「暗黒科学帝国デスダーク」が元ネタ。
スキンの「新体操遺跡」はゴーグルファイブが新体操主体の戦闘方法とゴーグルファイブのメンバーがそれぞれ古代文明をモチーフにしてるから遺跡を選んだと思われる。額の紋章と体の宝玉の配置からして、「未来科学(ゴーグルファイブ)を討ち負かした暗黒科学(デスダーク)」がデザインイメージだろうか。
また、本家が「(科学において)有能な人材に恵まれた組織」であるのに対して「(雉野と自分を含めて」ろくな人材に恵まれない職場」の宿主というのはなんとも皮肉の効いたチョイスである。
ゴーグルファイブは博士が選出した子供によってスカウトされたのに対して、子供を無差別に部下にしようと襲っていたのはヒトツ鬼らしい要素である。
激走鬼以来のフェズントコンサルタント関係者が変貌したヒトツ鬼でもある(激走鬼は元ネタのロボの必殺技を再現できるが、不発になってしまった)。
上記の様につよしに即日解雇した上に損害賠償を請求しようとした山田だったが、労働基準法第24条では、「労働者は業務上の過失の責任を負う必要はない」(=仕事の中で故意に出したのではない損失を補う義務がない)と規定されており、立派な法律違反である。スーパー戦隊とも縁があるアニメでも触れられている。
pixivでは登場以前にオリジナル怪人として大鬼が投稿されていた。
関連タグ
手のひら返し:つよしに対する評価の変化がまさしくそれ。
魔進鬼:令和戦隊モデルのヒトツ鬼第1号。さらに宝石モチーフの戦隊のヒトツ鬼。
超力鬼:古代文明モチーフの戦隊のヒトツ鬼。
激走鬼:ナレーションのはるかから「この2人はヒトツ鬼になったことがあるから気が合うのかもしれない」と評されたヒトツ鬼。宿主がフェズントコンサルタントの関係者、ベースがベニツ鬼という点も一緒。
暴太郎鬼:登場したら同様に「どんな名前だ」と言われるであろうヒトツ鬼。
あなたをドレスアップ~Je vais t’habiller~:ピンクリボンがモチーフのルパンコレクション。
イエティメギド:メインキャラクターの上司が怪人化したキャラクター。
大原大次郎、剛田武:山田部長のモチーフとされるキャラ。それぞれつよしに相当するキャラとは『ブラック上司と手のかかる部下』、『いじめっ子といじめられっ子』のような関係にあるが、なんだかんだで上手くやっていけているという共通点がある。東映公式でも流石に伏字ではあるが彼らの名前が記載されている(ちなみに後者の中の人は30分前の番組の主人公の悪魔を演じているほか、ドンブラザーズでも名前が似ている人物が登場している)。