ヘラジカ
へらじか
概要
哺乳綱偶蹄目シカ科オジロジカ亜科ヘラジカ属に分類される哺乳類の一種。
漢字表記は「箆鹿」。巨大な角をヘラに見立てての命名。原住民による名前は「木を喰う者」の意味を持つ。英語では通常はムースと呼ばれるが、「エルク」と呼ばれる場合もある。
ラクダジカ、オオジカとも言う。
通称「森の王」。
唾液には樹木を育てる成分があるとされている。
また、古代の世界の生き残りとも言われる。
アルビノや白化の個体は「神の使い」と原住民から崇められ、殺したハンターがトラブルに巻き込まれたこともある。ゴルゴ13も規則を破って2頭殺したために逮捕されていた。
首の下にある房とラクダのような顔が特徴。現代に生き残った鹿の仲間では最大で、現生の北半球北方の動物では、アメリカバイソンやヨーロッパバイソンに次ぐ大きさを持つ。体高では、これらバイソンよりも高い。二番目に大きな現生鹿は、アメリカアカシカことワピチ/エルク(アカシカとは別亜種)。
最大で肩の高さは2.3m以上、体長は約3.1m、角の差し渡しが2m弱、体重820kgにもなる。馬も逃げ出し、犬に付きまとわれても動じず、自動車と衝突すると車の方が大破するレベルどころか車を引っくり返せるという話もある。実際、年間数百人の犠牲者が、ヘラジカと乗用車の衝突で出てしまっている。そのため、北米の高級車にはヘラジカを指標とした安全基準が施されるほど。
しかも、割りと良く街に現れる。
- 実数値は不明だが、明らかに上の数字よりデカイ個体も撮影されているので、将来的には記録更新されるかもしれない(「Sir」と呼ばれる名前も風格のある個体が有名)。イノシシなど、他の生物にも記録更新が狙える超ド級の個体がいる。
脚が非常に長いのが特徴で、このおかげで豪雪部の移動や水泳も得意。モーターボートやスノーモービルに追い付く程速い。(別の動画①②)
中国やカムチャッカ半島含め、北半球の森林地帯に広く分布し、ヨーロッパでは「エルク」(Elk)アメリカでは「ムース」(Moose)と呼ばれていて、アメリカアカシカ/ワピチと勘違いされることも。また、大陸や地域、圏ごとに亜種分かれしていて、アジアなどの種類は角が小さく尖っている。
ビーバーと共にカナダのシンボルとされ、スウェーデンとノルウェーの国獣でもある。特徴的な角は、音を集めるアンテナとしても機能する。アメリカバイソン共々、ヘラジカもグリズリーを撃退する事ができるとされる。
食性は草食性で、木の葉や樹皮、地面に落ちた種実類、水草等を食べる。地上と水中の水草を両方エサにできるのは彼らのアドバンテージである。なお、発酵したリンゴを食べて酔っぱらうこともあるらしい。
一見危ないように思えるが、実は人懐っこい部分もある。
裏庭や町中、大学の敷地などにも時折出没し、庭のプールで水浴びすることもある(動画その①その②)。
家畜化に成功した地域もあり、乗馬ならぬ乗鹿もできる。鹿乳というものもある。
町中でオス同士の決闘が始まるととんでもないことになる(どちらかが死んでしまうことも)。
もちろん、狩猟が盛んな地域の個体や、親子や繁殖期のオスなどは(興奮状態で神経質なため)危険には変わりないので注意が必要だが。
また、奈良公園のシカ同様、ダニには注意。ヘラジカの場合はダニのサイズも半端なく、なんとヘラジカ自身が殺されてしまうこともあるのだ。
余談
- 武井壮は、ヘラジカとの遭遇がきっかけで百獣の王を目指したらしい。
- 日本での知名度は決して良くない動物であったが、世界の果てまでイッテQ!が2016年11月20日に取り上げて認知度が上がったとか(それ以前にも取材したことはあるが、普段は見られるはずが、リポーターが直前に食わされたものの異臭のせいで全く姿を見せなかった)。動画はこちら。
- かつては日本にも分布し、青森、海老名、野尻湖などから化石が出土している。人類との接触が仮に無かったとしたら、現在でも日本列島に生息していたのかは不明。
- 一応神奈川県の横浜市立金沢動物園と川崎市の夢見ヶ崎動物公園で見ることができたが、前者にいたオスのアメリカヘラジカ「ウィロー」は2011年9月14日朝、角に木の枝が絡み付いて展示場外側の空堀に転落後、そのまま体調を崩し窒息死。後者にいたシベリアヘラジカの姉妹「ポロウ」と「ユキ」も2012年の春にユキが、翌2013年8月7日にポロウが息を引き取っている。
- 加えて口蹄疫などの疫病の影響もあり、新たに招き入れることも現状では難しいため、実物に会いたければ自分から行くしかない。
ヘラジカをモチーフにしたキャラクター
漫画
トニートニー・チョッパー(ONE PIECE)※怪物モードのモチーフ