概要
初登場作品は『ウルトラマンダイナ』。
同作に登場した宇宙球体スフィアは他の生物や物質と融合することができ、自身を核として怪獣化したものをスフィア合成獣と呼ぶ。
スフィアはダイナを象徴する敵でありながら登場回数が少なく、スフィア合成獣自体も数が少ない。
しかしながら、物語の中で重要な回に登場する割合が多いため、強敵としての印象が強い。
更に『ダイナ』の後日談としての側面も持つ『ウルトラマンサーガ』にも関連キャラクターが登場し、大きな役割を果たしている。
デザイン上の共通点としては、何体かのスフィア合成獣は体にスフィアを連想させる発光器官を持つが、全体的に統一感はあまり意識されていない(強いて言うならば、金属・岩石・土類などの硬質的な特徴が表面に出ていることが多い)。
また、設定上は共通の能力として「亜空間バリア」を発生させることができるが、一部のスフィア合成獣はこれを披露していない。
二つ名はだいたい「○○合成獣」で統一されており、全ての個体が親玉であるグランスフィアと大きな関わりを持っている(ギンガに登場したサンダーダランビアはスパークドールズ扱いの為、詳細は不明)。
『ウルトラマンデッカー』におけるスフィア合成獣
宇宙浮遊物体スフィアが他の怪獣に寄生、スフィア細胞によって遺伝情報を書き換えて誕生した合成獣が登場しており、こちらでもムラホシ隊長により“スフィア合成獣”と名付けられている。
ただし、その定義は『ダイナ』のそれとはやや異なっているらしく、スフィアザウルスやスフィアジオモスといった“融合獣”の肩書きを持つ怪獣も存在する(スフィア合成獣との分類上の関係は不明)。
また、本作のスフィアが『ダイナ』に登場したものと同一の存在かどうかは現時点では判明していない点には注意。
ただし、特に名称そのものが違うと言ってもスフィア融合獣のスフィアザウルスと同じ電波障害能力を持つスフィアゴモラ、さらにスフィアザウルスと同様の腕を装備したスフィアネオメガスなどのように本編描写上の違いは極めて曖昧なものとなっている。
また、「スフィア融合獣」という単語は『デッカー』本編では一回も台詞として使われていないという事情もあるため、スフィアジオモスとスフィアザウルスも合成獣として扱うかは判断が別れている(本記事では、公式からの確定的な情報がない都合上、明確に「合成獣」の肩書きを持つスフィア関連怪獣をスフィア合成獣として分類する)。
興味深いのが、劇中の『ウルトラマンデッカー』第9話にて、スフィアレッドキングに対しリュウモン・ソウマ隊員が
「いや、スフィアに融合されている…!」
という台詞を残していることである。一応書いておくとスフィアレッドキングは「合成獣」としてカテゴリー分けされている怪獣である。
また、「融合」とは「複数のものがとけあって一つのものになること」、「合成」は「二つ以上のものが結びついて一つになること」という意味のほぼ類義語であり、厳密にはこの2つのワードに深い違いなどはない。
一部のファンの間では「スフィアが怪獣に寄生して誕生するのが合成獣」「スフィアそのものが融合合体して怪獣化したのが融合獣」なのでは?という憶測もされていた…のだが、第23話にてスフィアが普通に融合合体してスフィアゴモラ、スフィアレッドキング、スフィアネオメガスに変化するという描写があるため、ほぼこの説は否定されつつある。
上記の通り、キャラクターとしても事実上スフィア融合獣とスフィア合成獣にはほぼ明確な相違点などが見られないことや単純に名前が紛らわしい都合もあり、スフィアザウルスらもスフィア合成獣の一種としてカウントする視聴者も少なくない。
寄生後の特徴としては、共通して電波障害を発生させる衝撃波を放つほか、電磁パルスを武器としている。また、スフィアザウルスやスフィアネオメガスはスフィアソルジャーを操り、敵を攻撃させたり自らの修復、強化に利用していた。
主なスフィア合成獣
ウルトラマンダイナ
- 合成獣ダランビア(融合元:火星の岩石)
- 超合成獣ネオダランビア/ネオダランビアⅡ(融合元:火星の岩石)
- 溶岩合成獣グラレーン(融合元:地球の溶岩)
- 宇宙合成獣ジオモス/超宇宙合成獣ネオジオモス(融合元:クラーコフの格納庫と六甲山中の岩石)
- 灼熱合成獣グライキス(融合元:人工バクテリア アイスビーナス)
- 超合成獣人ゼルガノイド(融合元:テラノイド)
- 超合成獣ネオガイガレード(融合元:ガイガレード)
ウルトラマンギンガ
- 超合成獣サンダーダランビア(融合元:何らかの発電施設?)
ウルトラマンデッカー
- 古代合成獣スフィアゴモラ(融合元:古代怪獣ゴモラ)
- どくろ合成獣スフィアレッドキング(融合元:どくろ怪獣レッドキング)
- 新創合成獣スフィアネオメガス(融合元:新創獣ネオメガス)
- スフィアジャッジメンターギャラクトロンMK2(融合元:シビルジャッジメンターギャラクトロンMK2)※厳密には制御を乗っ取っただけであり、外見上の変化はない
ウルトラヒーローズEXPO2022サマーフェスティバル
その他
正確にはスフィア合成獣ではないが、スフィアが関与した怪獣。上記のギャラクトロンMK2と同じく姿は殆ど変わっていないが、メガロゾーアがそう正式名称が付けられたようにスフィアに寄生された状態の以下3体をスフィア〇〇と呼べなくもない。また、ハイパーゼットンはスフィアを補食して強化された怪獣である。
融合獸
『デッカー』本編におけるスフィア合成獣の定義と異なる部分を持つスフィア関連怪獣。
- 精強融合獣スフィアザウルス(融合元:精強宇宙球体スフィアソルジャー)
- Sプラズマ融合獣スフィアジオモス(融合元:Sプラズマ増殖炉)
怪獣兵器
『ウルトラマンサーガ』に登場したバット星人が作ったもので、未公開となった登場シーンが『ウルトラマン列伝』、『新ウルトラマン列伝』、『ウルトラマンゼロ THE CHRONICLE』で放送され、ゼロのBlu-ray BOXにも収録された。
更に雑誌の付録DVDでも登場している。
ハイパーゼットンが吸収し打ち出したスフィアを核にしており、スフィア合成獣の親戚といえる存在。
どの個体も白目と体にあるゼットンを思わせる黄色い発光体や管が特徴である。
余談
- ダイナのストーリーには欠かせない怪獣であるにもかかわらず、ゲーム作品では登場回数が少ない(専らゲームではレイキュバス、モンスアーガー、デスフェイサー、ゲランダがダイナ代表として登場する事が多い)。しかしながら、実写の方に目を向ければウルトラマンサーガやウルトラマンギンガまでの作品には関連種が登場している辺り、TDG出身怪獣では割と優遇されている方である。
関連
ゴルザⅡ:劇中でスフィアの関与が疑われた怪獣。
リガトロン、ガイガレード、バゾブ:関連書籍で関与が疑われた怪獣