メーデー!航空機事故の真実と真相
めーでーこうくうきじこのしんじつとしんそう
公式記録、専門家や関係者の証言を元にした実話です。
概要
ナショナルジオグラフィックチャンネルで放送されている航空事故ドキュメンタリー番組。(正式名称は「メーデー!」の後にアラビア数字が入る)
毎回1つの航空機事故に焦点を当て、事故調査報告書を元に目撃証言、フライトデータレコーダー、コックピットボイスレコーダー等を用い、実際の映像とCG、実写による再現によって、航空機事故の原因と、それを踏まえてどんな安全策が作られたかが分かりやすく描かれている。
題材とする事故はほとんどが旅客機の事故だが、たまにビジネスジェットやヘリコプター、軍用機の事故を扱うこともある。自家用飛行機やレース機、スペースプレーンの事故を扱ったことも。
また事故調査官や生存者、事故犠牲者の遺族などにインタビューすることでその事故の機内の様子や被害者の心情を細かく描いており、人気が高い。
日本では2020年5月までに18シーズンとスペシャル版・番外編が放送されているほか、『世界まる見え!テレビ特捜部』や『奇跡体験!アンビリバボー』といった地上波番組でも、度々本番組の映像が流用されている。なお、両方ともビートたけしが出演しているのは世界的に有名な彼の名前を出せば映像を使用する許可が下りるかららしい(『世界衝撃映像100連発』のように当てはまらないものもあるが)。
全編日本語吹き替えになったのは第5シーズン以降で、第4シーズンと総集編までは第3シーズン第3話の日本航空123便墜落事故の回を除いてナレーションのみの吹き替えで会話や証言は字幕で対応していた。
番組のファンは俗に「メーデー民」と呼ばれている。
内容
事件発生から原因解明までの経緯を当事者の目線に沿って忠実に再現するものになっており、当事者、関係者へのインタビューが補足的に挿入される。
特に調査官の視点に注目したものになっていて、仮説を一つ一つ潰していって結論を導き出す過程が重視される。
言うなれば事故調査官を探偵役としたミステリーで、ほとんどの回は航空事故発生→調査官行動開始→調査結果を踏まえて再発防止策を取る、というミステリー的構成になっている。
しかしながら実際に起きた事故を扱っているため、全ての事故調査がすっきり解決にこぎつけるとも限らず、手がかりの不足により推測の域を出ない結果に終わってしまったり、解決しても思いもよらない事件に繋がってしまったりと後味の悪い回もある。
逆に証拠が何もかも揃ったままで調査がとても簡単という回もあり、そうした場合は事故発生パートの比重が増すことが多い。
事故だけではなく爆破テロやハイジャック、軍隊の誤射といった事件を扱う回もある。この時は事件と断定されてから警察による捜査に移り、調査官は再発防止に集中するという形になる(僅かでも事件の可能性があれば警察が出てくるが、事件と断定できなければその時点で出番は終わってしまう)。
同じナショナルジオグラフィックの『衝撃の瞬間』と同じ事故を扱うことも多いが、メーデーの方針が調査過程に重きを置いているのに対し、衝撃の瞬間は調査結果を踏まえた事件の振り返りを重視しているのが大きな違い。また、衝撃の瞬間と違いパイロットの機転や優れた技量のおかげで犠牲者が0で済み事故機を担当したパイロットがヒーローインタビューのように当時を振り返る有能回もちらほら紹介される。
航空事故を扱うドキュメンタリー番組なので至って真面目な内容なのだが、中にはギムリー・グライダーやブリティッシュ・エアウェイズ5390便不時着事故などのように描かれ方のせいでシリアスな笑い極まりない回も存在する。
毒舌ナレーター
この番組のナレーターは基本的に第三者視点で淡々と解説するのだが、しばしば無慈悲な言動や、たとえば事故原因があまりにも酷い場合など皮肉な状況になると唐突に辛口になったり辛辣なことを言い放つことがあり、視聴者から「毒舌ナレーター」とネタにされている。言い回しのレパートリーも多彩。作品によってはナレーターのほか、インタビューに出演する事故調査官やその他関係者も辛口になる。
ニコニコ動画においては視聴者の一部が読み上げた内容をそのまま赤ないし複数の色でコメントする。
一例
- クロスエア3597便墜落事故
- この台詞群は番組後半の事故調査シーンで聞ける。
- アトランティック・サウスイースト航空2311便墜落事故
- 「無駄でした。」
- 「トム・ハウターは、ブラジルまで、失脚しに来たのでしょうか」
- 前者はパイロットが墜落する機体を立て直せず地面に激突する瞬間に、後者は事故調査官の見立てが外れたところで発せられた。
現在ナレーターの吹き替えを務めている鈴木正和氏はtwitterで、「(※要約)毒舌ナレーターと呼ばれていることは承知。台本通りに読み上げているだけ」とツイートしている。