本項では、ゾイドとしての「オーガノイド」と、ゾイドに搭載される特殊なシステムである「オーガノイドシステム」について解説する。
オーガノイド
ゾイド-ZOIDS- / 機獣新世紀ZOIDS
古代ゾイド人と生活を共にしていた超小型ゾイドの総称である。
バトルストーリーで見られた「オーガノイドシステム」とは異なり、こちらは、実質的には『ゾイド-ZOIDS-』と『機獣新世紀ZOIDS』で導入された概念と言っても過言ではない。
人間を体内に格納でき、その際は触手の様な器官が体内から出現する。しかし、このために、人間を格納するスペースがありながら、ゾイドコアをどこに収納しているのかは不明である。
バン・フライハイトがジークを初めて見た際には「なんて綺麗なんだ」と呟くほど洗練された姿を持っている。また、ロブ・ハーマンとオコーネルも、初めてジークを見た際には「単なる野生体ゾイド」だと思い込んでいた。
- ヘルキャットの幽霊の「チロル」やライガーゼロやバーサークフューラーなど、とくに感情に富むゾイドは白くて無垢に近い姿をしている描写が目立つ。
このことからも、オーガノイドはゾイド本来の野生体に極めて近い姿とも言える。
外見は個体差が激しい。基本的には小型の獣脚類型や場合によっては翼を持つドラゴンに近い個体もいるが、中にはパルスの様な哺乳類型もいる。また、パートナーの人間の髪色と近い体色を持つ傾向にある。
自我や感情が非常に高いためか、性格も個体差が激しく、大人しく戦闘を好まない個体もいれば、殺戮を好む個体もいる。この辺は、パートナーの人間にも影響されると思わしい。
また、人間に好意を抱くこともある。
- ただし、バトルストーリーや『機獣新世紀ZOIDS』では、(装甲巨神Zナイトを換算しなくても)「古代ゾイド人と人型のゾイドとゾイドの境界が曖昧」である。
- 古代ゾイド人の超能力も原理が不明だが、「すべてのゾイドの母」とされる「ゾイドイヴ」が人型なことも、古代ゾイド人とゾイドの生物的な関連性を示唆させる。『機獣新世紀ZOIDS』でも、ジークや「ホウライ」等の「心」の姿は後述の通り人型である。
エネルギー源は不明であるが、シャドーはゾイドコアを「捕食」していたと思わしい描写もある。また、「ゾイマグナイト」がオーガノイドを復活させるともされている。
ドクター・ディのレベルになれば、一目見ただけで判別できるが、ロブ・ハーマンやオコーネルの様に、比較的階級が高い軍人ですら、オーガノイドの存在を知ってはいても、外見だけでは見抜けない場合が少なくない。
能力
外付けの武装を持たないが極めて特殊な能力を持ち、常識では考えられない神秘や奇跡を発揮する。
アーバインいわく「普通のゾイドよりも知能が高い」らしいが、その「普通のゾイド」に関しても、作品世界では人間に改造された個体がほとんどであるため、実際の知能の優劣は不明である。実際、オーガノイドに劣らないほどの豊かな感情や知性を感じさせるゾイドも何度か描写されてきた。
『機獣新世紀ZOIDS』では、バンは当初はジークと直接合体して戦闘を行っていた。バンが強烈なGや衝撃に悩まされている描写もないことから、合体した人間を外的ダメージから強力に守ることができると思われる。
また、体のサイズと比べて異様に戦闘力が高い。火器を搭載こそしていないが、頑丈なボディと極めて高い肉弾攻撃力を持ち、大型ゾイドをも瞬時に破壊できる。ジークも、漫画版では言わずもがな、アニメ版でも、ミサイルや音速を超えるブレードライガーの走行にある程度追いていったり、軽い頭突きでグスタフを揺らしたりしている。
しかし、『ゾイド-ZOIDS-』では、バンを守るためにジークがバンを格納した際に、フィーネ・エレシーヌ・リネに本来渡すはずだった「忘れられていた記憶」がバンに一部流れてしまい、後の展開に支障をきたしていた。
獣脚類型は基本的に高速での飛行が可能であるが、ジェット推進によるタイプと翼での飛行に分かれる。
以下、能力の一部のリストである。
アニメ版
- ゾイドに合体して、大幅に強化したり、ゾイドを操縦したり搭載武器を使うこともできる
- 本来では戦えない状態のゾイドに無理やり戦う力を与える
- 仮死状態のゾイドを復活させる
- 明確に死亡(石化)した個体も復活できる
- ゾイドの破損したり欠落したパーツを瞬時に復元できる
- ゾイドのゾイドコアと融合できる
- ゾイドを短期間で大幅に進化させる
- その際は「エヴォリューション・コクーン」と呼ばれる特殊なフィールドを展開する場合もある
- ゾイドや人間の精神を支配できる
- ゾイドを一瞬で超大型化できる(例:ダブルソーダ)
- ゾイドの外見と能力を一瞬で変更できる(例:ステルスバイパーやガンスナイパー)
- その際、それまでなかった新たな武装(例:トゲ型のミサイル)も付与できる
- パートナーの人間の記憶を数百年から数千年間に渡って保持できる
漫画版
- 合体した際には、ゾイドの頭部に特殊な模様が出現する
- 「キー」と呼ばれる、オーガノイドの能力を一部再現できる特殊な道具を生成する
- 「真の力」を発揮した際には新たに翼を生やす事ができる(例:ジーク)
- 「人間型の魂」を持つ(例:ジーク⇒幼女)
- これはオーガノイドに限らず「ホウライ」など他のゾイドにも言える
個体のリスト
ジーク、シャドー、アンビエントはウインドコロニーの付近にいたことと、諸々の判断材料から、フライハイト一家とレイヴンの家族とレオン神父は、オーガノイドのためにウインドコロニーに移住した可能性がある。
オーガノイドが関与して生まれたゾイド
バトルストーリー
こちらでは「オーガノイドシステム」が主にクローズアップされるため、アニメの世界観に準拠する「オーガノイド」は登場しないが、「インターフェイス」と呼ばれるオーガノイドシステムをコントロールするための超小型ゾイドが該当する。
オーガノイドシステム
バトルストーリー
随時追記します。
界隈では「OS」と略した表記も多く見られる。
『リバースセンチュリー』では、古代ゾイド人の技術とキングゴジュラスをコントロールするシステムから「DLS」という機構が開発されており、後のオーガノイドシステムの礎になったとされている。
アニメ
『ゾイド新世紀/ゼロ』では、ライガーゼロとバーサークフューラーが「アルティメットX」と呼ばれているが、これは「オーガノイドシステム」という「特殊な学習装置」を積んでいるからとされており、バトルストーリーとも異なる。
- スティーブ・トロスが「オーガノイド」と略していた場面もあった。
本作は、バーサークフューラーやジェノザウラーが古代の遺跡から発掘されており、起源を考えるならば、前作の終了後にオーガノイドに由来する「システム」として「オーガノイドシステム」が開発され、何らかの理由で後世に伝わらず、数百年から数千年を経て再び人類によって発見されたと思わしい。
- つまり、ビット・クラウドのライガーゼロは数百年から数千年生きてきた可能性がある。
オーガノイドシステムを搭載する機種の例(一部)
オーガノイドシステムを使って培養された機種の例(一部)
オーガノイドシステムによって生まれた特殊個体の例
- コマンドウルフ⇒ウォルターウルフ、サーベラス・エボルブ
- シャドーフォックス⇒ファイアーフォックス
- ゴジュラス⇒ゴジュラス・ジ・オーガ
その他
- 『機獣新世紀ZOIDS』では、ギュンター・プロイツェンは「超古代に誕生した人型ゾイド」とされており、自ら「シャドーキー」を生み出すなどの人間の範疇を超えた能力を持っている。このため、彼もオーガノイドと何らかの関係があると思われる。
- 『ゾイド-ZOIDS-』でも、「ダークカイザー」に変貌した際は、明らかに人外になり果てていた。
- カール・リヒテン・シュバルツは、オーガノイドを参考に特殊AI「ビーク」を完成させている。
- 後の時代のジャッジマンやベンジャミンやセバスチャンなどの技術も、ビークなどの技術が影響した可能性は否定できない。
余談
関連イラスト
外部リンク
関連タグ
フェニス・エヴォルト・ライジングライガー・ゼノレックス・ディアブロタイガー:類似した能力や機構を持つゾイドやシステムなどの事例。
ゴジラ:同じく肉食恐竜型の生命体で、ゴジュラスやキングゴジュラスやデスザウラーのモチーフでもある。ゴジラ・アースは殊更キングゴジュラスやデスザウラーとの類似性が強い。ミレゴジは「オルガナイザーG1」という、若干だがネーミングと性質がオーガノイドシステムに類似した部分がある細胞を持つ。