「我はずっと待ち望んでいたのだ、貴様らのような強者(つわもの)と戦うのを!」 (第25話)
CV:酒井敬幸
概要
カバトンとバッタモンダーに続くアンダーグ帝国の3番目の刺客にして、帝国に仕える最強の武人。バッタモンダーの後任として第25話から登場した(OPの映像も第25話からバッタモンダーから彼に替わる)。一人称は『我』。
猪とミノタウロスを合わせたように、筋骨隆々の武闘家のごとき風貌。その筋肉を誇示するかのごとく、常に着ている着物の片肌だけ脱いで着崩しており、さながら力士か、古風な侠客のよう。顔のメイクも歌舞伎の隈取を思わせる。
人物像
これまでの刺客とは異なり、卑怯な手段を用いないどころか、無関係な一般人を戦いに巻き込む事も不必要な破壊活動もしようとはせず、自らプリキュアを呼び出して正々堂々と勝負を挑む武人肌な性格。そのため、プリンセス・エルを捕まえてくるよう命令は受けているものの、それはあくまでもプリキュアを真っ向から打ち倒してからで、まだ赤ん坊であるエルを傷つけるような行いはしないと決めており、そのためなら自らが召喚したランボーグを止めに入るほどである。自ら殴り込みをかける時も周囲の一般人へ「巻き込まれたくなければ逃げろ」と事前通告する徹底ぶり。
それもあってか、帝国の刺客2人を退けたプリキュア達のことを「自らの相手に相応しい強者」と認め、彼女らとの真剣勝負を何よりも楽しみにしており、とある森の奥深くで1人トレーニングに励んでいた。常に己を限界まで鍛え上げ、それだけ戦いに全てを捧げているだけあって、「アンダーグ帝国一の武人」の自称は伊達ではない。
その姿勢は、相手が女帝カイゼリン・アンダーグであっても、プリンセス・エルの捕獲の遅れを責められても、頑として曲げないという見事なものである。
だが、愚直なまでに『自ら強者と認めた存在との戦い』を求める思考は、対戦相手を含めた他人の都合を一切考えず自己中心的で視野が狭い、典型的なバトル脳の持ち主と評せる。
第26話でももぞら空港にプリキュアがいると知って、「我との戦いから逃げて高飛びするつもり」と斜め上の結論に至り、(手段が破壊行為ではないとはいえ)「プリキュアを逃さない」名目で飛行機が飛べないようにして多くの乗客に迷惑を被らせるあたりは、やはり悪役らしい。
また「より強くなること」を人生の目標とし、「そのために鍛錬を怠らぬこと」を重要視するストイックさのあまり、他者にも同じ価値観を求め、遊びや怠惰を極端に嫌う。夏休みにプリキュア達がのんきに遊んでいる光景などは、酷暑だろうが過酷な特訓に勤しむ彼からしてみたら、舐めプにも等しい侮辱行為に映る模様。
一方で、真夏にもかかわらず暑さを承知でソフト帽とトレンチコートを着て変装したり、迷子を知らせる館内放送を利用してプリキュアを呼び出させたりと、妙に抜けたところがある。
ただ、この「戦い」に関して拘りが過ぎる性分を、自分でも「欠点」だとある程度自覚しているらしく、「愚かな武人」と自己評価している。
尚、カバトンに似ている(名前の語呂が似ている点や、豚鼻があるなどの獣要素が強い亜人の姿をしていたりする等が要因だと思われる)が、ましろに「カバトンのお兄さん?」と指摘されるや否や、即座に「あんな下品で下劣な愚か者と一緒にするでない!」「意地汚いわオナラで戦うわ……武人の風上にも置けんわ!」と怒りを露にした様子から、カバトンを嫌っている模様(実際、命乞いをして約束を反故したカバトンに対して彼は信念を曲げていないので当然とも言える)。
プリキュア達も「(あげは曰く)カバトンは禁句みたい」とそれ以上の追及はしなかったため、同族なのか血縁関係があるのか赤の他人なのかは不明。
能力
ランボーグ召喚時の呪文は前任者2名と違い「来たれ! アンダーグ・エナジー!」(動作も指パッチンではなく拳を握り締める)、転移能力等行使時の呪文は「ミノトントン」。
その体格通りの怪力の持ち主で、プリキュアと戦う前は巨大な大木を抱えて1万回も振り下ろすトレーニングをしており(しかもそれすら本人からすれば『準備運動』)、自身が召喚したランボーグをいとも簡単に受け止めて投げ飛ばしている。後述の通り、ランボーグの強さは召喚した者の強さに直結している性質から、前任だったカバトンやバッタモンダーよりも実力は上であると思われる。
- しかしプリキュア側の新たなパワーアップ要素が無くても今の所は撃退できているし、カバトンの電車型ランボーグやUFO型ランボーグ、スカイランドを襲った時のバッタモンダーの超大型ランボーグの時ほどの苦戦は無い事からして、彼が本当にアンダーグ帝国最強の幹部キャラかと疑問を呈する向きもある。この点に関しては、上記のランボーグがカバトンとバッタモンダーの秘策によって生み出されたものであり、一方、ミノトンは現状では単純な力押し戦法しかおこなっていないので、単純な比較は難しい。
- また、第19話以降はプリキュア達がミックスパレットのバフ・デバフ機能を活用出来ているという利点が大きい。ミノトンが召喚するランボーグに苦戦するも、ミックスパレットで守備力や攻撃力を強化して逆転というパターンが出来つつある。
- プリキュア達に鍛錬を怠っていると発言していたが、実際に本作のプリキュアはランボーグ相手に、同じ技ばかり多用せず分断されても合体技を使用する為の復帰を期待せずに単独技を使用し工夫して対処もしている為、この時点でミノトンが思った以上に戦闘経験を積んでいたりもする。
動向
- 第25話
上記の通りトレーニングに明け暮れていた(しかも巨大な丸太での素振りをなんと1万回も)が、プリキュア達が迫った事態を悟り遂に行動を起こす。
動物園のシンボルである『ソラシノサウルス』の前で待ち伏せていた折、気配に恐れ怯える動物達を介して自らの存在を知ったプリキュア達と邂逅する。
その際にこちらも既出の通り、ましろから「カバトンとの関連性」を指摘されるが不快感を露にしつつ一喝後、ミノトンはソラシノサウルスをランボーグにしてプリキュアと開戦。
ソラシノサウルスのモチーフ由来の高い身体能力に加え、ミノトン曰く「ランボーグは召喚した者の強さがそのままランボーグ自身の強さに直結する(要約)」性質により、瞬く間にプリキュア達を防戦一方に陥らせた。
しかし、戦いの余波で動物達の飼育フロアに不備が生じ、それにより1羽のウサギが迷い込んでしまい、それに気づいたエルがウサギを保護しようと行動、プリキュア達もエルの動きを察し守らんと一斉に動いた。
「エルを守る」ために隙を晒したプリキュア達に迫るランボーグだったが、直後にミノトンが両者の間に割って入ると、そのままランボーグの突進を受け止めたばかりか、思いっきり投げ飛ばした。
「強者に立ち向かうその心、赤子ながら……天晴れぇぇぇッ!!」
予期せぬ事態に驚くプリキュア。「エルちゃんが狙いな筈のあなたが、なぜランボーグからエルちゃんを守ったんですか!?」と疑問をぶつけるキュアスカイに、ミノトンは「赤子に牙を向けるなど、武人のする事ではないっ!!」「確かにプリンセス・エルを拐えと命じられてはいるが、それは貴様らプリキュアを倒した後でよい」と答え、エルの心根に敬意を表しウサギと共に避難するまで戦闘を中断、そのあと改めて再開した末にランボーグは敗北。
しかし、ミノトンは「うむ! それでこそ、我と戦うに相応しい」と満足しつつ撤退した。
- 第26話
プリキュア達を追ってももぞら空港へ。ソフト帽とトレンチコートで頭の角も肩のデカいトゲも上手く隠せた模様。どうやって?……かはこの際考えるまい。
「迷子のお呼び出しを致します。プリキュア様、プリキュア様。ミノトン様がお捜しです」
館内放送を利用してプリキュア達を呼びつけ、空港ビル屋上・展望デッキで待ち構える……のだが、真夏の炎天下で厚着という自殺行為にも等しい珍奇な格好故に、通りがかった人に「あの人よく平気だなぁ……」と心配されてしまう。
「暑くない……と言えば嘘になる。誇り高き武人と言えども暑いものは暑い!」
「だが、我には! これがある!」と懐から仰々しく取り出したハンディファン(手持ちタイプの小型扇風機)で涼を取りつつ「この風、使えるな……」と何かを思い立つ。
尚、現実では7月末にしては記録的な猛暑であり「ハンディファンは暑い所では熱い空気をかき回すだけで役に立たない」と視聴者からツッコミが……。ミノトンさん、熱中症対策には薄着して水分と塩分を摂るべきですよ!
駆けつけたソラ達を前に、ハンディファンを依り代としてランボーグを召喚。「貴様等がここに来た目的は、我を恐れて飛行機で高飛びする為だろうがそうは行かん!!」ランボーグが巻き起こした暴風で上空に乱気流が発生、空港は旅客機全便運航停止のパニック状態となった中、ミノトンは「これで我からは逃げられんぞ!!」と高笑い……何やら壮絶に勘違いなされているご様子。
実際、アンダーグ帝国の目的は現状『プリンセス・エルの身柄を確保』だけなので、ソラシド市の平穏のためにはエルちゃんを連れて高飛びする手もありと言えばありなので、ミノトンの考え自体は強ち間違ってはいないが。
「いざ尋常に、勝負!」強風とそれに混ざって飛ばされる三日月状の弾(鎌鼬?)でプリキュアを寄せつけないランボーグ。しかし4人の連携に段々と押し返される。「敵ながら天晴れ。ならば、更なる力で打ち伏せるのみ!」指示されたランボーグが胸部スイッチを押すと、なんと出力がアップ! またも戦いは振り出しに。持ち味の高空戦闘を封じられたキュアウィングは、なんとか空気の流れが掴めないかと思案する中、翔子ちゃんが空に飛ばしたシャボン玉を思い出す。
プリズムショットによって見えた「風の道」に乗り、更にバタフライのサポートを得たウィングのひろがるウィングアタックでランボーグは撃破され、ミノトンは「ここは潔く退くとするか……次はこうはいかんぞ!!」と撤退。
- 第27話
後半クール1話めにしてまさかの本人出番ナシ。
ミラーパッドの隠し機能「わくわくレッスンモード」の進行役妖精であるピンクットンが話す言葉の語尾二文字を聞いて「もしかして帝国の罠!?」と疑念を抱いたツバサのバックにイメージとして現れたのみ。
これまでのアンダーグ帝国と戦わないエピソードとしては初となるメインの敵が健在状態で行われた訳だが、これについてはミノトンがプリキュアをおびき出す目的で破壊活動を行わないタイプの敵だった事で実現したのかもしれない。
- 第28話
どこかの建物屋上、片腕立て伏せに励むミノトン。溶けるような暑さにうだりつつ、スポーツウォーター2リットルペットをがぶ飲み。「水分補給!ウム、身体中に染み渡るぞ……」
登場時期が真夏なのですっかり熱中症対策推進キャラクターになりつつあるような…。
流石にこれ↓はやりすぎだとしても。
いきなり上がった歓声に何ごとかと地上を見れば「……あれは!」眼下の特設ステージには、あげはに抱かれたプリンセス・エルの姿があった。エルの姿ある所、プリキュア達も近辺にいる筈と睨んだミノトンは早速ステージに降り立ちくだらん遊びは終わりだ!!」と舞台照明を素体にランボーグを召喚、一般人に「巻き込まれたくなければさっさと逃げろ!」と避難勧告する。
「みんな楽しんでアゲアゲだったのに……台無しじゃん!」と怒るバタフライに対して「楽しい?……楽しさなど無用だ!」と火に油を注いでしまい、投げ飛ばされたランボーグの巻き添えを食らって戦いの舞台は山中へ。宙返りをし、地面についてランボーグを片手で受け止める。「この程度では、鍛え上げた我を倒す事はできんぞ!!」
ランボーグが発する高出力ビーム乱射に近づくこともできないプリキュアを「軟弱者共が……日々の鍛練を怠り、チャラチャラした恰好で笑っているからだ!!」と嘲るが、姉達の努力を知るキュアバタフライから反論される。
「みんなで笑う? サイコーじゃん!」
「!?」
「いつも笑えるワケじゃない!苦しい時、辛い時、泣きたい時だってある!でも……そんな時こそ笑顔で!みんなを笑顔にする為に!頑張って……頑張って!笑顔が返って来たら、サイコーなんだって教えてくれた!だから私は……そんなふうになりたいんだ!」
ミックスパレットによる複数名守備力アップという、これまで見たこともなかった戦い方とその効果に驚きを隠せないミノトンだったが、ランボーグが浄化されても「なかなかやるな……そうでなくては!我も更に鍛練に励むとしよう……」と、やはり満足げに撤退。
- 第29話
虹ヶ丘邸から姿を消してしまった不思議なぬいぐるみの「猫さん」を探しに街はずれの洋館へとやって来たソラ達の前に「手合わせ願おうか!」と立ち塞がる。今は猫さん探しが先決だと言うソラだが「そんな事より勝負の方が大事であろう!」と聞く耳持たず、洋館まるごとをランボーグに変貌させてしまう。
変身完了したプリキュア達が正面玄関から吸い込まれた先は、果ての見えない異空間だった。「果たして無事に出られるかな!?」と煽ってもまるでそっちのけなスカイ達に「猫の心配をしている場合か!!」と憤慨、スカイのみをまたも吸い込ませてチームの分断を図る。
この時、エルも巻き込まれていたのでそのまま誘拐すれば目的達成のはずであるが、プリキュアが脱出した際に悔しがるどころか寧ろ「流石はプリキュア!この程度で屈するような者ではないか!」と喜んでいた為、あくまで彼の中ではプリキュアと戦う事の方が優先事項である事が窺い知れる。
- 第30話
「身を焦がすような太陽!足を捉える灼熱の砂!修行にはおあつらえ向きィ!!」
「炎天下で追い込まれし我が上腕二頭筋が、悲鳴を上げておる!!」
浜辺を赤フン一丁で走り込み、石でウェイトトレーニング、更に親指一本倒立と、今日もミノトンは自己鍛練に余念がない。「筋肉が悲鳴を上げれば上げるほど、我は強くなる!!」
とは言え追い込んだ後は十分に休ませねば、筋肉が再生しませんぞ、ミノトン氏。
仕上がりにご満悦なミノトンの耳に、突如飛び込んできた黄色い声。「あの声は!?」と覗いてみれば砂遊びに興じるソラ達の姿が。「ここで会ったが百年目ェェ!!」
「我が修行の成果、見せてくれようぞ!!」と、浮き輪を素体にランボーグを召喚。素体が素体なだけあって、水上での機動性が高い上に、いくら殴っても沈まない。「海上においては、ランボーグに手もバタ足も出まい!」余裕のくつろぎポーズで海上をたゆたうランボーグだったが、唯一の泣き所を見破ったスカイに空気を抜かれてしまう……が、両足で彼女を挟み込んで諸共に海中へ。「策士、策に溺れるとは正にこの事。愚かなりプリキュア!」
プリズム達三人を捕らえたランボーグに勝ちを確信するミノトンであったが、そこにカナヅチを克服したスカイが駆けつけ戦局は覆る。投げられ殴り飛ばされたところに駄目押しのアップドラフト・シャイニングでランボーグは浄化され、ミノトンは「まだ修行が足りなかったか……何処かで我が筋肉を鍛え直すとしよう……」と撤退。
まさかの離脱、そして…
- 第31話
プリキュアに勝つため、市内のスポーツジムに連日通い詰めて体を鍛えていた所(ジムにいた人達にも存在を知られており「ミノさん」と呼ばれていた)、何時までたってもエルを自身の元へと連れてこないことに業を煮やした、自身が仕える君主カイゼリン・アンダーグから状況を知らせよと督促が来る。
しかし、命令を無視するとはどういう事かと詰められても「目の前の強敵を見逃すわけには参りません」と口答えし、更には「私の言う事が聞けないのか!?」と言われてもなお「我は陛下の忠実な駒、ですが同時に強さを追い求めずにはいられぬ愚かな武人ゆえ」と、あくまでも武人としてプリキュアに勝つ事に拘っていることを馬鹿正直に告げた為、とうとう堪忍袋の緒が切れたカイゼリンが落とした雷に撃たれ、帝国へと強制送還(?)されてしまう。尚、彼の受け持っていた使命は、カイゼリンが最も信頼を置く側近のスキアヘッドへと引き継がれた。
- 第32話
「ハカイ……ハカイ……モットハカイシテヤル……!!」
いかなる経緯か、31話の粛清によってアンダーグ・エナジーを注入され、正気を失った巨大な怪物となって街を破壊し暴れ狂う。
さしものソラも、彼の誇りを踏み躙るような仕打ちに「シャララ隊長に使ったのと同じ手を……許せません!」と激怒!
エナジーの奔流から4人一丸となってエルを守りきったプリキュア達の姿に「ココマデヤルトハ……敵ナガラ誉メテ……」と、一度は正気を取り戻しかけるが、すぐさま意識が塗り潰されてしまう。
満身創痍のプリキュアにトドメの攻撃を繰り出そうとしたその時、割って入ったエルが「みんなを守りたい」という想いでキュアマジェスティに変身。マジェスティの前に圧倒されたところを、プリキュア・アップドラフト・シャイニングで「澄み切ったぁ~」と今まで見せた事のない笑みを浮かべながら浄化されたのも束の間、スキアヘッドの転移ゲートで回収されてしまった。
最後の戦い
- 第33話
スカイランドの遺跡にて、「究極の力」たる新たなアイテムを探しに来たソラ達。そこにまたしてもアンダーグ・エナジーで巨大な姿と化したミノトンが後を追い遺跡へと強引に侵入、ソラ達に襲い掛かる。「アンダーグ・エナジーなんかに負けてはいけません!あなたは武人でしょう!?」とソラに呼びかけられて一瞬正気を取り戻しかけるが、4人はプリキュアに変身、そこにエルも加わり5人と対決する事に。
「決着ヲ着ケテヤル!」と告げるミノトンに対し、「いいでしょう!でもそれは、あなたからアンダーグ・エナジーを追い出した後の話です!」とスカイは宣言。マジェスティを中心とした連携に圧倒されてしまうも、大量のドリンク剤でアンダーグ・エナジーをドーピング、前回にもまして凶悪な姿と強大な力を得てプリキュア5人を圧倒し始める。
絶体絶命の危機に究極の力『マジェスティクルニクルン』を解放しようとするマジェスティ。しかし、プリズムの「エルちゃんを危険な目に遭わせたくない」「戦いに巻き込みたくない」という気持ちが余りにも強過ぎるが故に解放できない。そこでマジェスティに「私だって心配だよ、守りたいよ、それって戦う理由にならないかな?」と叱責されてプリズムが気持ちを改めてようやくクルニクルンが解放、「プリキュア・マジェスティックハレーション」によって浄化された。今回で完全に見放されてしまったのか回収される事もなく、自らの敗北を潔く認め、スカイと固く握手を交わして和解し改心した。
「我の負けだ……我に武人の心を取り戻してくれたこの恩、いつか返す。
また会おう、好敵手たち!」
そのまま別れたが、帝国に関する事は何も話さないまま去ったため、ウィングからは「一方的なヤツだなあ」と呆れられていた。スカイも呆れていたのは同じだが「きっと武人には武人のやり方というものがあるのでしょう」とある程度理解を示していた。
余談
演者について
演じる酒井氏は映画フレッシュプリキュア!おもちゃの国は秘密がいっぱい!?の大鏡を演じており、それ以来のプリキュアシリーズ出演でTV本編は初出演となる。
ニチアサ枠では『王様戦隊キングオージャー』のジゴクジームを演じていたのが記憶に新しい。
同時にこれまで囁かれていた『幹部を演じた声優が、過去作のプリキュアの親族を演じていた法則性』が崩れる格好となった。
武人肌な敵幹部として
これまでプリキュアシリーズに登場した武人肌な敵幹部は、『強者』に対しては敬意を評する一方で『弱者』と判断した相手をどこか下に見たり、口先は立派だが自身の戦闘衝動を満たせれば他を省みないなどの傾向が多かったが、ミノトンはたとえ赤子であり自分達の組織が狙う相手であっても、その心意気を認め敬意を評しており、味方に攻撃してまで戦いを中断するなど、これまでの武人肌幹部とはまた違った潔い一面が強い幹部である。
これまでの幹部2人があまりに非道だった故に、初登場時から一部視聴者からの評価は高く、「所属する組織を間違えたのでは?」との意見もある。
とは言え、逆説的に言えば心意気を感じない相手には冷酷である。武人の心意気を感じさせる言動をプリキュア達に対して勝手に期待し、それを感じられなければ勝手に失望して非情な態度を取る。
しかも思い込みの激しさから(本人に悪気はないとは思うが)周囲に迷惑になる行為を行ってしまっている為、別の意味で面倒な性格の武人肌幹部とも評せよう。
見方を変えれば、プライドを拗らせて「エルの誘拐」よりも「プリキュアを倒して屈辱を晴らす」のを優先して行動していたバッタモンダーや、エルを捕まえてくるよう命令は受けているものの武人気質であるため「『最強』とうたわれる自分の相手に相応しい」とプリキュアとの戦いを楽しみにしていた結果粛清されてしまったミノトンより、先鋒であるはずのカバトンが「『運命の子』プリンセス・エルを手に入れる」組織の目的に一番忠実に働いていた感はある(もっとも、カバトンも 『命令達成後の報酬』が目当てだったため、結局は全員が自分の本願達成に注力しているのに変わりないが)。
その性格から、「敵同士でなければソラと気が合ったのでは?」という意見もあったが、実際ソラは敵同士であってもミノトンの武人としての誇りを尊重している様が随所に見られ、最終的には和解する事ができた。
名前について
恐らく『ミノタウロス+豚(トン)』と思われる。
尚、ミノタウロスの名称自体は『ミノス王の牡牛』を意味するため、現義に則るならば『ミノス王の豚』になる。
- ギリシャ神話のミノタウロスはクレタ島の王・ミノスが海神ポセイドンを怒らせてしまったがために生まれた「呪いの子」であり、迷宮に閉じ込められた魔物である。ミノトンとプリキュア達の決戦の地がスカイランドの遺跡だったのはこの神話がモチーフだろうか?
英字表記するとMinotonとなるが、これは『シンドバッド虎の目大冒険(1977年/アメリカ)』に登場する牛頭人身の巨像・ミナトンと、奇しくも綴りが同一である。
「ミノ」には牛の第一の胃袋にあたる部位という意味もあるが……(語源は切り開いた時の形が藁で作られた蓑笠に似ているため)。
関連イラスト
関連タグ
ひろがるスカイ!プリキュア アンダーグ帝国 プリキュアの敵一覧
プリキュア関連
- キントレスキー、クモジャキー、ガメッツ:彼と似たような武人タイプのプリキュアの敵幹部繋がり。ただし彼らは「弱者」を徹底的に蔑視する。ちなみにミノトン初登場である25話の冒頭では、キントレスキーと戦ったキュアブルームがメッセージを送った。
- バテテモーダ:彼と同じように戦闘狂が共通するプリキュアの敵幹部繋がり。
- サーロイン:17年前のプリキュアと戦った、牛の要素を持つ敵幹部。
- ジェントルー:彼と同じく無益な破壊活動を行わない敵幹部繋がり。
その他