「わしはコイノボリグルマー。そのケース、置いてって貰うでぇ~!」
「屋根より高く、ノボリダマ!」
登場話数:バクアゲ10「ウキウキなミッション」
データ
身長/196cm(ギャーソリン大暴走体/46.4m)
体重/260kg(ギャーソリン大暴走体/616.7t)
エンジン/小さな鯉のぼり
スピード/ケース強奪周回遅れ
カスタム/コイノボロッド、ノボリダマ、コイダンス、コイ爆弾
ナンバー/0505
ファーストラウンド(コース/かしわ餅屋~市街地)
セカンドラウンド(コース/ハイウェイ空間)
ファイナルラウンド(コース/ビル街)
概要
ハシリヤンが、柏餅屋の小さなこいのぼり(鯉飾り)に込められた燃えるこどもの日魂をイグニッションし、地球に納車された苦魔獣。
立てられた竿に吊るされ、風にたなびいて泳ぐ鯉のぼり三匹そのままの頭部で、鯉の両目六つと頂点部の吹き流しから鬣みたく吹き出す炎が苦魔獣共通の顔面意匠を表現している。一方で顔正面には鯉と吹き流しの口から成る砲口が縦一列に配置され、上背が高く無機質なシルエットとビジュアルになっている。
また両肩が鯉のぼり(こちらも炎の意匠ありの目元と鯉口の砲口を持つ)になった吹き流しの陣羽織を着込んでいて、全体的には鯉のぼりを前立てに用いた飾り兜、あるいは違法改造車の多連マフラーを苦魔獣の素体に被せたみたいにも見える外見となった。更に武器として、鯉のぼり竿を模した風車型棘鉄輪の付いた長杖『コイノボロッド』を携行している。
ナンバープレート状のバックルは胸中央に付いており、ナンバーは「0505」。
顔真正面の砲口より放つ『ノボリダマ』で対象を屋根より高く強制的に浮かばせる事ができ、複数の砲口から放つ連射モードも使用可能。変身アイテムに当たれば操作を封じ、人物なら無防備に滞空させる等使い道が無い訳ではないが、コイノボリグルマーがその場をちょっと離れる程度で効果が切れてしまうぐらいに持続性が弱い。
一方戦闘では、コイノボロッドを用いての『ワンパク棒術』を駆使する他、両肩の鯉口砲口から鯉を模した光弾を放って広範囲を爆撃する『コイ爆弾』、コイノボロッドを軸にポールダンスみたいな動きで敵の攻撃をいなしかわす『コイダンス』といった技も使う。
ギャーソリンの捻出・回収を目的としたこれまでの苦魔獣と違い、玄蕃が運んでいた“一つだけでも東京中の電力を賄えるエネルギー体”を奪う目的を主体に生み出された。
一応、周りの制止には応じる理性と言われた命令に従う意志はあるが、他者への害意等が強い苦魔獣生来の気質も健在で、予めサンシーターに教えられたにも拘らず『下手に衝撃を加えると爆発する』性質のエネルギーを持っている相手へ躊躇無く攻撃を仕掛けようとする短慮さを見せた。
また、一人称は「わし」で、性格は適当気味かつノリのいい関西人のおっちゃん風(※鯉のぼりが風に“ノッて”泳ぐ事に掛けたのだろうか)で、驚く際は「ギョギョ」と言う。
本編での動向
前話で壮絶な戦死を遂げた、マッドレックスの最後を悼んで哀しみに暮れるサンシーターだったが、やがて発奮したヤルカーを先頭に改めてギャーソリン収集を勤しむ事を決める。
気を引き締め直して行動を開始した所で、エネルギー体の入っていると思わしきI.S.Aのトランクを提げた玄蕃を発見したサンシーターはコッソリと後を追い、彼が未来と出くわしてトランクの中身について説明しているのを盗み聞き。それを手に入れればブンブンジャーに対抗出来る力を得られるかもと考え付き、2人が立ち去った後の柏餅屋に飾られていた鯉飾りにイターシャがハシリヤンイグニッションキーを投げ付けて装填した事で「鯉のぼり~! でおま!」と叫びつつ誕生した。
だが納車直後、「まいど~! 行ってきまっす~!」と意気揚々と言いつつデコトラーデの指し示した方向とは正反対に突っ走り、慌てたサンシーターに止められる、やや締まらない絵面となった(※この時店長を除く人の逃げた柏餅屋のカウンターから、イターシャが「一つく~ださい♪」とネジを引き換えに柏餅(こしあん)を持って行った)。
しばらくして、玄蕃と未来の前にネジレッタが組んだ騎馬を走らせながら登場。立ち向かおうとした未来のブンブンチェンジャーにノボリダマを当てて強制的に浮かばせ、変身操作を封じて無力化する。
続けて騎馬を解かせた(自分は着地に失敗)ネジレッタを嗾けるも、玄蕃はカンフーアクションばりの華麗な動きでトランクを守りつつネジレッタを迎撃。それならとノボリダマを連射するも、玄蕃はネジレッタを次々に盾へした為ネジレッタ達が宙に浮かんで行動不能となり、なし崩しに一対一の状況に。
これへ対し「ギョギョ~っ!? こうなったら、このわし自ら!」と言いながら単騎で突っ込み、トランクの中身が強い衝撃で爆発する危険もそっちのけで大立ち回りを繰り広げ始め、玄蕃との交戦をサンシーターの横槍で止められた上で路地裏に引っ張り込まれ、叱責と注意を受ける羽目に。
イターシャ「説明したでしょ!? あのケースが地面に落ちたら、大爆発しちゃうって!?」
「す、すんまへ~ん!…せやけど~、鯉のぼりなもんで~! 頭ン中、空っぽでして~…」
デコトラーデ「…オイ!いいから! 分かったら、もういっぺん行ってこい!」
「おおーっとっとっとっと………今度こそ、そのケースを……おえぇ!?どこ行ったぁぁ〜〜!!!?」
そして怒られた後に元の場所へ戻って来るも、案の定グダグダの裏で玄蕃と未来はその場を立ち去っており、ノボリダマの効果が切れて地面でもがくネジレッタがいるだけだった。
またしばらく後、市街地で2人を再捕捉したコイノボリグルマーは玄蕃/ブンオレンジと未来/ブンピンクとの交戦に突入。しかしピンクにトランクを預けたオレンジは、ブンブンハンドルとブンブンチェンジアックスの二刀流でネジレッタを7秒程で瞬殺。
オレンジ「そろそろ時間かな……これが欲しいんだろう?」
「えっ!?良いの!?」
オレンジ「……あげるよ」(※突然トランクを放り投げる)
「ギョギョ~っ!? 投げたらアカンでしょ~っ!!?」
更にオレンジが大事に持っていた筈のトランクを遠くに放り捨て、サンシーターと共に全力でトランクをキャッチしようとするが間に合わず失敗。…だがトランクは爆発せず、代わりに中から大量の柏餅が出てきた。
「なんじゃこりゃぁ〜〜!?」
オレンジ「こしあんの柏餅だねぇ。粒あんもあるよ」
実はハシリヤンに狙われるのを予測していたI.S.Aは囮役を届け屋ことブンブンジャーに依頼しており、その実行役を玄蕃が引き受け未来も乗せながらハシリヤンを陽動していたのであった。そして打ち合わせ通り、本命のI.S.A職員がエネルギー体を研究施設に届けた連絡を受けた玄蕃=オレンジはネタばらしも兼ねてトランクをサンシーター等に明け渡す形で依頼を完遂したのだった。
こうしてまんまと乗せられたサンシーターが、色々悔しさ混じりの捨て台詞を残しながら逃げ出す中(※ちゃっかりイターシャはトランクから柏餅(つぶあん)を一つくすねている)、半ば強引に「マッドレックスの仇撃ち」と後詰め役にされたコイノボリグルマーは残りのメンバーも合流したブンブンジャーと激突。
「うぅ~い! ようもようも、騙してくれたな~!」と怒りながら突っ込み、囲まれてもコイダンスで攻撃をかわすがブンブラックに死角から蹴飛ばされて破られ、コイ爆弾の弾幕も難無く叩き落とされる。接近してきたオレンジにワンパク棒術を仕掛けるもかわされ懐から反撃を貰った上、オレンジとの連携でピンクが繰り出した『スカイラブンブンハリケーン』が直撃しダウン。
そして起き上がりを、バクアゲハンドリングドライブ(ガン&ロッド・アックスVer.)で蜂の巣にされて敗北した。
玄蕃等を探している間にある程度のギャーソリンも集めていたのか、ヤルカーを介しギャーソリン大暴走体と化しビル街に「鯉のぼり~!!」と言いながら再出現。繰り出されたブンブンジャーロボをワンパク棒術で迎え撃って出鼻は挫くも、別行動で掃除の依頼をこなしたブラック=錠の操作で換装されたブンブンスパイクとブンブンソードの連撃で反撃される。
更に相手はブンブンジャーロボビルダー・ワゴンカスタムに換装。振り下ろしたコイノボロッドをバクアゲハンドで掴まれ、何とか振りほどこうともがいている所をバクアゲハンマー・ブンブンクラッシュでかっ飛ばされてしまい、「屋根より高く、昇りまっす~っ!!」と言いながら遠く高い空で爆散した。
余談
- 過去にこどもの日に関連した戦隊怪人は複数いるが、こどもの日を象徴するこいのぼりをモチーフとした怪人はこのコイノボリグルマーが初。
- ナンバーが「0505」、放送日も5月5日と、徹底的にこどもの日に関連付いた、ある意味お約束な時事ネタ怪人でもある。
- CV及びSAを演じた村岡氏は『機界戦隊ゼンカイジャー』のダイコンワルド(こちらもCV/SA兼演)以来3年ぶりにゲスト怪人役での出演。なおバクアゲ1にて青里ファミリーのパパとして顔出しで先行出演していた。
- またコイノボリグルマーは大阪弁を話しているが、演じた村岡氏は京都府出身である。
関連タグ
デーボ・タンゴセック:こちらはこどもの日その物をモチーフにした先輩怪人。そして登場回の放送日を5月5日に合わされた、時事ネタ怪人の先達である。
武者人形オルグ、カシワモチワルド:2体ともくこどもの日に因んだ物(前者は五月人形、後者は柏餅)がモチーフの先輩怪人。更に後者は昨年のVシネクストで再登場し暴れ回った。因みにイターシャはバクアゲ10の劇中でちゃっかり柏餅を手に入れており(しかも2回)、ブンブンジャー全員が柏餅を食べるシーンが同話のオチになった。
漫才忍者ツッコ・ミーナ:中の人が同じ関西弁の先輩怪人。