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連合艦隊司令長官山本五十六の編集履歴

2024-10-23 21:51:03 バージョン

連合艦隊司令長官山本五十六

れんごうかんたいしれいちょうかんやまもといそろく

連合艦隊司令長官、山本五十六の半生を描く映画作品。ほぼ同名のタイトルで2作ある。
  1. 1968年8月14日公開の映画。丸山誠治監督作品。
  2. 2011年12月23日公開の映画。成島出監督作品。

本項ではどちらも紹介する。


1968年版

後発のほぼ同名作品が公開されてからは「東宝版」または「三船版」と区別されることがある。

日本のいちばん長い日』に続く東宝8.15シリーズの第2作として公開。主演の三船敏郎以下東宝の映画スターが総出演し、山本五十六が連合艦隊司令長官に着任してから、1943年4月に戦死するまでを描く。


本作は1966年11月に『山本五十六』というタイトルで、三船敏郎主演で製作発表された。

しかしその翌年に東宝を震撼させる出来事が起こった。なんと黒澤明20世紀フォックスで『トラ・トラ・トラ!』の製作発表を行い、さらに特技監督として円谷英二にオファーを出したのである。

黒澤の書いた準備稿を呼んだ円谷は依頼を断っているが、これにより脚本が東宝の手に渡り、阿川弘之の『山本五十六』の影響が強い脚本から東宝は内容が重複することを懸念した。

須崎勝弥が書いた脚本は橋本忍の『太平洋の鷲』、淵田美津雄奥宮正武の『ミッドウェー』『機動部隊』、反町栄一の『人間山本五十六』、高木惣吉の『山本五十六と米内光政』を参考としつつもオリジナル脚本として進められ、真珠湾攻撃に関する描写は最低限にとどめる形となった。

東宝の過去作品『太平洋の鷲』の事実上リメイクのような作品であるが、元海軍軍人らの著書で史実の裏付けを固め、反町の『人間山本五十六』から山本五十六の人間性の描写も取り入れた。


終盤の海軍甲事件は円谷英二最後の空戦特撮であり、機銃座の窓越しに墜落するP-38を合成するなど新たな撮影手法も試みられ、徐々に高度を下げながら密林に消えていく一式陸攻の姿を詩的に描いている。


スタッフ

製作:田中友幸

脚本:須崎勝彌、丸山誠治

参考資料:橋本忍淵田美津雄奥宮正武反町栄一髙木惣𠮷

監督:丸山誠治

特技監督:円谷英二

音楽:佐藤勝


キャスト


余談

当初はドーリットル空襲第一次ソロモン海戦の描写もあり、前者についてはB-25が都市を爆撃する特撮シーンが撮影されたがカットされ、スチル写真のみが現存している。後者については巡洋艦「鳥海」艦長役の緒方燐作がクレジットされている形で名残がある。

一部資料では緒方は赤城艦長役で、鳥海艦長役は津田光男とされている。

脚本上では本来の目標である輸送船団を攻撃することなく引き返した三川軍一を山本が批判する描写もあった。


真珠湾攻撃やミッドウェー海戦のシーンは『ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐』や『太平洋の翼』を流用している。そのためミッドウェー海戦のシーンに紫電改P-51が映り込んでいる。


撮影に使用された九九式艦上爆撃機の模型が有川貞昌を通じて原口智生が譲り受けており現存している。



2011年版

- 聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-

正式なタイトルは『聯合艦隊司令長官 山本五十六』と「連」が旧字体になっている。

先行する1968年版に対し「東映版」、「役所版」と区別されることがある。


明確な原作がなかった1968年版に対し、半藤一利の『聯合艦隊司令長官 山本五十六』を原作とし、終戦の日に近い8月中旬公開の1968年版に対し開戦の月である12月(ただし8日ではなく下旬)に公開された。

大まかな時系列は1968年版と同一で、山本五十六が連合艦隊司令長官に着任してから戦死するまでを描いているが、日独伊三国同盟に反対するなど不戦を訴える場面が強調され、1968年版では主体的に描かれることがなかったガダルカナル島の戦いなども盛り込んでいる。

山本が水饅頭汁粉を好んでいたなどの人物像の描写や、昭和期の戦争映画ではあまり取り上げられることがなかったメディアが軍の過激派と呼応して世論を扇動したという描写は評価が高い一方、「太平洋戦争70年目の真実」という副題が大袈裟である、CGを多用した戦闘描写は1968年版のアナログ特撮や俳優による生身のアクションに劣るなど批判の声もあった。

無名時代のあばれる君が本名名義で出演していることでも知られる。



スタッフ


キャスト


主題歌・テーマソング


余談

海軍省庁舎は現存していないため、外観の似ている法務省旧本館で撮影している。

時代考証は半藤が監修しており、艦内の食器に至るまで正確さに徹している。


2011年11月16日創刊「グランドジャンプ」で創刊号から第17号(2012年7月18日発売)までコミカライズが連載された。作画は坂木原レム


関連タグ

戦争映画 山本五十六

東宝

東映

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