暗黒竜と光の剣
あんこくりゅうとひかりのつるぎ
概要
1990年に発売された『ファイアーエムブレム』シリーズの第一弾。戦略シミュレーションゲーム特有の無機質な世界観に重厚で感動的なファンタジーシナリオを取り入れ、後に続くゲームシステムの基礎を確立した意欲作。正式名称は『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』。
副題の「剣」については「けん」と「つるぎ」の双方の読みが存在し、どちらが正式か有耶無耶であるために議論の対象となっているが、この場においては後者の読みを記事表題の読み仮名として取り上げるものとする。
特徴
任天堂が1988年に発売した『ファミコンウォーズ』で構築した直感的な操作性と先読み要素を発展させつつ、『信長の野望』『三國志』などの歴史シミュレーションゲーム、『ドラゴンクエスト』などのロールプレイングゲームで当然のシステムであった「個の概念」に注目し、作品中に登場する固有人物の全員を物語と密接に絡ませることで複雑な相関図を生み出して臨場感や悲壮感を演出し、作品の世界観に奥行きを持たせる仕組みとなっている。
また、個の存在を際立たせた上で「死亡すると二度と生き返らない」とする命の重さを加味し、限られた戦力をどのように育成、運用して存命のまま次に繋げるかという斬新な戦略性を問うたことでプレイヤーの緊張感を煽り、さらにプレイヤーユニットに成長要素を持ち込んだことでロールプレイングゲームと同等の強固な感情移入を促す仕組みとなっている。
以上の創意工夫から、相手の先を読む骨太な戦略シミュレーションゲームと壮大な物語を味わうロールプレイングゲームの融合に成功し、ファミリーコンピュータの主力顧客層である低年齢層への裾野を広げた「シミュレーションロールプレイングゲーム」(SRPG)という新しいゲームジャンルを切り拓いた画期的な作品である。
ストーリー
英雄アンリが暗黒竜メディウスを倒して100年後、突如としてメディウスは復活した。悪の司祭ガーネフと手を組んだメディウスはドルーア帝国を再興、それまで平和だったアカネイア大陸を制圧する。
アンリの血を引くアリティアの王子マルスは、父母を失い、辺境の島国タリスへと逃げ延びていた。しかし、タリスにもドルーアの魔の手が迫るに至り、マルスはわずかな兵とともに反ドルーアの戦いに身を投じるのである……。
(公式HPより引用)
プレイヤーユニット
アリティア王国
アカネイア大陸の西に位置する王国。100年前にメディウスを打倒したアンリによって建国され、小国ながらアンリの血統と神剣ファルシオンを今に受け継ぐ名門。
タリス王国
アカネイア大陸の東に位置する王国。元々はタリス島に住まう諸部族が覇権を争っていたが、現タリス王によって統一された多民族国家。
オレルアン王国
アカネイア大陸の北に位置する王国。名馬の産地であることから強力な騎馬軍団を有する。
マケドニア王国
グルニア王国
アカネイア大陸の南西に位置する王国。選りすぐりの軍人が集結する黒騎士団で名を馳せる軍事国家。
アカネイア王国
アカネイア大陸の中央に位置する王国。大陸の全王家を統括する宗主国。
名前 | 兵種 | 備考 |
---|---|---|
ミディア | パラディン | アカネイア騎士団長でありディール侯爵家シャロンの娘 |
ジョルジュ | スナイパー | アカネイア騎士団員でありメニディ侯爵家ノアの息子 |
ボア | 司祭 | アカネイア王女ニーナの師匠に当たる宮廷司祭 |
リンダ | 魔道士 | 司祭長ミロアの娘でありオーラの魔道書を託された宮廷魔道士 |
アストリア | 勇者 | アカネイア騎士団員 |
トムス | アーマーナイト | アカネイア騎士団員 |
ミシェラン | アーマーナイト | アカネイア騎士団員 |
トーマス | アーチャー | アカネイア騎士団員 |
シーザ | 傭兵 | ワーレンの港町を警備する傭兵 |
ラディ | 傭兵 | ワーレンの港町を警備する傭兵 |
ベック | シューター | 戦況の悪化で落ち延びた戦車兵 |
※ゲーム中では、ミディアの父親はアカネイア王国軍最高司令官を務めたオーエン伯爵となっている。
カダイン
アカネイア大陸の北に位置する学園都市。大賢者ガトーが開いた魔道学院を中核として事実上の自治権を有する魔道国家。
メディアミックス
多岐に渡るため、詳細はリンクページを参照のこと。