説明
ファミコンウォーズとは、株式会社インテリジェントシステムズ(通称IS)が開発、任天堂株式会社が販売するウォーシミュレーションゲームである。
ウォーシミュレーションゲームとしてはこれまでも大戦略などのゲームが出ていたが、扱うべき数値が多く敷居の高いものであった。
それに対して本作は、実際の戦争を再現するという部分から離れ、ウォーシミュレーションの中から戦闘パートの部分を抜き出し、さらに各要素を物凄く簡略化・単純化し、ランダム要素も抑えて最早将棋やらチェスに近い(ぶつけたコマの相性で勝負が決まる、という点は軍隊将棋に近い)ような性質のゲームにしたものとなる。
シリーズ名称として使われる単語は「ウォーズ」であり、発売するゲーム機に合わせて名前を一部変更したり、ファミコンウォーズの名称そのものを使われたりすることもある。
(例)『ゲームボーイウォーズアドバンス』『突撃!!ファミコンウォーズ』
派生シリーズがいくつか存在し、時にはハドソンやKuju Entertainmentなどの別会社が名称を借りて制作することもあった。
概要
その歴史は1988年発売の初代『ファミコンウォーズ』から始まる。
当時のTVCMのフレーズ、
「ファミコンウォーズが出ーるぞー!」「こいつはどえらいシミュレーション!」
「のめり込める!のめり込める!」「母ちゃんたちには内緒だぞ!」
の印象は非常に強く、ゲームをプレイしたことがない当時の人達にも有名である。
なお、この歌は洋画『フルメタルジャケット』の劇中歌たるミリタリーケイデンスの替え歌であり、CM映像に出演した海兵隊員は本職の方々で、撮影も米軍の演習場で行われた。また、ハートマン軍曹や微笑みデブを思わせる役者まで登場させるという凝りようであった。撮影に当たっては、隊員たちに「ローマ字表記の歌詞カード」を渡して日本語のような発音で歌わせたが、その際セリフの意味の説明をしたところ、「母ちゃんたちには内緒だぞ」の箇所では爆笑が起きたという。余談だが、CM制作にあたって、スタッフがダメ元で米軍に許可を求めたところ、「広報の一環になる」との理由で快諾されたという。
その後別名称である『ゲームボーイウォーズ』が発売。
この頃から、ウォーズシリーズは携帯ゲームに注力されることとなり、据置型のウォーズはインテリジェントシステムズから開発されることは無くなってしまった。
一時期、『ゲームボーイウォーズ2』と64GBパックを使い、初の携帯ゲーム機と連携が可能なウォーズシリーズがNINTENDO64から発売される予定だったが、中止となってしまった。
初期の問題点
初期の頃は対戦相手であるコンピュータの思考時間が非常に長く、1時間以上待たされることがしばしばあった。
この問題はハドソン開発の『ゲームボーイウォーズTURBO』から解消され始めた。
発売の延期と中止
国内での売上は同じインテリジェントシステムズが開発するファイアーエムブレムと比べると控えめだが、根強いファンや、海外で人気もあり、DS版までシリーズが続いている。
最新作は『ファミコンウォーズDS 失われた光』(仮称:ファミコンウォーズDS2)だが、日本では延期を重ね続け、一般発売ではなくクラブニンテンドーのポイント引換(800ポイント)によるダウンロードのみとなっている。
2015年9月30日をもってクラブニンテンドーが終了した為、今後の入手方法は不明。
(半分非公式だが、開発スタッフのキャラクターデザインのブログより発売中止の説明がある)
よって、海外限定の発売となっている。
北米版は2008年1月21日、欧州版は2008年1月25日に出ている。
この手のゲームにおいてこういった延期はFE共々珍しいことではないようで、特にウォーズシリーズでは延期からの発売日未定に陥ることもしばしばある。
その延期理由は任天堂からの公式の説明、発表はない。
ファンの間では戦争やテロ等が理由として挙げられている。
例えばゲームボーイウォーズアドバンスは、当初は2部作発売の予定だったが、同時多発テロやイラク戦争と重なったために、2作を1カセットにまとめて発売することを余儀なくされた。
しかし、『ファミコンウォーズDS 失われた光』では目立った抗争が無いため、俗説の域を出ない。
『失われた光』に関しては実は海外で発売されたものにはプログラム内部に日本語が収録されているらしく、チートツールを使う事によってダウンロード版同様の日本語化が適用されるらしい。
少なくとも一般発売では突撃!ファミコンウォーズVS、非売品では失われた光を最後に新作はリリースされていない。
そして、2021年のニンテンドーダイレクトの海外配信版ではゲームボーイウォーズアドバンス1+2のリメイク「ADVANCE WARS1+2 RE-BOOT CAMP」が発表されたが、日本国内向けのニンテンドーダイレクトでは何故か発表されていない。
シリーズ一覧
本編シリーズ
- ファミコンウォーズ (FC、Wii・VC、Nintendo Switch Online)
- ゲームボーイウォーズ (GB)
- ゲームボーイウォーズTURBO (GB)
- スーパーファミコンウォーズ (SFC、Wii・VC)
- ゲームボーイウォーズ2 (GBC)
- ゲームボーイウォーズ3 (GBC)
- ゲームボーイウォーズアドバンス1+2 (GBA)
- ファミコンウォーズDS (DS)
- ファミコンウォーズDS 失われた光 (3DS・ダウンロードのみ、非売品)
- ADVANCE WARS1+2 RE-BOOT CAMP(SWITCH・現段階では海外のみ)
外伝的作品
以下の作品は3Dアクションゲームとしての毛色が強い。
- 突撃!ファミコンウォーズ (GC)
- 突撃!ファミコンウォーズVS (Wii)
ショーグン
近年ではゲームの幅を広げるため、プレイヤーキャラクターとして「ショーグン」が登場した。
Pixivでは、このショーグン達を中心にイラストが投稿されている。
語源は言わずもがな将軍である。
ショーグン達はそれぞれ個性的な能力を持っていて、戦略に大なり小なり影響する。
プレイヤーの望む戦略に適したショーグンを選ぶことで、新たな可能性をもたらしてくれる。
ショーグンが登場するのはスーパーファミコンウォーズとゲームボーイウォーズアドバンス以降の本編シリーズである。
『突撃!!ファミコンウォーズ』シリーズにもショーグンは出るが、あくまでプレイヤーは現場の一兵士であり指揮官で、ショーグンは自軍・敵軍ともにミッション中はあくまでプレイヤーへのアドバイスや状況説明で発言するのみ。
作品解説
ファミコンウォーズ
ファミリーコンピュータで発売された初代作品。
Nintendo Switch Onlineでもプレイ可能。
スーパーファミコンウォーズ
ファミリーコンピュータ版のリメイク。新ユニットやバランス調整など細かな点が増え、ニュー2Pマップだけで無く4Pマップまである。バーチャルコンソールにて配信された。
ゲームボーイウォーズアドバンス
本作からファミコンウォーズDSまでの3作品は世界観が共通している。
ゲームボーイウォーズアドバンス2
前作の続編で、ショーグンも引き継いでいる。
以下は新たにショーグンに加わったキャラクター。
ファミコンウォーズDS
前作の更なる続編で、ショーグンもヘルボウズを除いて引き継いでいる。
以下は新たにショーグンに加わったキャラクター。
ファミコンウォーズDS 失われた光
世界観が一新され、前作とはシナリオの繋がりが無い。シリーズでも異例のポストアポカリプスで、荒廃の惑星となった地球を舞台にしている。
突撃!!ファミコンウォーズ
『戦略ウォーアクション』と銘打ち基本はTPS或いはアクションゲームであるが、リアルタイムストラテジーの要素が付加されている。
初心者にも解り易くチュートリアルが充実してるので、やればやるほど上達する作品でもある。
ウエスタンフロンティア国 | ハーマン将軍 ベティー准将 オースティン大佐 |
---|---|
ツンドラ国 | ノバ元帥 ゴルギ大帝 ネリー少佐 |
ソーラーエンパイア国 | レイ=クォ女帝 |
エキシルバニア帝国 | ブラッド皇帝 ウーベル司令官 イングリッド婦人伯爵 |
突撃!!ファミコンウォーズVS
前作の続編で、新たに海上ユニットと新国家が追加された。
その他にユニット相性の強化と、Wi-Fiを用いて他プレイヤーと協力・対戦プレイが出来るのも特徴。
ウエスタンフロンティア国 | ハーマン将軍 ベティー准将 オースティン大佐 |
---|---|
ツンドラ国 | ノバ元帥 ゴルギ大帝 ネリー少佐 |
ソーラーエンパイア国 | レイ=クォ女帝 ア=クィラ提督 |
アングロアイランド国 | ウインザー大佐 ピアース指揮官 |
アイアンレギオン公国 | フェロック卿 |
古代ソーラーエンパイア国 | クァ=レン女帝 |
エキシルバニア帝国 | ブラッド皇帝 ウーベル司令官 |
関連動画
余談
例のミリタリーケイデンスのCMでは放映では吹き替えられているが、撮影現場では本当に海兵隊員の皆さんが唱和したとのこと。ちなみに打ち合わせでの歌詞説明において「母ちゃん達には内緒だぞ!」の部分は海兵隊員の皆さんはその意味を理解した上で大爆笑したとのこと。
湾岸戦争を海外では「ニンテンドーウォー(NINTENDO WAR)」と揶揄されたのだが、ニュアンスとしては「テレビゲーム(のような)戦争」という意味合いで、しかも海外ではテレビゲームの代名詞がニンテンドーだった(日本ではファミコン)。この揶揄は当の任天堂は不快に思っていたらしく、これがファミコンウォーズが日本ではリリースされなくなった原因の一つではないかとも推察される事もある。